春田さんの服ダサい件

劇場版おっさんずラブは8/23公開に決定だそうですね!楽しみです!問題は地元の映画館でやってくれるかどうかだ…。

さて今回は前回の続きでも書きましょうか。春田さんの服ダサいの一連の流れは非常に重要な部分ですが、かなり複雑な考察をしますので、「役者さんのお芝居だけ眺めてればいい、ストーリーは別に…」という方には不向きです。服に無頓着で自分がダサいのを自覚してなくて、彼氏が服ダサいのは耐えられないと牧君から指摘されて…って話と思ってるなら、これそんな単純な話じゃないです。全体的に大幅に解釈が違うから一般的なファンの方達と交流持てなくて、これから書くことがすでに広く浸透してるのかまだ出てない見解なのかも分からないんですが…。一応wikiには載ってない。

まず重要なのは1話、わんだほうに行った時に着ていた服です。この服をダサいとするかどうか。お洒落と言えないまでも普通の着こなしですし、これをダサいと言うには酷かなと。牧君もこれをダサいと見なしていないんですね。この時点でダサいと思ってるなら、2話の悪い所10個で言うはずです。『改札に引っ掛かる』とかそんな描かれもしなかった(と言うかバス通勤ですし)ものを言うより、服ダサいを入れた方が余程適切です。なのにここで含まれないということは、この服をダサいと見なしていないんです。『ダサくない普通の服も持っている』状態から『だんだんダサい服ばかり着るようになった』ことになります。2話の悪い所10個の指摘が4/30、檸檬ちゃんの内見が5/15で多分その夜が服ダサいの指摘になるので、約半月での変化ですね。買い物デートは5/16?

非常に重要なのが帽子を試着した時の
「これ合ってんの?」「絶対違う」
ですね。「絶対違う」って似合っていないことを自分で把握していますよね。試着に選ぶ服がどれも1話の服と趣味が違いすぎますから、奇抜な服をわざと選んで牧君を煽ってますね。牧君が引っ越してきた時もそうなんだけど、1話の服が通常着る服なら、春田さんの服の好みって結構シンプルですよ。

牧君は彼氏が服ダサいのは嫌なんですが、実は春田さんも恋人にはファッションセンスを求めてますね。この人、服には敏感ですよ。6話でわんだほうに呼ばれた時、ちずちゃんがお洒落していつもと違うことにすぐ気付きましたからね。春田母の話から、ちずちゃんのことを好きだったのは本当でしょうね。いつもと違うことにすぐ気付くくらい、普段からちずちゃんのことよく見てるんですよ。見てたところで、鈍感なら雰囲気がいつもと違うことなんてすぐには気付けないはずです。一見嘘をついたように思える、1話の合コンの時の「服好きなんで」が本当だからでしょうね。

「じゃあ今度から牧に全部選んでもらおうかな」
「自分の似合う服くらい自分で把握しておいてください」
「やだ」
のやり取り。このことから、服を選んでもらうということをしてほしいんですね。牧君が選んだ服が気に入らないなら今後全部の服選びを任せようとは思わないでしょうし、スカートみたいじゃないかと始めは戸惑ってるものの、牧君が選んだコーディネートでOKと思ったから任せようとする。
素材や丈は違うけど、上半身だけを見ると1話のわんだほうで着ていた服と着こなしが似ているんですよね。2人の服の趣味ってわりと近い部分もあると思います。

ダサい服を着ているから、彼氏が服ダサいのは耐えられないと牧君は言った。奇抜な服ばかり試着に選ぶから牧君は怒った。
だからこそ、牧君は服を選んでくれたわけですよね。逆に言えば、自分が似合う服くらい自分で把握していたら、服を選ぶなんてしてもらえないと思います。放っておいてもお洒落な彼氏なら、突っ込みを入れる所無いですからね。似合う服を着てる人に対して、「これ着た方がいいよ」って言う必要無いでしょ。

詳しくは3/14の記事で書いたんですけど、『方向音痴』は確実に嘘です。『好き嫌い多い』もおそらく。視聴者の一般的な感覚としては「だらしないからモテない」と思うでしょうが、自立して自分のことは自分でできる人に対して甘やかしてあげようとは普通は思わないですよね?お母さんが「甘やかしすぎたのかな」って言ってるので、甘やかしてくれる人好きなんでしょうね。だから本当はできることをできないふりをしたり、普通の服も持っているけどわざとダサい服を着たりする。

服を選ぶということをしてほしいんです。ついでに相手のファッションセンスも試したいのかもしれない。理由は「服好きなんで」。彼氏が似合わない服を着ていたらそれを指摘して似合う服を選んであげられるか。マロとケンタツもかなりあれな私服なので、第5話ってそういう回だと思う。芸能人のケンタツなら派手なのを好むのはまああるかもしれないけど、1日に3〜4人とデートするならマロのあれはちょっとどうかと思う。最終話でかなりイメチェンするのは、マロ自身が変わろうと思ったのか、それとも蝶子さんがいろいろしてあげたのかどっちだろう?
ちなみに牧君もかなり印象変わりますよね。1話のスーツ姿…というか特に髪型なんだろうけど、25歳設定にしては老けてると思った。だんだん外見年齢が下がっていく現象は何なんだと首傾げながら見てたものだけど、元々19歳上の武川さんと付き合ってたから少しでも差を埋められるように大人っぽく見えるようにしてたと思う。それがロリ好きの春田さんと暮らすようになるわけで、その差を表現しちゃうヘアメイクさんや衣装さんすごいよ。牧君が背伸びするのをやめたのかもしれないけど、「お前老けて見えるからもうちょっとこう…」とかって春田さんが髪構ってあげてたら萌えるなって思う…!

それでまあ、服ダサいことをちずちゃんも知ってるあたり、常套手段でしょうね。『相手のファッションセンスを試すためにわざとダサい服を着る』なんて、服のプロ相手にやったらまずいことも把握しているんです。合コンの相手はアパレルですからね。常套手段が使えなくなることに焦って、「服好きなんで」と本当のことを言ったもののすべって上手くいかなかったということだと思う。

ちなみに少し話逸れますが、「自分の似合う服くらい自分で把握しておいてください」に「やだ」と答えることから、その考え方は料理を作れないことに応用できると思います。料理コーナーを持ってる男性芸能人も多いですし、男性が料理を作れるってモテる要素としては大きいと思うんですよ。特にちずちゃんは家事が得意じゃないから、何でもやってくれる執事みたいな人を雇いたかったわけで。実際それで理想の彼氏ができて上手くいってるなら、自分ができないことを相手にしてもらうのは悪いことじゃないと思う。ちずちゃんの理想が『家事を全部やってくれる執事みたいな人』なので、ちずちゃんの気を引くならそうなる努力をするのが手っ取り早いですよね。牧君が作った料理を喜んでたし、料理作れるようになって美味しい料理を出してあげたらちずちゃんに対してはポイント高いはずなんです。料理を作ってあげれば喜んでもらえて、世間的にもモテる要素としては大きい。ところが、自分が作ってあげたら相手が作ってくれる料理を食べられなくなりますよね。似合う服を自分で把握していたら服を選んでもらうことをしてもらえなくなる、というのと一緒。お粥作ろうとしてお餅になった件から、料理作れないことは本当でしょう。ちずちゃんの料理を貶してるので、ちずちゃんが作る料理を食べたいわけじゃないと思う。お母さんが作る料理好きだったんだと思う。ちずちゃんを好きだったのは本当だろうけど、それ以上にお母さんが好きで甘えてきて、お母さんとタイプの似ている牧君にも…ってことだろうね。本人否定してるけど、マザコンなのを本当だとしないと、このドラマ何も理解できるようにならないから。

話戻りますが、服を選んでもらうためにわざとダサい服を着る、ということなら、ちょっとおかしな所が出てきますね?ダサくない普通の服も持っているし、気を引く常套手段としてダサい服をわざと着る。じゃあ何で牧君から服ダサいことを指摘されて「マジ!?」と驚いた?ちずちゃんも服ダサいことを知ってるけど、1話のわんだほうで普通の服を着ていたその理由や話の繋がりは?

ここが、このダサい服関連の一連の流れの1番おもしろい所になるの…!一気に全部説明しても、今まで何も気にしてなかった方にはすでにさっぱりな話かもしれない。私が見てるおっさんずラブってこんな感じなんですよ。このおもしろさって、実際頭悩ませてあれこれ考察を楽しむ人にしか分からないかもしれない。なのでここで一旦切ります。私の説が納得いかない方は『とりあえず仮説』ってことでいいので、ちょっとドラマ見返してみてもらえませんか。話数はあちこち飛ぶけど話は繋がるようになってるから。
私と同じ見解の方っていらっしゃるんでしょうか…?

春田さんの悪い所11個目

牧君は第2話で悪い所10個挙げて、5話で11個目の服ダサいを挙げるんですね。公式が明かしてない設定や展開なんてゴロゴロあるけど、分かるとおもしろいのは服ダサいの一連かなって思う。『普通に見ていて矛盾している所をドラマの内容に辻褄を合わせていく』というのが私の基本的な見方です。この私服に関わる一連については7月末だか8月には理解してたんだけど、あまりに複雑すぎて考察にまとめたことは無いんですよ。公式には「こういうことですよね?」って送ったけど、理解するだけで難しいこれを人に説明するってしんどいので…。すでに広く解明されてることならすみません。重要なポイントを書き出していきますね。

1話
・合コンの相手はアパレルである
・「服好きです」
・わんだほう行った時に着ていた服※重要
2話
・春田さんの悪い所10個に服ダサいは含まれていない→この時点ではダサくなかった
5話
・「クソダサいじゃないですか、私服」「マジ!?」
・試着に選ぶ服が1話で着ていた服と趣味が違いすぎる
・「これ合ってんの?」「絶対違う」と『似合っていないことを自分で把握して選んでいる』※重要
・牧君が選んだコーディネート、上半身の着こなしが1話の服と似ている
・「じゃあ今度から牧に全部選んでもらおうかな」「自分の似合う服くらい自分で把握しておいてください」「やだ」
・「絶対こんなの自分で買わないよ。どうしたんだろう、うけるよね」帽子取ればこんなような着こなし1話で見ましたよね?ちずちゃんはそのこと印象に無いみたいですね
・マロとケンタツの私服にも注目。芸能人のケンタツが個性的なのはまだしも、マロの私服がクソダサいことには驚いた(個人的感想)
・「牧と一緒にいることは、俺にとって全然恥ずかしいことじゃないから」
6話
・家ではスウェットのままなので、牧君が言う「彼氏が服ダサいのは耐えられない」は外で着る私服のことで、家でのスウェット姿はあまり気にしていないらしい。女も出かける時にはメイクしても家帰ればだいたい落として楽にするから、個人的にはスウェットについてはそんな感覚だろうかと思う
・わんだほうに呼ばれた時、ちずちゃんがお洒落していつもと雰囲気が違うことにすぐ気付いている。本当に服に無頓着ならこんなことすぐには気付けないはず※重要
・春田母の話曰く、ちずちゃんを好きだったのは本当らしい

これら全てがこの一連の見るべきポイントで、まず1〜6話までをひたすら状況を整理していきましょう。かなり見るポイントが多いので、必要なのは根気。根気無いと無理。6話までの理由が分かればそれで充分ではあるんですが…。最終話を見ると部長と買い物行った時の春田さんの服が、牧君が見たら怒るような部類に戻ってるんですね。6話までの流れを割り出した上で見ると、自分で選んだ服か部長が選んだ服かで意味が変わるのにそれがどちらなのか特定ができる決め手が無い。私は自分で分析して服の模様の法則知ってるから、その観点から見れば自分で選んだ服だという可能性がほぼ消えるので、部長が選んだ服である可能性が高くなる。

最後の荷造りのシーンでは、持っていこうとしている服は牧君の好みのものではない。一緒にいる上では彼氏が服ダサいのは耐えられないが、1人で上海に行くことになるから、カッコイイ姿で行かせると向こうでモテてしまう可能性が出てくる。モテないようにさせるために年齢に対して子供っぽい服ばかり持たせる工作だと私は考えている。

私が見てるおっさんずラブってこんな感じです。矛盾だらけでどう理解したらいいか普通に見てるだけだと分からないから、状況を整理しながら話を理解していく。映像とセリフは固定なので、それに合わせることが大前提です。この服ダサいの一連の流れが理解できるようになると劇的におもしろくなるやつなんですが、公式は一切解説してないし、こんな複雑なもの考察にまとめるのしんどい。そのうち頑張る…。全く何も考えたことが無い状態で説明聞いても「ふーん、そうなの?」くらいにしかならないと思うから、興味ある方は自分で頭悩ませて考えてみて。

東京の桜って

おっさんずラブで作中の4/20に桜が満開のシーンがあるんだけど、東京の桜ってそんなに遅いのかずっと気になってた。今年は都心の満開予測が3/29頃とのことで、4/20とはかなりズレがあるんですよね。都内でも地域が違ったり品種が違うとそういうこともあるんだろうか…?それとも、私がずっと桜だと思い込んでただけで、桜じゃないとか…?

作中で花が飾ってあるシーンも多くて、花の名前や花言葉とか調べてらっしゃる方もいましたけど。花には詳しくないので、私はそこら辺さっぱりですね…。

私がおっさんずラブをありのまま見るとこうなる

1つ前の記事でもいろいろ書かせていただいたんですが、『視聴者目線のこっち側』から見るか『登場人物目線のあっち側』から見るかで全く違うんですね。恋愛ドラマがまさか推理物になっているなんて普通は思わないでしょうけど、武川さんが「あんな過ち」とか言いながら詳しいことは結局語られないまま終わるのは分かりますよね?これについてはいろいろ考察上がったりしてますし、その時点で推理してますからね。全体的に非常に難度高いですが(普通に見てるのがノーマルとするとベリーハードになるくらいは…)、推理物として見るポイントはかなり多いですよ。基本的には『普通に見ていて矛盾・違和感のある所を、ドラマの内容に辻褄を合わせていく』というやり方でOKです。
ちなみに武川さんの件は、掃除している姿が印象的ですが、実のところ2・3話にしか無いということに気付ければそれ超重要なやつ。『1話では掃除はしていないが2話で神経質になり、4話以降掃除をする姿が無くなる』と見ると、私はそこから分かりました。

1番解釈が割れるのはラストだと思うよ。世間は皆ハッピーエンドだって言うけど、私には違った。武川さんが生活のすれ違いが原因って言ってんだから、上海行っちゃいけなかったのに何故行くのをやめなかったのか。我慢しないなら休職するか退職して一緒に行けばいいのに、行かない時点で我慢している。あの家留守になるのを預かるからだろうね。「ずっと一緒にいたい」って言うからプロポーズ受けたのに、無人の家だけ残していなくなるって話違うじゃん。海越えて上海と東京の生活のすれ違いが大丈夫だとでも?
1度ネガティブな思考に嵌まってしまうと、ズルズルと蟻地獄式に引きずり込まれる。6話後の1週間経験した後で結末これなんで。上海と東京の生活のすれ違いでも大丈夫な根拠が欲しいんですけど、何も無いんですよね。指輪してるわけでなく名字変えたわけでなく、牧君のタキシード姿が描かれなかったのはおそらく式は挙げてない。春田父が単身赴任で不在中でそういう家庭環境に慣れているからかとも考えてみたけど、春田母が指輪をしていないのでこの説は否定される。
『映像としてハッピーエンドに見えるように終わる』のは見たら分かりますよ。『物語としてハッピーエンド』である理由や根拠って無いはずですけど。行き着く先は、牧君の基本的な思考が『自分の幸せより相手の幸せ』だっていう、この結末において『相手』とは視聴者を指すっていう、そういう解釈だった。理解できる方法がそれしか無かった。恋愛ドラマとしての側面と推理物としての側面とあって、私の場合は推理物としての側面と相性良すぎてしまってファンとしては相性最悪だったんだと思う。

感情論で物を言うか理屈で物を言うかでハッピーエンドかバッドエンドか別れるとか、何この理不尽。ストーリーをありのまま理解しようとしているだけのはずだけど。うちだけ違うものが放送されてるのかと思ったこともあった。
この原因がやっとちゃんと分かりました…!

・春田さんを巡る部長と牧君の三角関係:これをA面
・牧君を巡る武川さんと春田さんの三角関係:これをB面
とするとします。この2つのストーリーが同時に展開されているわけですが、A面だけを見ると確かにハッピーエンドだと思うんですよ(部長派の方はガッカリしてハッピーエンドと思ってない方もいらっしゃるかもしれないですが)。
私が見てたのはB面だからだ…!武川さんと牧君が元彼なのって、3話放送前に予想してたんですよ。公式サイトのストーリー紹介って、次回放送分の回が最初のページに載るから、気付かないで放送前にあらすじ読んじゃって…。わんだほうの外でキレていたあそこから、これもしかして元彼とかじゃないかと早くから読んでたんですよね。武川さん好きだけど、正直言って部長はあの自分中心な所が好きじゃないので…。そりゃあ私、B面寄りになるわ。逆に部長好きだけど武川さんはあまり…って方だと完全にA面に寄るでしょうね。あと武川さんのポジションに当たる人って16年版にはいないから、そっちを先に見ている方はだいたい16年版のリメイク的な感じでストレートにA面寄りになってるんじゃないでしょうか?私がバッドエンドに感じる要素って、全部B面の方に関わってるものなんですよ。A面を重視する方にはあまり気にならない所かもしれませんね。A面だけを見るとハッピーエンド、B面を見るとバッドエンドという、これが私が混乱を起こした原因か…!表向きにはA面のドラマだし、ある意味うちは違うものが放送されてたんだな…。とはいえそれぞれ独立した話じゃなくて時系列的には繋がってるんだからね。

よく分からなければ、違うシチュエーションで考えてみようじゃないか。
春田家の食卓で2人で食事してるシーンで終わるのも良かったと思うんですよね。楽しく食事してるシーンって1話にしか無いですから。あとはちょっとむすっとしてたりとかして、いい感じなのってちずちゃん来た時だけですよね。
楽しそうな食卓のシーンです。料理できなかったあの春田さんが料理作ってくれて、2人で「いただきます」で終わる。そういうラストも良かったなと思う。

それでね、武川さんから「あいつアレルギーで大変なことになったから○○は食わせるな」って言われてるのに、その食材を使った料理が1品紛れてる、みたいな状況ですよ。幸せそうな光景ではあるけど、それ食わせちゃいけないやつ…!

私から言わせてもらえば、今の終わり方ってこんな状況ですよ。意図的に食わせるなら本当の怖い話だけど、『話を理解してなかった・忘れてた』って感じです。実際、武川さんの「生活のすれ違い」の話覚えてれば、「えっ!?」ってなる終わり方のはずですけど…。食わせてから看病するっていうヤンデレルートもあるかもしれない。4話ラストのあの雰囲気から、春牧の二次ってヤンデレもありますからね。ちずちゃん帰ってくるの遅くなったらあのまま襲ってたんじゃないかって気がする。
アレルギーの話だと、これが本物のハッピーエンドになるには、代用品を使うことだと思う。小麦粉ダメな人に米粉、牛乳ダメな人に豆乳とか。料理できなかった人がそこまで考慮して作ってくれたらすごい進歩だと思うし、嬉しいと思うんですよね。「代用品使ってるから食べても大丈夫だよ」っていう、そういう『ハッピーエンドになるための条件』が語られていないために「えっ!?」ってなる終わり方だということ。

「生活のすれ違いが原因」という話から牧君にとっては、一緒にいられない人は寂しいから無理、というのがアレルギーみたいなものだと思ってる。牧家は家族で一緒に暮らしてる家庭だから、好きな人と一緒に暮らすことが理想なんじゃないかと思う。武川さんは恋愛はするけど他人と一緒に暮らしたくない人なんですね。その理由は視聴者に分かるように喋ってますよね。『誰のことか』は言ってないけど。好きでいてくれてるけど一緒に暮らすことができない武川さんと、片想いだけど一緒に暮らせる春田さんとどっちを選んだかは…ね。で、牧君東京に置いて上海に行く終わり方ですよ。「お父さんいる時に連れてきたの初めてじゃない?」って話から、春田さんより前に2人以上連れていっていることが読み取れるので、25歳で親に紹介する恋人の人数が3人以上なのは要するに1人の人と長続きしてないですからね。春田さんの場合は『一緒に暮らす』っていう『形』があったからこそ本気度が高かったわけでしょうけど(出ていこうとすれば引き留められるくらいだし)、その形が無くなって無人の家だけ残していなくなる終わり方ですよ。牧君の目から見たら、新しい恋が始まって幸せそうにしている人達に囲まれて、誰もいない家に帰る生活が始まる終わり方ですから、私はこれをハッピーエンドと思っていない。

18年版においては春田さんは理想のタイプを「ロリで巨乳」と外見的特徴しか言ってないんですが、16年版では「仕事で遅く帰ってきても美味しいご飯で迎えてくれて」ってことを言ってますね。この「仕事で遅く帰ってきても」が、毎日の仕事の帰りじゃなくて、何ヵ月もしくは何年かかるか分からない『海外転勤から遅く帰ってきても』になるわけか。つまりこれって、
『一緒にいられる人』
『帰りが遅くなっても待っててくれる人』
という、お互いに恋人に求める理想が致命的に合ってないわけか。私が結末に感じていた違和感の正体はこれなんだな…。だから牧君の目から見たらバッドエンドっぽいんだけど、春田さんの目から見たらハッピーエンドなんですよ。男は外で働くものと思っているなら、留守を任せられれば安心感もあるでしょうし。牧君が家から出ていこうとすれば嫌がるし、武川さんの所に行こうとすればキレるし、留守番して待っててもらえばこれが両方叶うから。仕事に真面目なのはいいことだけど、朝出勤してその日の夜帰るのと、単身赴任でしばらく帰らないのとでは話が違うじゃない。武川さんの話理解してるなら上海行きをやめるべきだったのに、結局春田さん側の理想に持ち込んでる状態ですね。ハセとの「全然理想高くない」「高い高い」は18年版ラストへの伏線だったのか。

これでハッピーエンドだとするには、補正をかける理由や根拠が必要なはずなんですけど、それらしいものが普通に見てても何も見当たらないんですよね。先のアレルギーの話だと「代用品使ってるから食べても大丈夫だよ」っていう部分。行くのをやめなかったからには、とにかく牧君に待っていてもらわなければならない。一緒に行かない時点で我慢してるんだし、あんまり我慢させすぎたらまた出ていっちゃうんじゃないの?我慢しないって決めたって言ってんだから。遠距離で我慢しなくていいのは別れることしか無い。別に卑屈になってるわけでなく、日本語をストレートに理解しようとしてるだけですけど。公式や役者さん達のコメントとか読んだって誰も解説なんてしていない。表向きにはA面のドラマだからね。
何故行くのをやめなかったかについては、作中のある出来事をベースに置いて見ていくと話が全部繋がるから。これ驚きましたわ。深いドラマよ。問題は牧君の側です。武川さんの話をよく聞いて。重要なセリフがあるから、その意味を拾い上げればあとはいろんなシーンが次々に繋がっていく。そういうパズルみたいになることで、7話という短い中に信じられないほどの情報量が入っている。全部書いたら12話くらいにはなったと思うよこれ。推理物にする形で圧縮をかけている状態なので、私は逆に片っ端から掘り起こして解凍していった状態ですね。難度高いので1番必要なのは根気。そうやって春田さん側と牧君側のストーリーが合わさると、推理物として見てとても見事な現象に辿り着く。それが別れで終わる理由の答えでいいはず。おそらくそれが映画の内容じゃないかと思うので詳しく書くことは控えておきますが…。でも今ある全7話から読み取れる内容よ?未完成状態で終わらせてるのは、始めから続編を視野に入れてたんじゃないかな…。
まあ「生活のすれ違いが原因」を解決させることでハッピーエンドと思いきや、別の問題が浮上するので状況はむしろ悪化するんですけどね。理不尽すぎて笑えてくるよ。そういう周到な所好き。

B面側はまだ何も話が終わってない。映画って長くても2時間くらいだと思うから、それで全部終わる気もしないし…。私がよく言ってる、最終話のプロポーズが2回目だっていう話は、牧君の目線で見ていくことで出てくるものなんですよ。その後の話より、私には5話買い物デートの夜の話が重要。多分今まで見てたのって『春田創一編』であって、『牧凌太編』をいずれやるんじゃないだろうか。19年版ドラマかノベライズか何か、メインビジュアルの中央に牧君が立つ日が来ると思ってる。あくまで個人的な予想と希望ですけどね。ifストーリーで武牧の復縁も見たいなあ。

14日に拍手4件ありがとうございました!

18年版おっさんずラブの私の解釈

何度か私のブログ読んでくださってる方なら、私がこのドラマに世間のファンの方達とは全く違う解釈や感想を持ってることを知っててくださってる方もいらっしゃるかと思います。今回はその辺りのことを詳しく書こうと思います。あくまで『私が自分で理解しやすい方法』を書きますので、これが正解かどうかは分からないことは前置きさせていただきます。

以前も書いたんですけど、ゲームだと壁にひび割れがあるのを調べると隠し通路があったり、置物の向きが1個だけ違うのを調べると仕掛けが…とかよくあるんですよ。このドラマ、まさしくそれです。『ドラマの内容をありのまま見る』ということを大前提に考えると、どうしても辻褄の合わない部分が多いのです。目に見えてる通路だけを真っ直ぐ歩いていってもゴールには辿り着けるんですが、矛盾や違和感といった部分の謎解きをしていくことで詳しいエピソードが見えてきたりします。『最終話を見た後で戻る』という手順が必須で意味が変わり、初めて解ける部分もあるため、『視聴者が自分の解釈を修正する』ということで見えてくる部分もあるのです。なので1回見て終わりの方や仕掛けに気付いていない方は一般的な解釈に落ち着くはずです。

矛盾→
・牧君からもちずちゃんからも服ダサいと言われているが、1話のわんだほうでダサくない普通の服を着ている。この服と試着に選ぶ服が趣味が違いすぎるし、この服と牧君が選んだ服が上半身の着こなしが似ている。
・牧君から方向音痴と言われたが、お婆さんにすらすら道案内。
違和感→
・14:55にマイマイから呼び出しの電話が来て別れ、海→葛西と移動した後パパラッチを追いかけてもまだ暗くない。
・風邪をひいているのにマスクしないでスーパーへ買い物に行く。5話から無くなりますが、春田家のダイニングには元々マスクの箱有り。
…等々こういうのをおかしいと気付けるかどうかで見える情報量は全く変わりますよ。「あの時はこうであっちではああだから、つまりここの意味はこうなる」とか全7話を総合的に見るパズルみたいなものです。

そもそもこのドラマ、おかしな点多いですから、『作りの甘い残念なドラマ』と思ってる方もいらっしゃるかもしれないですよね。オンエア時に打倒・牧凌太が部長の送信画面では牧良太になってたり(DVDでは修正されてる)、最終話の『春田さん用晩ごはんカレー』のメモが2話のものに見えるけど、2話のは『晩ごはんのカレー』なのでよく見ると別物。『の』の有無により2話のものではないんですが(6話で出ていった時にカレー作っていってくれた?)、仕掛けとしては2話を見返すのでいいと思います(詳しくは12/22の記事で)。
5話の歯ブラシが春牧のバックハグに見えちゃう人続出したけど、5→4→1話の順に洗面台のシーン確認すると、ね。これだけの仕込みをしてる時点でかなり周到ですから、作りの甘い残念なドラマのはずがないんです。

矛盾を辻褄合わせていくと展開が変わる件について、非常に特殊な手法を使っていると思われるため、分かりやすいように日常的なシチュエーションを例に説明しますね。
出された料理が美味しくないと感じることってありますよね。相手に正しく伝わるようにするには「美味しくない」とはっきり言うことです。でもなかなか言いづらいものですし、相手を傷付けちゃうかもしれないですよね。お世辞というか社交辞令というか、「美味しかったですよ。またご馳走してください」って言ったら言葉通りに受け取られてしまった…ってこと、経験したことのある方もいらっしゃるんじゃないでしょうか?別に相手を騙そうとして嘘をついたわけじゃないですし、社交辞令としてはよくある話ですよね。この場合、この料理は美味しくないのが事実なんですが、美味しいって言われたのをそのまま信じると2人の間で認識にズレが出てしまう。
実際ありますよね。部長がプロポーズした時、視聴者には「おい、何言ってんだ、おい!?」っていう心の声が乗るから流されて返事をしてしまったっていうのが分かるんだけど、部長には「はい、あの、僕なんかで良ければ」っていう口から出た言葉だけが伝わって喜んでしまった。

突き詰めていくと、このドラマの手法ってこれと思われます。矛盾や違和感を多用した作りになってるから、それを辻褄合わせていくと全く違う展開になる。登場人物が喋った言葉を全部そのまま聞いた場合の展開(一般的に知られている展開がこちら)と、矛盾や違和感をドラマの内容に合わせて辻褄合わせていった場合の展開。
視聴者に伝わるようにするには『心の声を乗せる』などの手法が一般的と思いますが、その『心の声が無いため視聴者に正しく伝わらない』シーンが複数あるということです。あと思い込みや刷り込みを上手く利用して視聴者の盲点突いてきたりとかもね。視聴者に対しては非常に不親切なドラマですよ(先の歯ブラシの件でも、誰が何色の歯ブラシかというそもそもの情報が無いので正解の特定は不可能だったり)。でも日常生活において人と話すには相手の心の声なんて聞こえないですから、表情や雰囲気、前後の会話の流れなどから察しなければならない。そういう意味ではとてもリアルなドラマだと思います。

何故そんなことが起きるかというと、目線の違いだと思います。分かりやすくイメージしてもらうなら、アルファベットの『T』がいいと思います。この上の横線が物語の世界で、登場人物達はこの横の線上を向いている。私達視聴者がいるのは縦の線の1番下の部分で、ここから縦の線上を向いている状態です。私達視聴者から物語の世界全体を見渡すことはできるのですが、登場人物達の目線の先に私達視聴者はいませんから、登場人物達は私達視聴者に伝わるようには喋る必要は無いのです。お互い別世界ですからね。登場人物達は皆自分の考えや感覚で喋ったり行動したりしているのですから、それを視聴者が世間一般の感覚で見たり聞いたりすると認識や価値観が全く違っていたりする。同じに見えるようにするには、登場人物達と同じ横の線上から見ることです。物理的には無理ですから、『登場人物の立場や目線で見たり考えたりしてみる』ということです。
これは日常的にもありますよね。同じ日本でも都道府県が違うと気候・文化・方言など全く違いますから、『A県民の普通の感覚』と『B県民の普通の感覚』が全く違う方向を向いていたりする。地元で有名な料理が全国的には全く知られていないとか、同じ言葉でも方言によって全く違う意味になったりとか。だいたい皆さん『自分の地域の普通の感覚』で会話しますよね?相手が他県の人だと分かっていても、『相手の地域の普通の感覚や方言』で相手に合わせて会話することができる人なんてなかなかいないでしょうし。

別の方法でも説明しましょう。実際やってみていただけると分かりやすいかと思うのですが、お持ちでしたらサイコロをご用意ください。テーブルの上にサイコロを置いて、普段自分が座る席に座ってください。向かいの席には登場人物が座っていると思ってください(好きな人物を思い浮かべてくれていいのですが、ここではとりあえず牧君ということにしましょう)。自分から1が見えている場合(天井を向いている面じゃなくて自分の方を向いている面の話)、牧君からは何の数字が見えているか。これが理解できる人だと、イメージしやすいんじゃないかと思います。向こう側の面なので、もちろん直接こちらから目で見ることは不可能ですよ。
『反対側の面の数字を足すと7になるように作られてるから、こちらが1なら向こうは6』
という『思考で』見ることができます。これが自分と相手の視点の違い。同じものを見ているのですが、見る視点が変わると全く違う見え方になる。実際、このドラマそういう風に作られてますよ。1番分かりやすいのが『方向音痴』ですけど、3話でお婆さんにすらすら道案内する姿を方向音痴と思うのかって話です。『ダメな所直すって言ってるから改善させた』と解釈してるなら、道案内の難しさを舐めすぎ。それとも『お人好し』に気を取られて『方向音痴』忘れてましたか?ショッピングセンターで働いてたり、あとよく道を聞かれる職業は駅員さんとか交番のお巡りさんとかでしょうか。うちの店ならトイレとサービスカウンター、駅員さんやお巡りさんは近隣の観光スポットとか人気のお店とかかな?そういう『よく聞かれる場所』があらかじめ分かってるから案内できるのであって、分からなければ「確認しますので少々お待ちください」です。おっさんずラブ展で東京行った時に、電車の中で日本語話せる外国人の方から、「このホテルどうやって行ったらいいですか?」って地図見せながら聞かれたんですよ。でも私そもそも東京の人間じゃないのでさすがに答えられなくて…。たまたま降りる駅が一緒だったので、「じゃあ改札まで行けば駅員さんいるはずなので、そこまで一緒に行きましょう」が精一杯でした。道を聞かれるって突発的な出来事ですから、余程地理や方向感覚に強くないとあんな詳しい道案内できませんよ。春田さんは元々方向音痴じゃないんです。お母さんは「甘やかしすぎたのかな」と言っています。ダメな姿を見せると甘やかしてもらえるということをお母さんで知っているため、甘やかしてほしい人の前では『本当はできるけどできないふりをする』。だから牧君からは方向音痴に見えた。マザコンなのを本当だとしないと何も話が繋がらないですし、こういう気を引こうとする工作してるくらいなので、自覚してないだけで早くから牧君のこと好きだったと思います。『好き嫌い多い』についても嫌いな食べ物はピーマンしか書かれていないですから、おそらく方向音痴と同じようなことと思います。で、食べたいものは「ちょっとそれ1口ちょうだい」とか、計算高いな(笑)
モテないんじゃなくて、相手が理想のタイプか探ったり気を引こうとする工作してきて、初めて応えてくれた相手が牧君だったって話だと思ってる。かなり難度高いけど、服ダサいの一連が理解できるようになると分かるよ。

話戻りますが、サイコロなんて日常生活で使うことなんてあまり無いでしょうから、足して7になるっていう法則を知ってないとイメージできないかもしれないですよね。
では、牧君からどう見えているか、直接目で見ることができる方法を考えましょう。小さなサイコロなら上から覗き込む方法もありますが、それはちょっと無しで。テーブルの周りをぐるっと移動して牧君のいる所に行きましょう。それで同じように見えます。牧君のいる席を時計の12、自分の席を6とした場合、543…という反時計回りの向きになるように、こっち側からあっち側へ回ってください。
あるシーンを思い出してくださる方だと話は早いです。これが私が見ているおっさんずラブの世界観です。

正確には先の料理の話のように事実は1つだが『登場人物が実際喋っていること』と『視聴者が一般的に認識する解釈』にズレが出てしまう状態であると考える。実質的には1つの脚本で2つの展開を同時に作り出している状態で、とんでもない天才的な脚本家に出会ってしまったわ…。その能力に視聴者がまだ気付いてないだけです。小説とかマンガとか書く側の人は、本気で研究してみると表現方法の勉強になります。すごすぎて素人の私には真似できるものじゃないけどね…。

私が一般的なファンの方達と全く違う解釈や感想を持っているのは、『視聴者目線のこっち側』ではなく『登場人物目線のあっち側』から見ているからです。あっち側は牧君を巡る武川さんと春田さんの三角関係がメインで、武川さんがかなり鍵になります。カセットテープのA面B面みたいな感じかな(若い方、分からなかったらすみません…)。今ある全7話をよく見てよく聞いてたくさん考えて、『物語を読み解く』ということをしただけです。最終的には『波長が合う』かどうかだと思うので、多分私は『こっち側』が合わなくて『あっち側』が合うからこうなったと思う。ちゃんと見たいってことは、公式には伝えてある。

1日と2日に拍手1件ずつありがとうございました!
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