おっさんずラブとの出会いが大きかった2018年、そして続編公開の2019年。正直言って私には何故ファンがこの結末をハッピーエンドと喜んでいるのかいまだに分からないんですよ。話聞かずに雰囲気だけで見てれば確かにハッピーエンドですけどね。このドラマのファンって、のめり込み方が異常な人多いですよね。私もそうですけど。円盤買ってまで何度も見返したり、関連本も買ったり、ならストーリーちゃんと知ってますよね?このドラマ、皆さん興味持つポイントや楽しみ方って違うと思うんですけど、脚本や演出に重点を置いてるファンの話ですよ。ストーリーは別に…って方には面倒くさいだけの話だと思うのでスルーしていただいて結構です。

セリフ全部消して映像だけで見れば、ハッピーエンド以外の何物でもないと思いますよ。武川さんから牧君と別れた原因を「生活のすれ違い」って言われてるのに、牧君置いて上海行くって、上海と東京の生活のすれ違いで大丈夫?って思ってた。牧君に寂しい思いさせたらダメなんだってあの話で察しないと。春牧結ばれてハッピーエンドって、そりゃあ武川さんと牧君だって付き合い始めた頃は仲良かっただろうしお互いとても好きだったと思うよ。でも生活のすれ違いで破局でしょ?都内同士で。海越えて離れるってその頃の状況悪化させますけど、大丈夫な根拠ってどこかで語られましたか?結婚?指輪してるわけでも名字変えたわけでもないですけど。100%ハッピーエンドでいいものを作ってるなら、ファン目線で引っ掛かりを感じさせる時点でおかしいんですよ。「7話で完結」って言ってた意味をようやく理解したけど、やっぱりこの後破局ってことか。上海勤務を終えて日本帰ってくるまでもたないですよ。だから私はこれをバッドエンドと解釈していた。物語そのものが続かないから、当初は続編の予定は無いって言ってたのおそらくそういうこと。いやまあ、1回見て終わりって人の方が圧倒的に多いだろうから、その後とか無くてここで終わりでいいなら確かにハッピーエンドだけども。何かもう何て言ったらいいのかよく分からんわ。確かに、他の恋愛物作品でも結ばれてハッピーエンド、で終わる作品でもその後の話とかあんまり気にしたこと無いし、作品的にハッピーエンドで終わっても、関係がその後ずっと続くとは限らないよな…。おっさんずラブの場合、確かに春牧結ばれてドラマとしてはハッピーエンドで終わってるけど、『その後生活のすれ違いで破局』が予告されてるような状態なんですよ。『こういうことがあってこうだったから、こうなるだろう』って筋道立てて物語を理解しようとすると、武川さんと牧君が生活のすれ違いで破局なら、春牧が上海と東京の生活のすれ違いで大丈夫な根拠が無いと、やっぱり破局なんですね。感情論じゃなくて、物語の読み方としての話。気付いてらっしゃる方は、自分なりの解釈で補ってハッピーエンドと思っていたのかと思うんですけど、本編内にそういった補う部分が何も無いあたり、公式もそこを補えるようには作ってないんですよ。最後に指輪をしてるとかそういうのがあればそれでいいんですけど、それも無し。存在が語られていない春田父について、単身赴任で不在中で、そういう家庭環境に慣れているから、という可能性も考えた。一緒に暮らしていないだけで、春田母とは夫婦としてはずっと一緒にいるから…ってことだと、それはそれで納得かなと。ところが春田母は指輪をしていないようなんですね。他の既婚者の人達は皆指輪してるのが映るんですけど、春田母だけ手がはっきり映らないんです。唯一手がアップになるシーンはバッグの中に手を入れててやっぱり見えないし、これには「ぐああ…!」ってなりました…。指輪確認しようとする人がいることも予測済みでしょうね。こういうの先手を打ってるの。結局春田父については単身赴任説が消えるだけで、特定できる根拠は無いです。1話で牧君が引っ越してくるより前に洗面台に3つのコップがあることから、あの家には3人目の誰かがいたことは確かなんですが、春田母の実家だとしたら創一から見て祖父や祖母などの可能性も有り。こういうね、問題だけは投げてくるんだけど、正解の特定は不可能なやつとかいくつかある。
ちなみに洗面台に始めから白ピンク緑の3色のコップがあって、4話でちずちゃんが泊まりに来る前に緑とピンクの歯ブラシがあって…ということくらいは、何度も見てる方ならお気付きですよね?じゃあ5話の歯ブラシは春ちずのバックハグか牧ちずのバックハグになるわけですが、どちらなのか正解を特定することは不可能です。何故なら歯磨きをしているシーンは存在しないため、誰が何色の歯ブラシかというそもそもの情報が無い。…おっさんずラブってこういうドラマよ…。引っ掛かる人続出したし、私も気付くまで2ヵ月…。5話の歯ブラシ春牧のバックハグにしたいなら、私が思い付く方法は2つかな。

武川さんの話理解してるなら上海行っちゃいけなかったのに何故行ったのか。と言いますか、「俺はお前とずっと一緒にいたい」って言うなら、上海行きをやめるか牧君一緒に連れていくかどっちかのはずなのに、そのどっちでもない。我慢しないなら休職するか退職するかして一緒に上海行けばいいのに行かない。行かない時点でもう我慢してるんですよ。映像だけなら間違いなくハッピーエンドなんだけど、セリフが入ることでひどい混乱が起きる。視聴者の目にはいいところで終わるけど、牧君の目線で見たら「ずっと一緒にいたい」って言った本人がいなくなって誰もいない家に帰る生活が始まる…その落差がショックで散々泣いて過ごした人間なので、どうやってファンの人達が幸せな気分になっているのか本当に分からない…。牧君の思考は『自分の幸せより相手の幸せ』だもの、視聴者がバッドエンドで悲しまないようにハッピーエンドに思い込ませるとか優しいドラマですよね。それが1番つらいんだよ…!6話後の1週間経験した後でこれとか、冗談抜きで精神やられる。

続編見たいってことは、破局させたらダメなのよ。6話後のファンの荒れっぷりを公式も知ってるはずだから、『その後破局』に気付く人が多く出るなら大炎上ってことも簡単に予測できるだろうから、随分リスク高いことしたと思うよ。それに気付く人が僅かで本放送組が『おっさんずラブはハッピーエンド』としちゃったから今の流れなわけで。世間でそう認知されてるから、後から見る人達はそういう事前知識で見る人もいるでしょ。まして一挙放送なら細かい所に気付く間も無く最終話まで行っちゃうでしょうし。もし『その後破局』に気付く人が多く出て炎上するなら、推理物になっていることを明かしたかもね。ハッピーエンドになる条件を探せと指令付きで。要するに、上海と東京の生活のすれ違いで大丈夫な根拠があればいい。現状はノーヒントかつ、ファンが共通で集まって考察を議論できる場が無いということが問題。目の付け所って皆違うから、いろいろ意見出し合ってチームプレーで解いていかないと無理な難易度。そもそもバッドエンド解釈の人や推理物になっていることを理解している人自体がいないから、私はそれを1人で黙々と解いてきて、自分の頭では理解してるけど、それを人が分かるように文章化して説明するということに苦戦している。実際出てはくるよ、すごく納得できるやつ。武川さんがすごく重要なセリフを言ってるから、そこから牧君の明かされていない過去の姿および現在に至る経緯とか読み解いたり、読解力も要求されて難度はメチャクチャ高い。牧君の過去のエピソード絶対必要なやつ。遣都君のお芝居が上手すぎたせいで牧凌太を実在させてしまった、って言う人多いですよね。私もまさしくそれなんですよ。普段の何倍にも思考力フル回転させ続けて2ヵ月半、それでようやくハッピーエンドでいいんだと理解できる所まで辿り着けた、この超難問をノーヒントでとかメチャクチャだわ…。でも諦めなければファンを見捨てたりはしなかった。むしろより素晴らしい物語に進化する。始めから分かるように作られてれば誰も傷付かなくて良かっただろうし、8月中頃にはそれで個人的に納得してたんですけど問い合わせは送ってなかったんだよね。続編やるかもって方向転換してきたのっていつ頃でしたっけ?ハッピーエンド条件に辿り着ける人が出始めたからじゃないかな?何百回見たって、ただ見てるだけだと理解できるようには作られていない。始めから分かるように作られてたら、物語として完成しすぎてそれ以上続きをやる所無いって感じするんですよね。武川さんが意味深なこと言うのに結局語られずに終わったりとかもするし、謎を残して終わることで考察の余地を残したり、「あと5秒待って!」みたいな所で終わらせて続きを見たいと思わせて視聴者引き付けておいたり。始めから続編やる気満々じゃねーか(笑)
ただ、続編っていったって、春田さん上海行って日本にいないんだから、春牧のイチャイチャとかあるわけない。武川さんと牧君が4年前に別れたわけじゃない(本当の破局は「俺と付き合ってください」「…はい」の後)ことで『生活のすれ違い』は解決するものの、問題はむしろ悪化している気がする(笑)牧君は否定したけど、私達が見ていたあれがそもそも不倫だと解釈している。武川さん本当に可哀想。そこら辺について、長くなるので詳しいことはまた後日…。春田さん日本にいないんだから、ドラマ的におもしろくするには新おっさんが牧君口説いてきて波乱が起きるんでしょ?むしろその波乱が楽しみになってきた(笑)

設定とドラマの内容が矛盾してるとか(服ダサいと言われてるのに1話でダサくない普通の服も持ってるとか、方向音痴と言われたのにお婆さんにすらすら道案内とか)、唐突すぎて話の繋がりがよく分からないとか(2話で公園での別れがあって、3話でまた何事も無かったように一緒に暮らしてて、ものすごく違和感。その経緯の説明は!?)、私にとっては『よく分からないドラマ』だった。だから理解できるようにメチャクチャ研究した。矛盾してる部分を辻褄合う方法を考えてみたり、セリフの意味をじっくり考えてみたり、このセリフや行動が出てくるにはどういう認識や感情でいるか…とか。矛盾は『嘘をついている』と見なしていい所も。『本当はできるけどできないふりをしている』とか。嘘を見抜いてそれで終わりじゃダメ。本当のことを言うとどうなるかという展開と比べてみると、なるほど!と分かる。
『こういうことがあってこうだったからこうなる』と過去から現在へもしくは現在から未来への展開を読んだり、逆に『このセリフが出てくるにはこういう認識でいるはずだから、そうなるにはこういうことを言われているはずだ』と逆算をかけていったり。それを繰り返していくと描かれていない部分の展開もある程度読み取れる。それが可能な脚本だからすごいんですよ。真面目に研究してみると、このドラマの脚本や演出の表現力の高さには本当に驚かされる。法則からできている部分も多いから、法則そのものを見付けてしまえばあとは当てはめていけばいいので、分かりやすさとおもしろさが劇的に増す。一応私も小説書く人間なので、研究してみるととても表現方法の勉強になります。私にとってはもはやこのドラマは学問。

ゲームやる方にしかこの例えって分からないかもしれないんですが、RPGとかって壁にヒビ割れがあって調べると隠し通路が…っていうのあるじゃないですか。あと置物の向きが1個だけ違うのを調べると仕掛けが…とか。そんな感じと思ってください。このドラマは矛盾や違和感って形で、そういう調べるべき場所が見えるように作られてるんですよ。私はそれがすごく気になっていたから、戻って徹底的に調べただけです。気にせずスルーしてしまう方には、目に見えるもの以上は見えてこない。私が普通の人と大きく解釈が違うのは、その違いも大きいでしょうね。理解できるようになるとメチャクチャおもしろいけど、一般的なファンから理解されなくなるので、どっちを取るかじゃないかな?

遅くなりましたが、12/22に拍手1件ありがとうございました!