話題:猫

その後
猫ちゃんとの生活が始まった

初めて飼うペット
初めて飼う猫ちゃん
初めての室内飼い
初めてのこっそり飼い

初めてづくしで僕もヨメもとまどった。

でもなんとか工夫してやっていた。

すごく頭がよくて穏やかで人懐っこい猫だった。

母は寄ってこない猫といっていたが
どうも母親には懐いていなかっただけのようだ。

母親は僕もことも猫もことも
わまりの人にはすごくかわいくて愛情を持って接している
と言いまくっていたようだ。

でも実際にはそうじゃない。
学生の頃から20回以上も帰省しているが
一度たりとも足代をくれたこともない。
父親がガンで月1回帰ってきていたときも
葬式で喪主をやったときも

結婚してから受けた金銭的援助は
たった1万五千円。

でもまわりにはかわいいとか言って
自分が愛情ある人間・母親であるかのように振舞っていた。

そういう意味では猫ちゃんと僕は一緒だった。

大げさだけど猫ちゃんのことは兄弟姉妹のように思えてきた。

家に帰ってくると「にゃっ!」と言って猫ベットから出てきた。
ソファーに寝ていると登ってきて撫でてくれと甘えてきた。

かわいくて仕方なかった。
正直、自分が自分以外のものをこんなに愛せるものかとびっくりしていた。

老猫だったから
医者にもなんどもいった。
亡くなる前は1週間に3回点滴にいった。
途中であきらめかけた。
猫だってボロボロの体で生きたいなんて思わないはず。。。
なんて理屈をつけて。
でも諦めたいのは猫ちゃんじゃない。
俺のほうなんだって気づいた。

猫ちゃんは最後土曜日に亡くなった。
僕が家にいるときに亡くなった。
猫ちゃんの死に目を見とることができた。
亡くなる前まで一生懸命ちゃんとトイレにいっていた。
といれからでて、ちょっとした段差も登れなくなっていたのに
最後までトイレにちゃんと行こうとしていた。
そして最後も僕がいるときに亡くなってくれた。

最後の最後まで頭がよくて穏やかでいい猫ちゃんだった。
いちどもシャーとかウーなんて行った声を聞かなかった。

ありがとう、猫ちゃん。
君といた3年間は僕の人生で一番幸せなときでした。
ホンマ、ありがとう。