緋色の欠片、拓磨ルート、終わりました。切なさ満開ルートでした。一応、今までこうやってチマチマ書いてて、この後も書き続けていた上に、それは消すには勿体無いくらいの文字量なので、終わっても相変わらず一日一話ずつアップしていきます。拍手も感想も頂いていることなので。皆様の気持ちに大いに甘えて。 私の予想は当たってるとこもあれば外れてるところも、あり。しかし外れている道も私の軌跡。気にせずアップ。そして今から真弘ルート始めます。


〜 第五章 二日目 〜

夢から始まりました。お。今日はぼんやり人影が。この夢は初代玉依姫の残留思念みたいなもんかしら。珠紀は初代玉依姫の生まれ変わり、とか?じゃ、あの声は?時折聞こえる「許してくれ」とか云々の声は?も〜ほんとに次から次へと。

ま、いいや。おみくじ引きにいこ。

末吉:[慎重に行動をすることね。気を抜くと常世に行く運命が待っているから]

……これ、ホンマに末吉?ていうか、最初の大吉以降、末吉ばっかりなんですけど。末吉以外ねぇのかよ。くそぅ。

お。今日はお昼休みもないのか。学校行って、家に帰ると。そこには意外な人物が待っていた。

おう、てめぇこら。何してんだ人の家で。清乃ちゃんのおじちゃんです。警戒する三人を尻目に、「これからは公式に味方だ、仲良くやろうじゃないか」となれなれしい。信じていいの?こんな胡散臭そうな人間を信じていいの?ん〜。まだ判断しかねるなぁ。しかも、この男を家に招きいれたのはどうやらババ様みたい。鬼斬丸の封印維持のため、国の力を借りることにした、と。ババ様、引退したくせにやけにでしゃばるな。なんか、この人も今一信用できないんだけど。だってさ、玉依やロゴスについての助言は一切しないくせに、こうやってみんなの知らんところで勝手にあれやこれや決めて、結局、ババ様の思惑通りに進んでる気がしてならないんだよね。

真:[……ちょ、っと待ってくれ。話が違うぞ]

……何の?やはし真弘は何か知ってるのね。また謎が増えた。

清野ちゃんのおじちゃん、芦屋が所属する機関は、古来から存在する、政府直轄の対神霊危機管理機関。それを典薬寮、というらしい。芦屋は陰陽道以前の呪術、呪禁道(じゅごんどう)を使うらしく、そして芦屋は鬼斬丸封印の強力を申し出、ババ様はそれを承諾した、と。

芦屋は言う。状況はかなり悪くなっていはいるが、切り札はこちらにある、と。玉依姫である珠紀が切り札だと。けれど、その肝心の珠紀にはその兆候もなければ、知識もない。それどころか、世界を背負わされてプレッシャーに押しつぶされそうになる。珠紀もね、努力はしてるんだよ。努力は報われるとは限らない。けれど、拓磨と真弘に支えられ、三人は再び蔵へ。今できることをする為に。頑張れ珠紀。私もあんたの味方でいるからね。

そして蔵。調べ物をしていると、不意に拓磨が聞いてきます。

拓:[なあ、お前さ。真弘先輩のこと、好きなのか?]

いや、全く。というか、なんで今その質問?

拓:[……いや、別に。ただ、なんとなく。仲が良いと思ってたからな。]

いや、全く。っていうか。なんだ、この甘酸っぱい展開。二人してモジモジ。甘酸っぱい。思わず遠い目になる私。されど遠すぎて大して何も浮かんでこない。高校の時でしょ?何年前になるんだって話だよ。登りきった大人の階段をもう下ってる段階だしね。しかも今一番の不安が、こないだ日記の題名にもした、来年の本厄と大殺界を無事に乗り切れるか、だしね。来年は彼氏も作らない。大人しく慎ましく、女友達とワイワイ楽しく過ごすんだ、私は。

そんな事を考えてると、珠紀がある本を見つけます。

[鬼を斬りしは玉依の娘、三つのカミを従えし]

……これは、割と核心を突く内容じゃないか?

[かの封印の地に鬼が現れ、暴れまわった。その地に住むカミ、三つのカミ、すなわちヤタガラス『クウソノミコト』、妖孤『ゲントウカ』、大蛇『コドノマエ』がそれに逆らうが、三つのカミは鬼の力に破れる。―略―玉依姫は言う。助けてもいいが、刀を使えば、その封印は危うくなる。おまえたちは永劫に、この地で私と共に刀を守る役目を負う事になるがそれでもよいか。三つのカミたちは玉依姫と契りを交わし、封印によって守られし神の力を与えられた。―略―玉依姫は鬼の復活を妨げるため、封印された力を解放し、それを刀にし、鬼の首をはねた。こうして、神の力に鬼斬丸の名がついた。良き者によって解放された刀は再度封印がなされた。しかしその封印は甚だ弱いもので、いずれその効力を失うことは目に見えていた。一人残ったヤタガラスは――]

と、ここでそこから先の文章が黒く塗りつぶされて読めない。

守護五家の成立理由と、刀の名の由来……か。ちょ。一人残ったヤタガラスは何なのさ。どうしたのさ。真弘の様子がおかしいのは、これに関係すると見て間違いないね。封印の力が弱まった時、ヤタガラスは一体何をしたんだろう。そういやさ、前に「ある事があって鬼斬丸の封印を一度解いた」って書物あったよね。それがこの事で、その後にこうも続いてた。「(封印を解いた事により)世に終末を招いてしまう」って。ということはなにか。弱まった鬼斬丸を邪な心に支配された鴉が持ち出した、とか?ん〜。んでもって。斬られた鬼。また出た鬼。この鬼は当然、拓磨と関係あるのよね。んでもって珠紀が見るあの夢。切ないあの夢。ふぅん。何となく繋がってきた。鬼が付く拓磨がなんで玉依側にいるか。本来なら敵側にいてもおかしくない。けれど玉依側に付く理由。……身篭った?もしかして、玉依姫と鬼の間には特別な感情と絆があって、けれど玉依姫は泣く泣く鬼の首を刎ね落とした。その時、玉依姫が鬼の子を身篭ってた。産み落とした子の子孫が拓磨、玉依姫の子孫が珠紀……あっれ〜?そうなると遠からず、拓磨と珠紀は血縁者ってことになるね。ま、相当古い話みたいだから、血縁とかそんなんもう関係ないだろうけど。でもそうか。この予想は外れかな。じゃ、どうなんだろう。ん〜……で、真弘は何を知ってるんだろ。あれ?しかも犬が出てきてない。その争いで命を落とした蛇・狐、生き残って何かをやらかした鴉、殺された鬼、犬は?慎司君は?しかもね、私気付いた。もう一人攻略キャラがいるでしょ。いつまでたっても出てこないから、何でだろうっと思って攻略見たのよ。ま、私が見てる攻略ってただ単に正しい選択肢が並べられてるだけだから見ても何もなんないんだけど。でもその最後の一人の名前が「狗谷遼」なんて読むのか知らんけど、これ、狗=いぬ、なんだよね。狗が二人もいるの?なんで?ん〜。元々鬼崎家は守護五家じゃなかったとか?神社にいる狛犬って二匹いるじゃない。あれって確か右が何で左が何でって役目が決まってなかったっけ?そんな感じ?……謎が謎を呼ぶ。

拓磨にはこの事を隠しておいた方がいいよね、と決めた珠紀の背後に立つ拓磨。嗚呼、珠紀のバカ。なんで声に出して読むのかな。どうせ拓磨は読めないんだから、言わなきゃ分からないのに。

拓:[……そこに、書いてある事がほんとなら、……俺は全ての元凶になるのか?封印が弱まったのも、守護五家が封印に囚われているのも]

嗚呼。しっかり聞いてたよ。そして語ります。それは恐らく本当のことだ、と。自分の中に潜んでいる何かに気付いていた、と。しかも、拓磨は特別血が濃い、とババ様に昔言われた事があるそうだ。先祖返り……KYOですな。むむむ?じゃさ、さっき私が立てた予想は少しは当たってない?先祖返りした拓磨、んでもって珠紀もそれっぽいよね。過去、悲しい別れをした二人が今生で再び出逢い、恋に落ちる……好き好きそういう話。生唾ゴックン。

ふぅん。そうかそうか。なんとなく見えてきたぞ。て言えるほど実はまだ見えてないけど。あくまで私の妄想だからね。え?私今、妄想が暴走気味?これ、全部やり終えて後で読んだら大笑いするぐらい違ったりしてね。いいよ、そん時は大笑いするさ。ああ。高らかに己の馬鹿加減を笑ってやるさ。でもなんにしても、珠紀の覚醒は急いだ方がいいみたいだね。とはいえ。どうやったら、何がきっかけでっていう肝心の部分はまださっぱど分かんね。

そんなこんなで二日目終了〜。
ふう。五章ともなると、色々収穫できるな。

幕間は、ツヴァイ。なぁんだ。ツヴァイか。彼、然程接触がないからね、今のところ何の疑問も感情も抱いてないしね。いいや、どうでも。相変わらず低い声だな。アインが拓磨を意識するのと同じで、ツヴァイは真弘を意識してる様です。ふむふむ。次は真弘予定だからね。次はこいつとの絡みが多くなる……のよね?ちょい待て。待て待て。ということは、だよ?もしかして、拓磨のラスボスはアインで、真弘のラスボスはツヴァイってことにはならんだろうか。とにかくアリアとは戦いたくないしね。そうなれば一番いいんだが。いつの世もライバルってのは必要です。カカロットー!的なね。