夕飯済ませて、
お風呂にでも入ろうかな〜と思ってたら
けんちゃんから
今から帰るってメール。
鏡をのぞいたらメイクの落ちたおばさん顔。
慌てて頬と唇を直して
チョコレートの袋をつかんで飛び出した。
半月ぶりに会うけんちゃん(*^^*)
いつもは少し離れて座るんだけど、
昨夜は、最初からピッタリと隣にくっついて座った。
『はい、けんちゃん!
遅くなってごめんね(^^;)』
チョコの包みを渡したら、
いつものように『薄い反応』( ̄∇ ̄)
けんちゃんは、
感動しても そんなオーバーに表現しない。
『ぉ〜…
ありがとうございます(^^)』
静かに喜んでガサゴソ包みを開けてる。
私は、
キョロキョロ部屋を見渡していた。
机の上、
ちょっと開いてるバッグの中、
ゴミ箱の中。
『けんちゃん…
大学でチョコもらった?』
『もらいませんよ〜!
女子いないんですから。』
けんちゃんのコースには 確かに女の子は少ないけれど、わずかながらいる。
でも卒論で忙しい時期だし、
女の子が好きな 女の子だったり…
毎年手作りチョコを作ってくれてた女の子は
昨年卒業しちゃったし。
なんと今年のバレンタインデーの収穫は
ゼロだった(;・д・)
『じゃあ、私のだけ?』
『そうですよ(*^^*)』
けんちゃんは、
たった1個だけ口に入れて
チョコの箱を閉じた。
チョコ大好きなのに
毎年そうだ。
味わって食べたいからと
1日に1個ずつ大切に食べる。
だから私も、
個数の少ないものをプレゼントしてる。
100個とか入ってると
夏になっちゃうものね(゜∀゜)
けんちゃんの
オンリーワン チョコレート。