「我々はー地球をー守るぞぉぉぉ!」
「守るぞー」
「ちょ、支葵さあ、なにそのやる気ない声」
「だってやる気ないし」
「地球保護部としての自覚もってよねー」
「まだ部活じゃないし愛好会じゃん」
「細かいこと気にすんな」
「まだ俺と先輩だけなの」
「あんたってじゃっかん日本語弱いよね述語足りないよねてか疑問符くらい付けてよ」
「地球保護部のメンバー」
「いいじゃん、支葵とうち。上下関係できるじゃん」
「何その関係」
「え、なぁに、それ以上の関係を望みたいの?あらやだん」
「おげぇー気持ち悪いよあんた」
「それが先輩に対する態度かよ」
「じゃあ先輩も先輩らしく振る舞ってよ」
「…支葵くぅん、そんな怒っちゃだめよ」
「あんた何の漫画に影響されたの。ただのうざい女上司じゃん」
「だぁぁ!うっさいな。というか支葵も後輩らしくしてよ」
「俺が?」
「あんたぜーんぜん後輩に見えない」
「…先輩、俺今まで悪かった」
「え?」
「いつもあんたを困らせてばかり」
「うむうむ」
「ごめんね?許してくれる?」
「ゆ、許すから。だ、だからあんまこっち近付くな!た、頼むから!」
「なんで?俺先輩のこと好きなのに。ねぇ、こっち見てよ」
「ちょ、ま、いや今昼だしなに怖いんだけどてか近いんだけど離れろしやめろしうちこういうの慣れてないしちょどこ触ってんぎゃああああああああああああああああ」
「…くすぐっただけじゃんばーか。てかなに怖がっちゃってんの」
「くすぐりは嫌なんだよ!おまけにお前の芝居ぽくないんだよ!」
「先輩、顔真っ赤」
「うるさい!!」
「まっ、俺もあんたも今のままが一番かもね」
「勝手にまとめるな」
「いらっしゃいませー」
「パンケーキカラメルソースを1つ」
「はい」
「アイスティーミルク1つ」
「はい」
「スマイル1つ」
「…」
「スマイル1つ下さい」
「だまれ」
「零くん、客に向かって何その態度?」
「帰れよ」
「すいませーんこの店員が…」
「シェイクつけるから帰れ」
「よかろう」
「てか嫌がらせにも程があるだろ」
「うちのお気に入りの店で零がバイトする方が嫌がらせだから」
「ご注文の品は以上で?」
「スマイル1つ下さい」
「…うぜぇ」
「だってメニューに書いてあるし」
「…」
「スマイル1つ下さい」
「…ニコォ」
「うっっわ!想像以上に気持ち悪!!零って作り笑い下手くそ…」
「さっさと帰れ!!!」
「アイドルせんぱーいっ」
「なんだい?かわいこ…ぶふぇ!」
「きもー。てかあんたってほんとちゃらいよね〜」
「突進してくるな!おまけに僕はちゃらくない」
「嘘でしょ。毎日女の子に気がある振りして女の子と遊んでるの知ってるんもんね」
「なに、お前もしかして焼きもちやいてるのか?」
「気色悪いこと言うな」
「うん。僕も言ってから少し後悔した」
「ちゃらい上にきもいとは救いがたい」
「だから僕はちゃらくない。おまけにお前の方がきもい」
「死ね」
「てかちゃらいって言ったら、一条だろ」
「…は?」
「普通に考えてそうだろ?」
「そうなの?」
「だってあの鉄壁笑顔だそ。誰にでも優しいしノリいいし男女問わずモテる」
「あー言われてみれば確かに。で、なぜチャラい?」
「一条って、腹黒いじゃないか。おまけに策略家っていうかさぁ、同時に何人もの子と器用に付き合ってそうだし…わかるだろ?」
「なんかそれ、分からなくもない気がする…」
「それと違って、僕は一途で恋には不器用だからチャラくない」
「なるほど。で、枢先輩へのストーカーみたいな感じになると」
「否定はしない」