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目覚め

けんちゃんの夢を見た。


すごくリアルで、
鮮明に覚えてる。



昨年のお別れ以降、
彼が夢に出てきたことは…

記憶にない。




けんちゃんが住んでるという場所を訪れた。

でもそこは、
私の叔父夫妻が住んでた所だ。



道路から上を見上げると、

たまたまワンちゃんの散歩をしていたけんちゃんが…



『けんちゃん!』



私のこと覚えてるかなぁ?と、
不安に思いながら声をかけたら、


彼の顔がパァッと明るくなって、
ワンちゃんを抱きかかえて駆け下りて来てくれた。




『ねーさん!』





けんちゃんは、
ご両親とワンちゃんと一緒に
幸せに暮らしていて、

終始ニコニコしていた。





最後に、

メモ書きをもらったのに、


その内容がわからないまま目が覚めてしまった。





なんて書いてあったんだろ?




夢というものは、

肝心なところで終わってしまう。




きっと、
知らない方がいいことなのかもしれないね。







ふと、
ベッドサイドの引き出しに目をやった。




もう少しで、
忘れるとこだった。



渡せないでいる、
けんちゃんへの卒業祝い…





このボールペンが、

夢を見させたのかしら?






少し、
モヤモヤが残る…








今日は、

Nさんとのデートを楽しもう。
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