原作◆池宮彰一郎
監督◆杉田成道
脚本◆田中陽造
製作総指揮◆ウィリアム・アイアトン
音楽◆加古隆
出演◆佐藤浩市 役所広司 桜庭ななみ 片岡仁左衛門 伊武雅刀
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↓ネタバレばっかり



またまた真夜中のロードショーでございます。

この映画は、ワーナーエンターテインメントジャパンの、本格的なローカルプロダクション(現地語映画製作)第1弾として製作されたそうです。(だから製作総指揮が外国人なのでしょうね)

他にサムライシネマキャンペーンとして『十三人の刺客』『桜田門外の変』『雷桜』『武士の家計簿』が続いたそう。


どうりで、もっともらしい日本を、わりと重厚に映像化した感があったのはそのせいか〜となんだか納得。

やはりお金さえあれば、邦画だって素晴らしい作品が作れるんでしょう!

まず数ある忠臣蔵の中で、この作品の大石内蔵助は、片岡孝夫こと片岡仁左衛門


そして、ヒロインの桜庭ななみがいいツンデレを演じています!

↓役所広司と安田成美。大人の演技力。


この娘さんは、役所広司氏演じる瀬尾孫左衛門(せのおまござえもん)に育てられた、大事な大事な娘さん。ある密命を背負って、討ち入りには参加せず16年間武家のおなごとして孫左が育ててきたのです。
男手一つで!
と思いきや、安田成美演じる、もと夕霧太夫=ゆうという協力者があってこその子育てでもありましたが…。


足を洗ってあげるシーンも艶めかしい感があります。

そして四十七士の生き残り、まるで新撰組の市村鉄之介さながら、討ち入り後も色々遺族の為に働いたのが、佐藤浩市氏演じる寺坂吉右衛門です。


やはり、のぼうでもしかり、カッコいいです!
この方が出てくると、ピリッともほんわかともしますね。

↓ここから核心に触れるので注意!
未見の人は閲覧注意です。







最後に桜庭ななみ演じる可音が嫁入りすることになるのですが、大石内蔵助の人間性を大いに伝えるべく、見送りに元家臣達が続々と集まるシーンがあります。
そして立派に挨拶する可音。

ラストの孫左は壮絶な最後をとげますが、その時に溢れ出る可音への気持ちは、着物の匂いを嗅いだ時に解った気がします。

走馬灯のように可音の成長映像を思う孫左。

武士ゆえ、とった選択、応えられない思い、ちょっと違和感もありましたがね…

孫左は武士の本懐を遂げるわけです。

色々重すぎたんでしょうね。

大石内蔵助への思い、討ち入りを断念させられてまでも受けた密命、子育ての経験もなく独身のまま女の子を育て、そして可音への思い…

可音にとって完璧な執事の孫左なのです。
萌えないわけないだろがー!!
しかも本当の父を知らないから、絶対ファザコンになってるし。
なってるに決まってる(笑)


無理!
真面目な人で忠義に厚い人なら病むレベルと思います。
だって赤の他人なのに、手塩にかけて美しく育てた娘から好かれたら、男なら困惑しますわな。

でも嫁になどできないと思う自分との戦い、だってね彼女はあの人の娘だよ…
お手つきなどできようか。

あ〜でもあの方を恨むはずもなく、物語は最悪の結末を迎えます。

切なすぎますが、一度は観といて良かったなと思いました。

役者が素晴らしいですね!