(セルジュルタンスのアトマイザー備忘録を、書き溜めてはぽちぽち投下いたします)
(公式の説明も載せますが、香りの説明としては意味不明です)


話題:香水




ロルフェリン(灰の乙女)

その香りは 浮遊するベール。
父は木で、母は炎。
星屑のように優美で純粋。
けれどもやがて塵にまみれ、霞んでいく人生の軌跡。
それは記憶。
儚く繊細だが、しかし完全なもの。

[極めて優美なオリエンタルの香り]
インセンス、ムスク、カストリウム


www.sergelutens.jp
---公式サイトより---






お目当ての1つだったヤツです!
相変わらず公式からは香りのイメージが全く湧きませんね!(^○^)
記載は無いけれど個人的にはとてもパチュリの香りです。
ミドルはずっと「墨の匂い」「インクの匂い」「図書館・本屋さんの匂い」だなぁと思っています。
乾いているのに少し湿っぽい、甘さの無い香り。煙っぽさ(燻さ)も感じました。(灰だから?)
ラストは甘いです。
パウダリーでもグルマンでもフローラルでもフルーティでも無い甘さ。
シロップのような、甘いお香のような……並べると全く別物ですが何だかそう云う香りです。
甘いお香に時々ピリッとシロップ仕味た甘さを感じる……と云うのが正しいかも。
ムスクも立つので石鹸ぽさもありますね。
でも「甘い石鹸」の香りでは無い……うーん。





昏い香りだな、と思います。
真っ暗、では無くて。
それこそ陽の当たらない書斎ですとか、眠る前のテーブルランプだけの世界ですとか、雨が降る前の重く垂れ下がった空ですとか、その下の石畳ですとか。
そう云うものが彷彿とされる、静かでひんやりした香り。
セルジュルタンスの香りはひんやりとしたものが多いですね。
涼しげとか爽やか、じゃなくてひんやりしている。
余り触れ合わなかった類いの香りなので、その翳りがとても魅力的です。







「ロルフェリン」は「灰の乙女」と付けられていますが意味的には「孤児」だそう。
見掛けたレビューで
「孤児と云い修道女と云い、セルジュルタンスはネーミングがいまいち。そんな名前の香水を身に付けたいと思う女性がいるか」
的なものがあり、
「え、寧ろめっちゃ興味深いけど??」
と思ったものの、確かに「一般的に『香水』の役割とはかけ離れた概念だな」とメカラウロコしました(笑)。
又ある方は「灰の乙女」から灰かぶり……シンデレラを想起されたようです。
そして又別のお話では「この香りは美しきトランスジェンダー(或いはドラァグクイーン)の香り」とも。
美しさは常に灰色のヴェールに包まれた、そしてそれにより一層美しく哀しい性。
どの受け止め方も素敵だと思います。
1つの香りで沢山の物語が生まれるのはとても面白いですね。