軽軽しい日記 体重は重いが


第六章 夏はやはり怪談かい 14
 2018.7.18 04:00

暑い盛りが過ぎても 夕方 まだまだ 夕涼みにはならない時間帯

「楽々座」興業も終わって でてけでてけと太鼓の音が響いては

お客さんたち 外へと出されています

そこへ やって来たのは

帝都日報の 豊田記者

「横転師匠 きいてまいりやしたぜぇ」

「おお ちょうどいいや 今 終わったとこでぇ」

「っで まずは 甲斐中尉ですが かなり強引な男で 以前もなかで揉めたことがあるようですねえ 」

「ほぉ 吉原でか 」

「なんでも旦那が決まってた太夫に横恋慕しては 無茶をやっては 問題起こしたようで 結局 御華族様のお金でかたがついたっての聞き出しましてねえ」

「そうかあ 厄介ものの軍人かぁ っで 今度のおゆきに対しては?」

「うむ やはり 大金を積んでは 妾にでもしようって腹みたいで おゆき嬢と毒島さんは ホトホト困ってますねえ」

「じゃあよぉ 他のおゆきに恋慕してたやつらは? あの帝大生たちとかよぉ」

「そうですねえ 一度 ぽいずん前で あの中尉の取り巻き連中といざこざあっては ぼこぼこにされて 二度とここへは来るな!と一筆書かされたようですねえ」

「ずいぶん ずぶてえやつだな その中尉。 あとは 竹ノ下あたりの絵描きさんは?」

「彼も どうやら 何か言い含められたかわからんが かなり消沈してましたねえ」

「うむ なるほどね んじゃあよぉ そのぉ 中尉ってのは 毎日 ぽいずんへ来てるンかねぇ?」

「へえ ここんところ 軍の演習中で来てませんが そろそろ終わるから 明日あたり来るかもしれませんねえ」

「んじゃあ 明日 できたら 帝大生たち連れて来ちゃぁ くれなくかなぁ おいらは ちょっくら おゆきと話つけておくからよぉ」

「はい? どういうことでやんす?」

「おばけの正体暴いて あとは その中尉ってのをとっちめてやるって寸法よぉ」

「おもしれぇぜぇ んじゃあ こっちも帝大生引っ張ってきやすよ」

さて 何か 横転さん いたずら考え付いた子供のようにはしゃいでいます

どういうことになりますやら








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