螺旋状に突っ走って死にたいプロフィール
2013/2/4 Mon 13:19
TIME

話題:詩

カチカチと刻まれる一瞬一瞬が 退屈な一日を作り上げるけれど
お前は何の準備もせずに時間をつぶしムダにする
地元の狭い土地をうろつきながら
誰かか何かが 行くべき道を示してくれるのを待ちながら

太陽の下で横になっていたり 家にこもって雨を見ているのにも疲れ
お前は若く人生は長く、そして今日もまた退屈な一日
そしてある日10年もの歳月がお前を通り越していったことに気づく
誰も いつ走ればいいなんて教えてくれなかったし、スタートのピストルの合図も聞き逃したのだ

お前は太陽に追いつこうと走って走って走りまくった、しかし太陽は沈んで行くところだった
そしてまた一周して再びお前の後ろに顔を出すのだ
太陽は相対的に何も変わらず、ただお前だけが年老いていく
息切れは激しくなり、ある日今よりも死がより身近になっているのだ

一年の長さはどんどん短くなり、その時を見つけることは不可能に思えてくる
計画は失敗に終わるか、ページ半分ほどのなぐり書きに終わる
静かな絶望の中で待ち続けているというのが、イギリス方式というわけか
その時は行ってしまった、歌も終わりだ、言いたいことはもっとあるのだが


倦怠にまみれた一日を刻む時計の音 おまえはただ無造作に時を浪費していくだけ
故郷のちっぽけな土地から 出ようともせず
手を引いて導いてくれる 誰かか 何かを待つだけ
陽だまりの中で寝そべることに飽き飽きして 家の中から降りしきる雨を眺める
若いおまえにとって人生は長く
どんなに無駄に使ってもあり余るほどだ
だが ある日 おまえは
10年があっという間に過ぎ去ったことに気付く
いつ走り出せばいいのか 誰も教えてはくれない
おまえは出発の合図を見逃したのだ
太陽に追いつこうと おまえはひたすら走る
だが太陽は沈んだかと思うと
やがて おまえの背後から
再び姿を現す
相対的に見れば太陽はいつまでも変わらず
おまえだけが そうして年老いていく
息切れはますます激しく
おまえは刻一刻と死に近づいていく
歳月は年一年と矢のように過ぎ去り
おまえは息をつく暇もない
おまえの企みはすべて失敗に終わり
残ったものは 書きなぐった予定表だけ
そして おまえは英国人らしく
ひそかな絶望に身をゆだねていく
時は過ぎゆき 歌もいつか終わりを迎える
もっと言いたいことがあったはずなのに


ピンクフロイドの曲「TIME」より抜粋

これほど恐ろしい歌詞を俺は知らない


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