私の大好きな街が恐怖に覆われた日のこと。
最愛の妻を失った男性の想いが詰まっていて胸が締め付けられる。

あの場所に行ってきた。
何とも表現しがたい感情が込み上げた。
完全に閉鎖され、街は明るいのにバタクランは真っ暗だった。
今でも恐怖を感じた。
ただ、奪われたものを思った。

帰ってきたら、必ず読みたいと思っていた本。
本はほとんど読まない私がどうしても知りたかった事実。
とても平凡な家族が、ある日突然引き裂かれた。
確かに形式上、物理的には。
でも、無くしたくないから大事なのであって、大事だから悲しいのであって、悲しみは愛がないと生まれないもの。
愛が続いていくこと、確かにあったということ、これが持っている者と持っていない者との既に決定的な違い。
『幸せ』の尺度は千差万別とはいうものの…
あの時信じた通り、今、本当に幸せですか?