8/31 13:04拍手コメントよりリクエスト。タイトルのまんま、フレユリでがっつりSMプレイです。裏ですので閲覧にはご注意下さい。







「あっ、ああぁアアッッ!!」

「ユーリ、そんなに感じるの?いつもと全然違うな」

「やっ…ァ、おまえ、の、触り方が……ッ!!」

フレンが顔を上げた。
見下ろしたユーリの顔は表情が半分ほど隠れてしまっているが、おおよその想像はつく。

整った眉を寄せてきつく瞳を閉じ、薄く涙を滲ませているに違いない。その涙を舌先で拭ってやると、ユーリはいつもひくひくと舌の動きに合わせて小さく顔を震わせ、鼻にかかった可愛らしい声を上げるのだ。
今はそれができないが、後で存分に堪能させてもらおう、と思った。

涙の代わりに、唇から零れた透明な液体を舐め取った。
そのまま全体に舌を這わせ、わざと音を立ててあちこちを啄むようにしてやると、薄く開いたユーリの唇からそろそろと紅いものが覗いた。
何かを探すように頼りなく震えるユーリの舌を見て、フレンの口元には笑みが浮かぶ。
何を探しているのかなど、考えるまでもない。

形のよい鼻の頭にも口づけを落とし、ユーリの『瞳』を見つめて囁いた。


「僕は特に変わった事はしていないよ。ユーリが感じやすくなってるだけだろう?」

「ひぁっ、う」

ふ、と軽く耳元に息を吹きかけると、それにすら大袈裟とも言える反応を示し、ユーリが身体を大きく捩った。

押さえ付けている腕に力を込めながら、これほどまでに変わるものなのか、とフレンは悦びを隠せなかった。今の自分の表情を見たらユーリはきっと忌々しそうに顔を歪めるだろうが、取り敢えずそのような事はない。

僅かに身体を起こし、フレンはユーリをまじまじと見つめた。肌の離れる感触にさえ小さく不安げな掠れ声を聞き、優しく頬を撫でてやりながらもどうしようもない加虐心が心の奥底から沸々と込み上げて来るのを感じていた。



幼馴染みで親友という壁を越え、ユーリと身体を重ねるようになってからそれ程経っているわけではない。
だが悲しいかな、互いの立場が違う為に頻繁に逢うことは叶わず、そのせいかひと度行為を始めればそれは非常に激しく濃厚なものだった。

一晩に何度も求め合うことも珍しくはない。多くの場合はユーリが先に落ちてしまうのだが、ぐったりとベッドに身体を投げ出すユーリのしどけない姿に再び欲情してしまい、意識のないままの身体を犯すこともままあった。

もっと色々な事をしてみたくなって、思い切ってユーリに頼んでみたら、驚いた事に渋々ながらも承諾を得たので早速『それ』を取り入れたのだったが、これ程までに良い反応を示すとは思わなかった。


いわゆる『緊縛プレイ』というものだ。


手足を拘束して自由を奪った相手を犯す、そんなある意味特殊な方法だったが、いつもと違う状況に二人とも確実に興奮の度合いを増している。

ユーリの両手は、彼自身の腰帯で肘のあたりまでを縛り上げられて頭の上に掲げられ、端はベッド脇のポールに結び付けて固定されている。ユーリが身を捩る度にベッドが軋む音にまで興奮が高まってしまう有様だ。
両脚も大きく広げられ、それぞれに折り曲げられてこちらは紐で縛られ、宙に浮いた状態でやはり紐の先はポールに縛り付けてある。柔らかめの生地で出来ている赤い紐がユーリの両太股に食い込み、その中心で天を向いているユーリ自身の様子からは、ユーリもこの状況にしっかりと興奮し、感じていることが良くわかる。


「フ…レン…?なに、してるんだ……?」

ユーリの口から心細げな言葉が紡がれる。

太股の内側に掌を滑らせながら、フレンは再びユーリの胸へと顔を寄せた。


「君の姿があまりにいやらしいから、どうしようかと思ってたんだ」

目の前にあるユーリの乳首を唇で挟み、つまみ上げるようにする。

「ああッ、んああぁァ!!」

「本当に…いつもより感じやすくなってるね。ユーリ、こういうのが好きだったんだな」

「や、あ、ちッッ…違うッ…は、ヤああ!!」

イヤイヤをするように髪を振り乱して否定するものの、全く説得力はない。フレンが軽く撫でただけでその腰は大きく跳ね上がり、ユーリの性器から溢れ出る先走りが腹に散る。

「違わないだろ、こんなにしておいて」

「は、なに……うぁッッ!!」

ユーリの性器を握って先走りを塗り付け、軽く上下に扱く。またしてもユーリの腰が浮き、フレンは身体をずらしてユーリの脚の間へ自らの上半身を潜り込ませると、薄い下生えを掻き分けるようにしてまだ柔らかさの残る部分を口に含んだ。
甲高い悲鳴じみた声を聞きながら、それを口の中で転がすようにしているとすっかり柔らかさは消えてしまったので、口を離して丁寧に、わざと音を立てて舐め上げる。その度に響くユーリの喘ぎ声に、フレンはますます愛撫を激しくした。

口淫は普段、どちらかと言えばユーリがフレンにしてやることが多い。それはユーリがフレンを受け入れる為の準備の一つであったが、いやらしく見上げながらフレンのものを口に含むユーリの姿は、視覚的にも非常に卑猥なものだった。


だが今のユーリの姿は、はっきり言ってそれとは比べものにならない程の淫靡さだ。
両手両足を拘束された姿もそうだが、何と言ってもフレンの愛撫に応える様子が堪らない。激し過ぎる程の反応の『原因』なら分かっているが、ここまで変わるとは思わなかった。


「ユーリ、次はどうして欲しい?」

「な、ん……っちょ、どこで喋っ……!!」

「ここ?」

「はっ?あッッ、ぃあぁああンッッ!!!」

「…ほんと、いい反応で嬉しいな」



ユーリは目隠しをされていた。
両手両足を縛ると同時に黒い布で顔の半分程を覆い、外れないように後ろでしっかり結んである。勿論、同意の上での事だ。

だが、視界を遮断されるという事はユーリにとっても予想以上に不安を煽るものだったらしい。
更に、普通の人間よりは鋭敏な感覚を持っているだけに物音に敏感になり、シーツの擦れる音やフレンが移動する際の空気の流れにすら一々反応する。

それが楽しくて殊更ゆっくりと静かにユーリの身体に触れると、普段の自信に満ちた態度からは考えられないぐらい頼りない吐息を漏らし、懸命にフレンの指先を追おうとする。この場には自分とフレンしかいないということが分かっているというのに、見えない不安はこうも人の意識を頼りなくするものなのか。


(…堪らないな…)


あられもない姿を晒し、自分に縋るような仕種を見せるユーリを見ていると、言いようのない優越感が込み上げて来る。指先一つでユーリの全てが自由になるような、そんな気持ちだった。


熱い陰茎を擦り、裏筋に指の腹で先走りを塗り込みながら爪先を立てて刺激する。激しく上下するユーリの腰を押さえ付け、全てを口に含むと一際高い嬌声が響いた。


「あッッあァああっっ!!はぁッ、あン、ああぁ!!」

「んっ、ん…ふ…ぅ」


強く、弱く。
軽く歯を立てたり、強く吸ったり。
暴れるユーリの腰と内股を力一杯押さえ、口だけでその場所を刺激し続ける。
ベッドが激しく軋み、みし、と何処かに罅でも入ったかという音まで聞こえた。
泣き叫ぶようなユーリの声を聞き、自由を奪われた白い手足を力ずくで押さえながらの行為は、同意の上だというのにまるで無理矢理犯しているかのようで、そんなふうにユーリを抱くことにこれまでにない昂りを覚える自分がフレンは少し恐ろしかった。


戻れなくなったら、どうしよう。


ふとそんなことを考えたが、もう止められる段階ではなかった。ユーリもそうだろう。

口の中で、ユーリ自身が脈打つのを感じた。限界なのかもしれない。何かに耐えるように苦しげな呼吸を受け、フレンはわざと一旦根本まで飲み込むと舌を絡めながら一気にそれを口から引き抜いた。


「んふああぁッ……あ、う…!」

ユーリがのけ反り、すぐに顔をフレンのほうへと向ける。隠されていて見えないが、きっと鋭く睨みつけている事だろう。

思わず零れた笑い声はユーリ聞こえたのかもしれない。


「ふっ、レ…ン!!」

「何?ユーリ」


何でもないふうに聞き返せば、微かに呻き声が返って来た。


「く……ぅ、も、早くっ…!!」

「だから、何を?」

「……!!!」

ユーリの身体が引き攣る。
何か、など言うまでもない。だがフレンは敢えてそれをユーリに言わせてみたかった。


「…もう、イきたい?」

「っ……く…」

小さく頷くのが見えたが、尚もフレンはユーリに問い掛けた。

「ユーリ?どうして欲しいんだ?はっきり言ってくれないか」

「えっ…な、……!?」

「早く」

「ひ!?ッあァ!!」

上下に激しく扱いては止める、ということを繰り返しているうち、ユーリの喘ぎが嗚咽混じりになる。驚いて顔を上げて見ると、目隠しの布は濡れて色を変え、その染みはどんどん広がっていった。


ああ、泣かせてしまった。

だがもう止まらないのだ。

愛撫の手を休めることなくユーリの耳元に唇を寄せ、フレンは再び同じ質問を繰り返す。


「ユーリ、イきたいんだろう?泣くほど辛いなら、早く言って」

「あぅ、く…っふ、てめ……ッッ、調子に、乗……っんンあ!!」

根元を強く締め付けて、フレンが言った。


「言うんだ、ユーリ」


それはもはや懇願ではなく、命令だった。
二人の中で、何かが変わった瞬間だったかもしれない。


「んっく、う…い、いか…せ…」

「聞こえないよ」

「ああぁあ!!っあ、お願…っ、イかせっ、て、イかせてくれ、フレンッッ!!」


「…ユーリ、可愛い…」


恍惚としたフレンの表情に宿る仄暗いものを、今のユーリは見ることはない。もし見えていたら、戻れたかもしれなかった。


再びユーリのものをフレンが口に含んだ。強く絞り上げるように何度か顎を動かしただけで、すぐにユーリは達してしまった。フレンはそのまま口内にユーリの精液を受け止め、全て飲み込んだ。


「…ユーリのは、甘いね」


起き上がり、口元を拭いながらそう言葉を掛ける。

いつもなら、『気持ち悪いこと言ってんじゃねえよ』と悪態の一つも返ってくるところだ。
だが見下ろしたユーリはぜいぜいと肩で息をし、殆ど放心状態と言っていいような有様だった。


解放していない自分の中の蟠りが疼く。
早く一つになって、今度はユーリの中でこの欲望を思い切り吐き出したくて仕方なかった。


「ユーリ、僕も辛い……僕の事もイかせてくれる?」

ユーリが頷いたように見えたが、定かではない。単に声のほうへと顔をやっただけかもしれなかったが、フレンは返事を待つ事なくその身体へ乗り上げた。



ぎしり、と鈍い音が響く。
音の出所はどこだったのか、最早気にする事もなかった。






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「…ということで、まさかの第三弾だったね!ええと、『ソフトSM』というやつかな、若干言葉責めも入ってるね」

「……………」

「どうしたんだい、ユーリ。ローションプレイまでいかなかったのが物足りない?」

「そんな事はどうでもいい!!オレ、殆ど喋ってねえじゃねーか!」

「まあ内容が内容だからね。あれで流暢に会話されても嫌だけど」

「おまえ、生き生きしてんな…」

「僕が、じゃないんじゃないかな」

「大体だな、『次はない』って言ったろ!?」

「何言ってるんだ、別に学パロでもよかったのをわざわざこちらにしたのは本人なんだから」

「とにかく!!別にアレはそういうつもりじゃなかったんだ!全部やろうとか考えんなよ!?」

「…僕の意思じゃないんだけど」

「うるせえ!!」

「僕は嬉しい限りだけどね!皆さん、ありがとう!」

「……ちくしょう……!!」



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終わり