少しの決心と
たくさんの不安を抱えたまま、

けんちゃんちに着いた頃には号泣していた。


いきなりこんなだと、けんちゃんも引いちゃうだろうな…と情けなく思いながら
彼の部屋に入った。


そこで悟ったこと。



けんちゃんは、私といた7年間と決別したんだ…




部屋の隅に置きっぱなしだった段ボールとか、
様々な物がキレイになくなっている。


そして、
確認するように見てしまったところ。


歯ブラシ、

ゴミ箱、

ベッドの枕。



他の女性の影を探したけれど、
見当たらなかった。


本当に、
嫌な女だ…  私。





どこに座るか迷って、

やっぱり顔を見られないから、

けんちゃんの隣に座った。




5分、10分…


どれくらいだろ?

沈黙に耐えられなくて呟いた。



『けんちゃん、
腰痛ね、整形外科で診てもらったよ。』


『そうですか。
で、どうでした?』


『今度、MRI検査するの。』



なかなか本題に行けない。




恐る恐る
けんちゃんの手を握ってみた。


彼も握り返してくれて、

やっと話し始めた。




今までの苦悩。

私に対しての『本当』の気持ち。