【やっぱ照れるねぇ】

  オイラのように視力に問題のある人間は、文字を書いたり読んだりするには他人の援助がいる。
  ラブレターであろうが他人には知られたくないことであろうが、他人の援助が必要になる。
  昔は、その役はカミサンであった。
  今は娘がその任を担っている訳だが、娘が常に居る訳ではない。
  だから銀行での振り込み、カードからの振り込みなんかは銀行の人にしてもらうことになる。

  「どうぞ楽しんで来て下さい。」
  帰り際に振り込みを担当してくれた支店長(多分)が言ったのだ。
  本来ならプライベートなことなので、そんなことを言ってはいけないし、彼もそれはわかっていた。

  振り込みの最後に、
「ここにはまた振り込むことはありますか?」
と訊かれたので、
「いいえ、一生に一度のことですから…」
などと、オイラが余分なことを言ってしまったからなのだ。

  確かに、豊田市まで森昌子を聴きに行くなんて、しかもクリスマスディナーショーだなんて、一生に一度だろうからね。

  昔、4年くらい前だったか、名古屋駅前のホテルで開かれた八代亜紀のクリスマスディナーショーには、Mと出掛けたことはあるけどね。
  今度は、奴は忘年会だとかで行けないから、独りで行くことになる。
  多分、予定が空いていても、森昌子じゃぁ、奴は行かないだろうな。

  今のハジケた森昌子の魅力は奴にはわからないだろう。

  そんなことじゃあないんだ。
  銀行の支店長にオイラの趣味がバレてしまったことが恥ずかしいんだよー!

  ホントに赤面しちゃいましたとさ。