月曜と木曜日

3日後、夕暮れ

同じバスに揺られて

すこし歩いて

月曜日と何も変わらないような

木曜日にきたよ

違うのは

大人のふりをした後で

子供みたいに泣いて

嫌いって言って睨みつけた顔

なのにきみは喜んでいて

悪趣味だと思った

でもだから

また次の週がやってきて

風の隙間で

カーテンをしめて

何にもなかったことにするんだね


どこへ行くのって聞かれてないけど

きっとどこへも行けないよ

優しくしないで

まっすぐに見つめないで

素敵な出会いじゃないのに

ときめいたりしないのに













月曜日と木曜日

はじめましての月曜日

最初だけ普通のひとのふりをした

明るく振る舞って

にこにこして

さっぱりして

リズムのいいおんなのこみたいに



きみは最初から

いつも通りのきみでいて

それがちょっと

かっこよく見えて

羨ましく思って

でもちょっと警戒した




毒もありながら

素直な優しいが

たくさんつまったきみだった

綺麗すぎないから

居心地がよかったの




何の歌をうたってくれたっけ

ゆずは夏色なら歌えると言ってた

あとは何にも覚えてない

自分か何を歌ったのかも

全く思い出せなくて

やっぱり私の記憶力は

あてにならないと思った




家は教えないよって言ったら

きみは今日いちばん笑った

その時の顔が

いちばん好きだった









.

食べたらだめなもの無い?

そう聞いてくれるのが

なんで君なんだろう


痛くない?

さみしかったん?

そう聞いてくれるのが

なんで君なんだろう



願いがあったこと

痛いのは胸の奥だったこと

かなしくて行き場がないこと



知っていたとしても

そんなことばをかけられるのは

君だからだったよね



突き落とされた場所で

出口がなくて

見ないふりして

聞こえないふりして



ただつくった顔で

ベッドに入って明日を迎える



冬はもう過ぎて

心地いい太陽が

照らしてくれるのは

表情のない頬



じゃあ行くね

背中ごしに閉まったドアを

しばらく眺めていた



動けないまま

眺めていたよ







たすけてくれる

優しいに甘える

そして泣く

ありがとうって言う

それ以上はなにもいらなくて

ただ、この今

どうしたらいいかわからない自分を

ちょっと近くで

何も言わずに

みまもっていてほしい

それだけなんだ

ごめんね

こんなわたしもいつかは

またあのときみたいにきっと

わらっていると思う

でもいまは

どうしてもできないから

どれくらいかわからないけど

ひたって泳いでいたいよ

このかなしい湖

白鳥は

どこかへ行ってしまったし

いつも優しい星も雲も

いつでもここにいてくれるわけじゃない

支えがなくなることが

こんなにも

こんなにも

くるしいなんて

忘れてた



居場所がわからないから

毎日意味もなく

電車に揺られて



どこへ行ったらいいかも

どこで眠ったらいいかも

わからない

なにもわからない



つらくって

悲しい

でも生きてるから

大丈夫みたい











こえ

2年ぶりだった

こえをきいたのは

相変わらず優しかったけど

前よりもしっかりしていた

大人になったんだなぁって

何目線かわからないけど

そう思った

すごく、安心した


ことばひとつひとつに

思いやりがあって

わがままなこどもみたいな私を

許して

なだめてくれるような声だった



39分の電話が

今日閉じる幕に素敵な

絵を描いてくれたみたいだよ



優しさでひたひたの夜だった


ありがとう











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