Birthday Kiss

ホテルの夕食まで
まだ少し時間がある。


坂を下りて道後の街を散歩。

空気は冷たいけれど、Nさんの手は温かい。



『はい、撮るよ!』

所々でNさんはスマホ片手に
ふたりの写真を撮る。


『今まで写真なんか撮らなかったのに、
急にどうしたの?』


『記念にいっぱい撮っておきたいんだ。
そのうち色々忘れるだろ?』


そうね、
二人ともどんどん老いてゆくからね。笑




美味しい夕食と、
いいお湯を頂いてから、

部屋で寛いでいた。


時計はそろそろ夜中の12時を指そうとしてる。




『もうすぐお誕生日だね♪』


『ぁ〜 歳とっちゃうな〜( ̄∇ ̄)

ね、ちょっと遠くない? こっちおいでよ!』




数十秒前になるとNさんはスタンバった。


『誕生日を迎える瞬間に、
オレはやりたいことがある。』




言われた通り、
Nさんの隣に座った。



10・9・8・7……





唇を塞がれた。




『やだ(^^;)   なあに?』



『誕生日を迎える瞬間に、
ぷくぷくさんとkissしようって決めてた。』



『若い人が言うみたいなこと 言うのね。』




『来年の誕生日も、
その次の誕生日も…

オレと一緒にいてください。』




『はい(^-^)』





しかしここで、

重大なミスに気付く。



夜は早めに寝るつもりで、
まさか誕生日のカウントダウンをするとは思わなかった私は、


Nさんのためのプレゼントを
車内に置いてきてしまったのだ。





詰めが甘いわ…





湯之町へ。

Nさんの誕生日前夜は、

道後温泉で一泊。



ふたりの大好きな街のひとつだ。



道後に入る前に、椿神社で初詣。
お揃いの御守りを頂いて参拝した。


おみくじを引いたら、

Nさんは大吉で、
ぷくぷくは末吉。

内容を読みながら
お互いにクスクス笑った。



こうしてふたりでいられることが、
私にとっては『大吉』だよ。





この日のお宿は、
高台にあるステキなホテル。



少し早めにチェックインをして、
道後の街を散策することにした。




部屋に案内されて
ふたりきりになると、

待ちわびていたようにギューッとハグをされた。



『Nさん…?』


『少し、休憩しよう。』






道後散策は、

しばらく『おあずけ』 となった。



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