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30代/二次元/メンタル/お洒落
眼鏡さんの正体
22:11 2017/2/20
今日は派遣女性の方・昨日の眼鏡の社員さんとの3人体制でした。わたしはひとりで呼び込みをして、店内にご案内したお客さんに料金プランなどの説明をして営業をかけることを任されました。

何組目かのお客さんを帰したあと眼鏡さん(あの人に似てる!お笑いのナイツの人)が近付いてきて「俺はもう表に立たへん方がええのかもな。昨日より、君ひとりでやってる方が断然お客さん集まってくるやん」というので「そんなことないですよ」と返すと「いや、あるんやで。俺はガツガツ攻めて行くからな、客からしたらなんやねんこのオッサンってなるんやろな」と床を蹴っていました。

また代表取締役のほうから今朝全体周知があって。「あのさぁ、今日からこれも売ってね。20日出勤したら足止め400くらいいくでしょ?それなのにあれ売らないとかなんのPRにもなってないからね?そういう人はこの仕事向いてないと思います。笑 1日最低でも1件売れるように努力してください」と言われ、そのことを眼鏡さんに伝えて商品の内容を教えてもらったんですね。

「ほんなら3500円で売ろか。最初はその値段でゆうてや。そんで客が渋ったら、2500円まで割引きしてええよ。それハウ価格にしよか」
と勝手に値段を決めてしまったので、それでご提案することになりました。

それからお昼休みに休憩室で制服を着替えていると眼鏡さんが来て、ロッカーにもたれながら「ハウさん、この店舗明日までなん?」と聞いてきました。

「はい、明日までです」
「そうかー。俺明日はないねん、今日までやねん」
「えっ!?や、辞めちゃうんですか!?」
「辞めへんわ!いや、俺なー、実はサブマネやねん。関西の支社に異動するんよ」
わたしはそんな偉い方とお話していたのか……。
「そうなんですか……寂しくなりますね。眼鏡さん、短い間でしたけれどお世話になりました」
「そんなん言わんといてや、めっちゃ寂しいやん」
「わたしも多分もうここの店舗は入らないと思います」
「えっ!?なんでや、君めっちゃお客さん呼べんのに、昨日より断然客入ってるで!」
「うーん、そうなんですかね」
「しかも客の質がめっちゃええねん、みんな君の話聞いてくれるやろ。さっきは客の兄ちゃんから〇〇の質問されてたやん?くじ引きで集客して、そっから〇〇の専門的な話にまで深い話できてるってことやねん。そんだけアツいねん。もったいないわ、SK店もっと入ってや」

店頭でイベントをしていたら外国人のお客さんが景品のアンパンマンのぬいぐるみを持っていってしまい、ダッシュで追いかけました。商店街の入口まで走ってぜえはあしながら戻ってくると、さっきまでいなかった眼鏡さんが店頭に立っていました。

「なんでそんなはあはあしてるん」
「あのっ……おきゃ、お客さんが、アンパンマン……持っ……ちゃって……」
「え!?盗まれたん!?そんでダッシュさせられたんや、ほんま頭おかしい奴やな!つかうちのレディに何してくれてんねん、自分ちょっと10分休憩挟み」

そんなに休むのが申し訳なかったのですぐ店頭に立ったのですが、声出しをしようとしたら途中で息が続かなくなってしまいました。すると眼鏡さんが後ろからすっと現れて「休憩。命令やで。めっちゃ顔赤くなってるやん」。仕方なくその場でしゃがませてもらいました。

そのまま雑談を少ししたのですが、何かの話の流れで出身地のことになりました。眼鏡さんは三重県出身だそう。

「わたし、福岡県出身です」
「あ、そうなんや?それでおっとりしてるんやな」
「おっとりしてますか〜?店長さんには、元気がいいって言われましたけど」
「いやめっちゃおっとりしてるわ。地元の人間ぽくないねん」
「えっ、わたしここの色に染まってきたと思ってるのですが……」
「全然やで。でも福岡は修羅の国やから、怒らせたらあかんねん。ハウさんも怒らせたら怖いタイプなん?」
「はい。わたしは5年に1回怒ります」
「スパン長すぎやろ!」

そのあと眼鏡さんがお客さんの接客に入り、派遣さんはお昼休み。わたしはそのとき変な男性のお客さんにつかまってしまい、なんとかお帰りいただこうとあれこれやっていました。

そしてなんとか見送って、眼鏡さんのお客さんもお店を出るというときに「ねえお姉さん大変だったわね、ずっとお客さんに絡まれてたでしょ?やーね、このお仕事大変よね。がんばってね」と労ってくださって。

「なんや、絡まれたん?」
「はい、まあ、でも大丈夫です」
「さっきのお客さんがな、あの子かわいそうよ助けてあげたら?ってずっと心配してん。自分、昨日もセクハラされてほんま災難やな」
「えっ?ハウさんセクハラされたんですか?」
「まあ、でも大丈夫です!」
「いや昨日のはあれ〇〇(男性スタッフさん)おまえ見てないで助けろやって話やで、おまえんとこのスタッフやのに何してんねんて。とにかくほんま店の中に逃げ込んでな、俺がガツンと言ったるから。まあ俺もう明日から休みやけど……寂しなるなあ」

お仕事が終わり、眼鏡さんと今日の業績をチェックしました。わたしが今日足止めして店内へご案内したお客さんの数についてで、

「いやほんまに今日、リアルな数字俺が報告するんなら30か40はあったで。君めっちゃお客さん呼んでんねん」
「うん、ハウさん今日すごかった」
「ありがとうございます。眼鏡さんが今日アドバイスをしてくださったので、うまく立ち回れました。数字は30で報告した方がいいですか?」
「そこは自分の成績になるように、自分が有利になるようにしたらええねん」
「うーん、じゃあ40にします」
「今日はハウさんが頑張ってたわーって店長に報告しとくわ」
「全速力で走りましたって報告しといてください」
「せやな」

そして話題は直前わたしがご対応したお客さんのことに。なんか何度商品案内をしようとしてもそれを無視してプライベートな話に持っていかれるんですよね。

それではやくもう帰って欲しくて「雨がひどくなる前にお帰りになった方がよろしいですよ」とか「また機会がありましたら、よろしくお願いします。本日はありがとうございました」って入口で見送ろうとしたのですが、
「えー、なんか機会があったらって寂しいですね。俺明日もうここ来ないから会えなくなるんですよ」って動かなくて、しばらく近くで様子を見てた眼鏡さんが「お客様、当店そろそろ閉店しますので、お気を付けてお帰りくださいませ」って出てきてようやく開放されたのです。

「なんやねんあの男、まったく商品の話してへんやん。最初からそういう狙いの目してたわ」
「あの男の子22歳だそうです」
「男の子て、ハウさんも22歳くらいやろ?」
「いえいえ、わたしもっと上ですよ。本社の店長さんたちより上です」
「は!?店長クラスより上ゆうたら、え、リアルに30代やで」
「ですです。30です」
「嘘やろ!考えられへん」
「わたし、OK店の店長と同い年です」
「嘘やろ!あの小汚い〇〇と同い年って誰が信じんねん!」
「□□サブマネ(コワモテ)の1個下です」
「だから誰が信じんねん!絶対嘘やわ、だって俺36やで」

「眼鏡さんお若いですね。じゃあ……すみません、お先に失礼します」
「あかん」
「なんですか?」
「ほんまに30に見えへんねん」
「年相応じゃないですか?30って聞いてからわたしを見たら、30だなあってなると思いますよ」
「……」
「……」
「いや20代やわ、ほんまにわからへん。つかもう今日で終わりやんな」
「眼鏡さんとは今生のお別れになるかもですね。もうこっちには戻ってこないんですか?」
「SK店のサブマネになったらまた戻ってくるかもやけど、関西やろなあ」
「え〜、寂しくなりますね。短い間でしたけどお世話になりました」
「たった三日間だけやったなあ。もっと俺がサポートできたらよかったんやけど、ほんま今日は上出来やで。君は商品の知識つけたら絶対アツいから、頑張りや。明日も今日やったとおりに動いたら、大丈夫やと思うねん」
「ありがとうございます」
「あと△△(今朝代表に売ってと言われた商品)売るのは無理やわ、君んとこの代表頭おかしいんとちゃう。あれはそもそもハウさんの立ち位置みたいな営業から売るもんじゃないねん、それやろうとするのは難しいわ」

なんかそんな感じで別れました。眼鏡さん良い方だったなあ。従業員思いというか……派遣さんのことも親身になって考えているし。

わたしと同い年の店長さんも、その派遣さんのことを守ってたんですよね。電話で「〇〇(派遣さん)に負担をかけすぎなんすよ、うちの会社は。派遣ってそういうものじゃないでしょ。もっとあいつのことを考えてやるべきなんじゃないんすか」って誰かに話してたから……。

SK店もっと入ってや、と言われたけれど、ここの店長さんは巻き髪の美人スタッフさんを気に入ってるんだと思います。その人が大体いつも固定でシフトに入ってて、たぶんたまたま彼女がお休みをとってたからわたしが呼ばれたんだと思うんですよね。

店長さんは見た目がホストだから絶対巻き髪さんをタイプだと思うし、巻き髪さんはお仕事もできるし。彼女はわたしと同い年の店長さんがいるOK店へ行きたがってるみたいだけど、シフトを見る感じSK店とSJ店のちょっと夜の街っぽい場所に好かれてるんだろうなあと思います。

明日はここの店舗ラスト!契約とりたいな〜がんばるしかないな〜。せめて契約見込みがほしいなあ〜!

まーちゃんへ
なんか本当にいろんな人がいます。ちょっと苦手な人も中にはいるけど、良い人もたくさんいるし、なんだかんだここの会社は好きかも。

話題:仕事帰り



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