763!

2010/04/27 09:10
王が突然語りだす話。

こんにちは王くん。
「…こんにちは」
突然だけど君、何で実家を離れたの?
「…は?何故貴方にそんなことを言わなくちゃいけないんです」
何か、私に話すと支障が?
「ふん、別にありませんよ。ただ貴方に話すというのが嫌なだけです」
ふふ…正直な良い子。で、教えてくれないの?あと君、そんな半端な敬語なんていらないよ。微塵も敬ってなんかいないくせに。
「は…、判ってるじゃありませんか。…まあ良いよ、敬語は止めるし訳も話すよ。でも…話さなくたって判っているんだろう、あんた。」
私は君の口から聞きたいんだよね。
「ふうん、そう、そういう人だったね。なら聞いてもらおうか。」

「市正の家は繁栄の為に手段を選ばない。」

…あんただって知っているだろうが、本家の当主はまず最も優れた人材を、後継を設けるために多くの子をなさなければならない。戸籍上に問題がなければ実質の妻となる本家の人間一人に、分家から選ばれた四人の女性と。血縁だろうが構うことはない。選ばれた四人というのだって、そんなもの表立ってはということに過ぎない。きっと、俺自身がそうだと知らないだけで…もっと沢山の兄弟姉妹が市ノ上の中にいるんだろうさ。
…まったく淫らな家だよ。
まあ、当主を選ぶのが完全能力主義のわりにはそれ以外への待遇がひどいわけでもない。その辺は認める。きちんと、どんな生であろうと、蔑ろにすることはない。生まれてきた命に対しては誠意を持って対応する。それも能力の内ということだろうけど。
だからって、すべてを認める訳にはいかないだろう。俺は市正は心底から、…キチガイの集団だと思うね。倫理感がどうのなんて言わないさ。言えやしないさ、市正の俺が。だけどな、なんなんだあの家は。皆してヘラヘラヘラヘラ。女どもはそれが当たり前だと何の疑問も持たずに、本来なら他の女なり家のしきたりなり当主である男になりに敵意を持って然るべきだろうに手に手を取ってニコニコヘラヘラ。…倫理感がどうのとか以前の話だろう。
割り切っている?そんなものじゃない。割り切ってどうこうできる問題じゃない。皆心から受け入れてそれを幸せだと感じている。そうだ、俺だって世間から見たら幸せな野郎なんだ。
…俺はこの環境を甘受なんかしない。いずれ自分の力で伸し上がってみせるよ。だから、あんな家で燻っている訳にはいかないのさ。少しでも遠くへ、父の庇護の及ばないところへ、出来るだけ早く。
今は…まだ、時じゃない。必要な援助は甘んじて受けよう。でも必ず、一年以内には。一年以内には自分だけの力で立ってみせる。

「そのためには、実家を出るしか…無いだろう。あそこにいたら何も出来ない。籠の中の鳥だ。そして実家を出るにも理由がなければならなかった」
「そう」
「…………。というか、あんただって実家に居ないだろう、というか避けてもいるだろう」
「それは、ねえ?ふふ…」
「樢乃姉さん」
「まあ、私は弓京くんと似たような主義だからね」
「それは判ってるよ」
「私は喋らない…教えてあげないよ。……ふ、…それにしてもおーうちゃっ!今日はよく喋ったねーもう、熱くなってかーわいいなーっ!!」
「っ…き…た…!」



………………うっ………、…、…………ところで…姉さん…。
何?
何度も言うけどその「私」っていうの、気持ち悪いって…、いうか、やめて…くれ…。
あっははははははは!じゃあ私も何度も言うけどやめるきはないね!こんな面白いことやめるわけ無いよね!!
………………。
呼び方もやめる気ないからね?
…………………。









市正家はとっても仲が良いです。それでいいのか?ってくらい平和です。夫婦とかどうなってんの?なんて気にしちゃいない。
後継ぎは直系から選ぶしきたりで、当主はより能力の高い者に継がせるために子作りちょう頑張る。そして基本的にそれぞれの親もとで子供は育ちます。
後継者争いとかで母親同士のどろどろバトルなんてありません。むしろ和気藹々。どろどろバトルなんてしてしまったらむしろ自分に不利になるしまあまずそういう考えにいたらない人たちだけど。
能力主義というと教育が厳しそうだけどそんなことはない。それとまず本人に当主になろうという意志が第一。となると該当者が自ら努力をするわけですね。じゃあ親じゃなくて当人同士で争うのかと言われればそういうこともありません。そういう感情、行動が当主としての器では無し、となるから。
あとなんか色々つらつらとあったんだけどいざ打つとなると忘れるんだよね…。

王は市正の血をバリバリ引いているので計算高く裏で色々考えて、とかはしているが表立っては優等生…とはいえないか←
あの着こなしで優等生は名乗れないな。
裏で色々は悪巧みとかではない…よ。物事に先手を打っておくというか。
あと…なんか先生に「そこの四人、今手が空いてんなら〜」とかって雑用を押しつけられたとして(その場所にいたのは四人しかいなくて王も頭数に入っていて)王だけちゃっかり免れていたり。サボりではなく。

そういえばトリモチさんちの王は弓京だなー、と思った。暴行癖の…イッチー?は除くけど。
うん、トリモチさんちの王を、口調をもう少し幼い感じにしたのが弓京です。
幼いっていうか「楽しそうなお話してるね?」「デートのお誘い?色気づいちゃって!」「面白いものが見れそう」「たまには外で可愛がってあげるよ」っていう。
王はトリモチさんちの王と弓京を足して割ったくらいの口調に…なってるかな。
……王は……真面目な子です…。

ていうかあれだ…私が子を動かさないばっかりにすまん…色々と…


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