美しい星


三島由紀夫原作、美しい星の映画化。
会話も少なくどこかちぐはぐな平凡な一家に突如訪れる覚醒。
それは各々が地球人ではなく、別の星の宇宙人としての目覚めだった。
父は火星人として、息子は水星人、娘は金星人。そして母だけは地球人のまま奇妙な暮らしは一家を大きく変えていく。
火星人として目覚めた天気予報士は番組中に人類の危機として温暖化を掲げ、視聴者に訴え続ける。
そして金星人である娘はなにかを呼ぶように祈りの儀式を空に向けて行い、水星人の息子は政治を通して地球の行く末を案じていく。
地球という美しい星を守るためそれぞれの宇宙人は行動を起こしていくのだが。

原作は未読だけど、核による人類危機を温暖化問題にすげ替えたくらいで大体の筋書きは変わらないということ。
どこかコミカルでリリーフランキーの演技が果てしなく宇宙人的で愉快。
そのなかでも家族の成長は成されていき、最終的に団結していくわけだけど、地球の未来の結末というよりは家族の絆の構築がこのお話の着地点なのかもしれないなと感じた。
前から観てみたいと思っていた映画だったけど、リリーフランキーの超宇宙人的ポーズが見られるのはこの映画だけと宣伝めいたことを言っておく。
僕も真面目にふざけたときは真面目にふざけた姿勢くらい取れると思ったけど、ここまではやれない。

「地球人が美しい地球を思い浮かべる時、そのイメージの中には人間は含まれていない。」
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2020 7/26(Sun)
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-エムブロ-