嬉しそうに笑うお乱に見送られ、昆奈門達は鬱蒼と茂る山道を下っていた。
「…昆奈門様、誠にあの人妖の話を信じられるのですか?」
黙々と歩いていた尊奈門が、訝しげに声を上げる。
誰だって初めて会った者、それも人間ではない者を直ぐに信じるなど易々と出来るものではない。
“妖の類いは人を騙し、たぶらかすもの”
そういう話が多い為に、尊奈門はお乱の話を信用することが出来ずにいた。
「お乱殿の言葉に嘘はなかろう、お前に信じられなくともな」
「…っ」
まだ感情で突っ走る傾向にある若者なのだ。
仕方が無いものと、昆奈門は無理に諭そうなどとは考えない。
「お前も、お乱殿と付き合えば分かってくるだろう」
それだけ言い、昆奈門はからかう様な笑みを浮かべた。
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嬉しそうに笑うお乱に見送られ、昆奈門達は鬱蒼と茂る山道を下っていた。
「…昆奈門様、誠にあの人妖の話を信じられるのですか?」
黙々と歩いていた尊奈門が、訝しげに声を上げる。
誰だって初めて会った者、それも人間ではない者を直ぐに信じるなど易々と出来るものではない。
“妖の類いは人を騙し、たぶらかすもの”
そういう話が多い為に、尊奈門はお乱の話を信用することが出来ずにいた。
「お乱殿の言葉に嘘はなかろう、お前に信じられなくともな」
「…っ」
まだ感情で突っ走る傾向にある若者なのだ。
仕方が無いものと、昆奈門は無理に諭そうなどとは考えない。
「お前も、お乱殿と付き合えば分かってくるだろう」
それだけ言い、昆奈門はからかう様な笑みを浮かべた。
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