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歴代

病院の帰り、案の定挫けて、一緒についてきてくれた犬子にほんとに感謝だった。
犬子「きっと○○はレンの代表歴代彼女として名を残したな(笑)」
レンは自分の中で大きかった存在の人を彼女やら友人やらに話す人だ。
私もさんざん、元妻と初恋の人の話を聞かされた。
まぁここまで大事になれば嫌でも記憶に焼き付くだろうよ。
いいことなんだか悪いことなんだか…
犬子に昼飯を奢って、洗車して、スタバでちょっと話して、解散。
誰かと話せてよかった。
ひとりじゃきっと死にたくなるほど落ちてただろう。
最近動悸がするから、落ち着かないんだよね
落ち着く薬がほしいけど…
病気とか言われたくないから病院には行かない、意地。

面会

面会に行ってきた。
レンの好きなチョコレートとパンとお菓子とジュース諸々買って、送る予定だった手紙と、神社で買ったお守り持って。
親族じゃないと面会できないらしく、従姉妹と偽って入った。
隔離施設みたいなとこに面会状持って行ったら、レンがすぐに来た。
あたまボサボサで目が死んでた。
レン「○○!」
すぐ手を引いて自分の仮ベッドがあるとこに行って、抱き締められた。
レン「○○、会いたかった、来てくれてありがとう…」
本当に病人っぽかった。
薬のせいか、目がリアルに死んでる。
とりあえず買ってきたものとか渡して、お話しした。
レンは、ちゃんと病気と向き合って自立すると言っていた。
退院したら母親と住むらしい。
あの母親と……心配だけど、病気の原因はあの母親だと思うから、帰りつくとこはやはりあの人なんだろう。
レンは、お互いに自立して、今度は時間をかけて段階踏んで、何年先でもいいから、また一緒になりたいと言っていた。
私は曖昧な返事をして、レンはひとりじゃないと念を押して、背中ぽんぽんしてあげた。
病院に入るのは二度目だからね。
何を言われても信じられないよ、でも孤独は怖いから、友達としてレンの近くにいようと思う。
別に私と幸せにならなくたっていいんだ。
誰を愛でたっていいんだ。
レンが自立して幸せに踏み出せるなら、背中を押せるよ。
きっとあんな温い病院じゃレンの病気は治らない。
レンはまだ隔離施設にいるから、あと最低三ヶ月は入院すると言ってた。
とにかくちょっとでも治療に専念してほしい。

電話

友達ならいいと思って、レンのおばさんに私の電話番号を教えていいと承諾した。
夕方、公衆電話から電話がかかってきた。
レンだった。
レン「もしもし?○○…?レンだけど…わかる?」
別人みたいに弱って泣き出しそうな声だった。
私「あ……うん…、わかるよ」
レン「友達でいてくれるって聞いた、ありがとう……。ごめんね、俺、○○にひどいことして」
私「いいよ、いいから、友達でいるよ」
レン「面会とか来てくれる…?今公衆電話からだからあんまり長く話せないけど、ちゃんと話したいんだ…」
私「うん、行くよ」
レン「○○、愛してる、友達でも愛してるから…っ」
泣いてるのかもしれない。
レン「じゃあ、もう切らなきゃ、ありがとう、おやすみ…」
私「うん、おやすみ」
胸が張り裂けそうだ、まるで子供を牢屋に閉じ込めてしまった気分
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