おっさんずラブ考察、前回の続き行きます。あいかわらず複雑な考察しますので、「ストーリーは別に…」という方には不向きな内容なのでご理解ください。

まず重要ポイントをおさらい。
・1話のわんだほうでダサくない普通の服を着ている。2話の悪い所10個に服ダサいが含まれていないため、牧君もこの服をダサいと見なしていない。
・帽子を試着した時に「これ合ってんの?」「絶対違う」と似合っていないことを自分で把握している。また、試着に選ぶ服が1話の服と趣味が違いすぎるため、奇抜な服はわざと選んでいる。
・「じゃあ今度から全部牧に選んでもらおうかな」「自分の似合う服くらい自分で把握しておいてください」「やだ」のやり取りから、服を選ぶということをしてほしいと思っている。春田さんの服装に不満があるから牧君が服を選んでくれたわけで、自分の似合う服を自分で把握していたら、服を選ぶということはしてくれないはず。だから服を選んでもらうためにわざとダサい服を着る。要するに相手の気を引くための意図的な手段。
・合コンの時の「服好きなんで」、これが本当だからであると思われる。

服を選んでほしいからわざとダサい服を着る、ということであれば、『服を選んでくれてセンスもいい人』というのが春田さん的に恋人に求める理想の1つと思われる。ちずちゃんも「普段メチャクチャダサいんだよあいつ」と言っていることから、ちずちゃんに対してもこの手段を前々から使っていたことになる。もし1話のわんだほうで着ていた服がちずちゃんが選んでくれたものであれば、もっとちずちゃんに気持ちが向くはずなんですけど、「ちずはただの幼馴染みだって言ってんじゃん。そういうの何も無いから」って否定するんですよね。ということは、1話の服は自分で買った服ということで確定となる(もしかしたらお母さんが買ってくれたものという可能性も無くはない…?でもお母さん出ていっちゃったから自分で選んで着たわけで)。この時ちずちゃんは転職活動期間中で、わんだほうにいる可能性があることは考えられたはず(と言うか、4話で店がぐちゃぐちゃになっちゃってるから泊まりに来たってことは、あそこに住んでるってことですよね?住んでる家が別にあるなら泊まりに行く必要無いし)。ちずちゃんはダサい姿ばかりが印象にあるということは、1話のわんだほうには『いつも会う時とは違う印象の服装』で行っているわけなんですが、ちずちゃんはそれが分からないんですよね。牧君が選んだコーディネートって素材や丈は違うものの、1話の服と上半身だけ見れば着こなしが似ていませんか?「絶対こんなの自分で買わないよ。どうしたんだろう、うけるよね」と言っていることから、『あいつこんな服自分で買って自分で着る』ということが分からないようです。春田さんは6話でちずちゃんがお洒落していつもと雰囲気が違うことにすぐ気付いてるんですけど、ちずちゃんはそういうの鈍いみたいですね。「あいつメチャクチャダサい」と内心思ってるだけで何もしてくれなかったものと思われます。
つまり、ちずちゃんの気を引こうとはずっとしてきたんですけど、ちずちゃんはそれに応えてはくれなかった。そのためちずちゃんのことを諦めていたのが1話で普通の服を着ていた理由で、ただ、彼女のふりをしてもらったり、マロから電話来た時の「今出なくて良くね?」とか、未練はあるみたいですね。今まで気を引こうとしても応えてくれなかったのに、牧君と付き合い始めてからちずちゃんが告白してきたんですよね。そりゃまあ、抱き締めもしちゃうだろうけど、ちずちゃんのことは断って牧君の所に帰ったわけじゃないですか。ちずちゃんは全てが遅かったわけです。弟は言った。「このドラマ、全てがタイミングの問題」…とても適切な表現だと思います…。

6話で牧君は畳んだ洗濯物をリビングに置いたままにしているので、春田部屋にはまだ入っていなくてダサい服と普通の服の2種類が存在して使い分けていることを知らないんじゃないかなって気がする(追記:ちずちゃん泊まりに来た時の「寝巻き、ベッドに置いといたんで」があるので入ってはいますね…)。牧君に対しても意図的にダサい服を着ていたとしたら、服ダサいと指摘されて「マジ!?」と驚くのがおかしなことになりますが。つまり本来は『気を引きたい女性に対して意図的に使う手段』を『男の牧君に対して無意識に使っていたことを気付かされた』ことで「マジ!?」と驚いた。海でちずちゃんから「春田も好きなの?」って聞かれて急に自覚したように見えますが(実際、自覚したのはこの時であると思う)、何で牧にそんなことしてたんだろうっていうモヤモヤを抱えてたからこそ好きだって自覚したんだと思う。
周りからダサいと思われるような服をわざと着るって恥ずかしいことだと思うんですよ。今までは好きな人といる時には恥ずかしい気持ちがあったけど、牧君は恥ずかしくないコーディネートを選んでくれた。ここで「牧といることは、俺にとって全然恥ずかしいことじゃないから」に『男の牧と付き合うことは』という意味に加えて『牧なら恥ずかしくない服を選んでくれるから』という2つ目の意味が生まれる。

公式は何も解説してないですが、ちゃんと見ていくとこういうことになるはず…。服だけでこれほどのストーリーを表現するってすごくないですか!?ただ、6話まではこれでいいと思うんですが、最終話で問題が起きます。
好きな人の気を引くためにわざとダサい服を着る、ということであれば、荷造りの時にそういう服ばかり持っていこうとするのは向こうでいい感じの人がいればあわよくば…と思っているのか?さすがにそれは無いだろうし、考え方を変えると、カッコイイ姿で行かせると向こうでモテてしまう可能性が出てくる。牧君的にそれでは困るだろうし、モテないようにさせる工作として年齢に対して子供っぽい服ばかり持たせるものと考える。

難関は部長と買い物に行った時の服です。牧君が選んだ服を着ると思い出してしまってつらくなるから、ということはおおよそ想像がつく。しかし1話で着ていたような『普通の服』を元々持ってるはずなのですが、着てるのはそれじゃないんですよね。部長のことを恋愛対象として見ていないなら気を引こうとする必要は無いので、普通の服でいいはずなんです。ここで2択が発生します。
・自分で選んだ服→実は部長のことも好きだが、部長が応えてくれていない状態。
・部長が選んだ服→センス的に合格ラインではないため気持ちが向かない状態。
6話までの流れで見るとこの2択になるような気がするんですが、見てるだけだとこれがどちらなのかを特定する決め手は無いように思います。牧君に対して「男同士でキスとかマジでねえから」とか始めは言ってたのが、「結婚してください」まで変わったくらいだからね。部長も甘やかしてくれる人だから、そういう面ではタイプ的に合うはずなので。一緒に暮らしてる間に部長に気持ちが向いてもおかしくはないと思うので、2択のどちらとも受け取れる気がする。
服の模様に法則あるって、ファンの間では知られてることなんでしょうか?全く反応無かったから見えない人には見えないらしいけど多分。その観点から見たら自分で選んだ服の可能性がほぼ消えるので、その後の展開を考えても部長が選んだ服じゃないかと私は考える。これしか2択から特定する決め手は無いように思うけど、だとすると難度高すぎるわさすがに…。これが部長が選んだ服だとしたら、荷造りの時の服って部長の趣味に近くないかな…?

ここまでで、服ダサいの一連の流れの考察は終了になります。複雑すぎて人に説明できるようにまとめるのがしんどかった、というのが今までこの件について書いたことが無かった理由です…。詳しく説明することはできても、要点まとめて簡潔に説明するのは苦手なんですよ…!だからTwitterやらないのよ私。お読みくださった方もお疲れ様でした…。
公式は何も解説してないのでこれが正解とは言い切れませんし、異論反論ありましたらコメント歓迎します。こういう議論できる友達欲しいんですけど、長文で考察書けてある程度人が集まる場所ってどこ行けばいいのよってことに頭抱えて結局個人ブログに引き籠ってる。複雑な考察があまり出回ってないとしたら、単純にそういう問題抱えてる人もいるかも。pixivの小説機能くらいしか無い気がするけど、あそこは本来考察書く場じゃないから…。

このドラマ普通に見ていて矛盾点が多すぎて、普通に見ているだけだと私には理解ができないんです。かなり細かい部分もあるので、気付くには何度も見返すようなファンじゃないと難しい部分もあるんですけど。なので1回見て終わりって方はおおよそ皆さん同じようなシンプルな解釈に落ち着くかと思います。今では当たり前のように理解できる、「これ合ってんの?」「絶対違う」が似合っていないことを自分で把握してわざと選んでるってこととか、始めは認識できなかったですから…。5話の歯ブラシが春牧のバックハグに見えちゃうけど実は4話にピンクの歯ブラシがあるってことも、何度も見てたのに気付くまでに2ヶ月かかったとかetc

このドラマにすっきりしないモヤモヤを感じる方がいらっしゃれば、それは星の見えない空を表現したものだからだと私は思う。2話の公園での「天体観測」のやり取り。「見えねえし、何にも」って言うけど、曇ってたのか木の枝で遮られて見えなかったのか映像だとはっきり分からないんですけど…。でも見えなくても星は無数に存在してますよね。このドラマもね、詳しくは語ってないだけで、見えない所に詳しいエピソードとかが隠れたりしてるんです。私はその隠れた星を探してるのです。最終話後わりとすぐに天体観測の意味に気付いたんだけど、いまだに終わりが見えない。「春田さんって、何にも見えてないですよね」って牧君は言うんだけど、実は牧君も春田さんのことが見えてなくて、1番何も見えてないのは私達視聴者だっていう、あのシーンにこのドラマの本質が詰まってると私は思う。天体観測の意味に気付くと見る所山程あるけど、『どこまで解いたら終わりなのか』という、ある意味ロスより深刻な状態に陥ります。だから熱冷めずにファン続けてるし、考察も書いても書いてもネタが尽きないのです。情報量が多すぎて、人に説明できるように文章化してまとめるのに時間がかかるのです…。
武川さんが意味深なこと言いながら詳しいことは語られないまま終わってるのとかもあるし、続編とかやることは始めから視野に入れてたんじゃないかなって気がする。「あと5秒待って!」みたいな続きを見たいと思わせる所で映像を終わらせたり、謎や矛盾を残して終わることで考察班を引き付けておいたり、まんまと戦略に嵌められているような気がしてならない(笑)

多くのファンが言うことだけど、『役者さん達のお芝居が良かった』という、結局の所はそれがあるからこそ何度も見てしまうし、何度も見てしまうからストーリーも気になって考察にも熱が入る。多くのファンとは違う解釈持ってますけど、『役者さん達のお芝居が良かったから何度も見てしまう』という入り口は一緒ですし、いくらストーリーが良くても役者が下手な人ばかりだったらそもそも2回目を見ようとはならなかったと思う。

3/26に拍手1件ありがとうございました!