不完全な白

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流れ

なにも満たされない。
憧れはやはり愛には繋がらないのか。

ちょっとふざけてレンの脇腹を甘噛みしたら、思いの外レンは痛がって、
「いてっ!ちょっ、お前〜…!」
笑ってたけど、一瞬、殺気立ったのがわかった。
殴られるかと思った。
レンからは時々狂気じみたものを感じるから怖い。
居心地が悪い。
レンの家族や親戚はほとんどがそっちの世界の人で、レン自身にもその血が流れてるから、血の気が多い。
私はもともと、暴力で事を片付ける人間が大嫌いだから最初聞いたときは引きまくった。
レンが族に入ってた話や頭やってた時の話、病院や建物ぶっ壊した話とかを自慢気に話すたび、最低だと思った。
あと妻に暴力振るった話とか。
いつか絶対、私も殴られると思う。
まぁ…いいけど。
恋愛で苦しい思いするのは慣れてるし。
生きることに目的がないから、流れに逆らわないのも別にいい。
しょうがない。
今あるそれ以外、私には何もないから、苦しくてもしょうがない。
早く死にたい。

支配

レンは子供でもあり大人でもある。
我が儘だけど思いやりもある。
計画性もあれば気分屋でもある。
いい人の面と悪い人の面を持ち合わせる不思議な人。
行動も心も読めない、わからない。
常識があるんだかないんだか判らない。
不安定な人…
近くなればなるほど怖くなる。
思考さえ支配されそうで。
レンには色々遠慮してしまう。
一応恋人なのに、むやみにじゃれつけないし。
言葉に注意してるから適当なことも言えない。
恋人じゃない時のが楽しかったな。
たまに会ってた時のが心地よかった。
今はなんか、私の勝手な思い込みかもしれないけど、上から押さえ付けられるような、圧迫間。
釣った魚に餌はやらない感じがする。
まぁ…優しいけど…。
レンはゆくゆくは私と結婚したいとか言ってたけど、現段階で私はレンの妻じゃないのに、妻になるための礼儀作法みたいのを押し付けてくる。
私の望む愛じゃない…
やだな…ほんとに支配されそう。