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拍手更新しました&コメレス


間が空きすぎて前回の更新日見てちょっと気が遠くなりました…こんばんはZOOKです。

タイトルのとおりなんですが、拍手更新しました。絵のほうは以前と変わってないです。

…5ヶ月前とか…

もともとゆっくりペースで更新するつもりの連載ではあるんですがさすがに空きすぎました申し訳ありません!
自分でも最初から読み返さないと色々忘れてる始末です…あ、ついでに誤字とか文脈がおかしなところとか修正したりしました。これに限らずたまに修正してます。…一応。
時間あけて読みなおすのって大切です、ね…

ちょこちょこ連載を更新しつつ残りのリクエストも書いていこうと思います。たまに単発で書いたりするかもですが。

そうそう。
思いっきり私事ですが、パソコン壊れました。

はえーーーーーよ!!!!(涙)

まあ中古だししょうがないんですが、1年経ってない(笑)
でも結構酷使したしな…。
一応代わりのノートPCがあるので使用してるんですけど、なんせ10年近く?以上?前のものでして。こうやって文字だけ打つぶんにはなんとかなりますが、サイト見たり動画見たりそういうのはもう重たくて重たくて。再生が常にスローモーション状態です。

容量もないので、最低限必要な機能というかそういうのだけ使えるようにしたんですけども。とりあえず今まで使ってたPCが直るか新しいの買うかするまでお絵かきは封印です。
拍手の絵も変えたいんですけどねー…

PC使う予定の数日前にいきなり壊れたので大慌てでした。

いろいろとオススメPC聞いたりしてどうするか考え中です。スペース的な問題でノートに限られるんですけどね。


拍手下さっている皆様、ありがとうございます!励みになります…!!
追記よりコメレスです。
▼追記

SWEET&BITTER LIFE・11(拍手文)

シャッターが下りたままの店内は、今まで何度か来た時とどことなく雰囲気が違うような感じがした。

勿論、照明は点いてる。でも最低限というか、大きなものが点いているだけで間接照明やスポットは消されたままだ。店休日だからお客さんがいる筈もなく、今ここにいるのは僕とユーリだけだ。全ての照明を点ける必要なんかないし、充分お互いの顔だって見える。不都合は何もない。

…なのに、少し薄暗いだけでこんなにも雰囲気というか、空気が違うものなんだろうか。
大きな照明しか点いていないせいで逆に影がはっきりと見えるからか、それともさっきまでいた作業場が明るかったからかよくわからないけど…いつも、暖かみがあっていいな、と思っていた店の中が、妙に冷え冷えとしているように感じる。

……いや、理由はなんとなくわかってる。目の前のユーリがやたら不機嫌そうにしてるからだ。でも、どうしてそうなのか、というところはわからない。

作業中にちょっと、あれ?って思った時があったけどすぐにいつもの様子に戻ったし、僕の気にしすぎだったらわざわざ蒸し返す事もないか、と思ってた。
だけど作業が終わったらユーリは僕と目を合わせようともせずに、今もなお膨れっ面のまま、時々こちらを窺うようにしている。

何だって言うんだ、一体。何か誤解されたなら、すぐにでも解いておきたい。だって、次はいつ会えるかわからないんだ。まだ約束もしてない。

上半身を乗り出したまま、テーブルの上で両肘に力を込めてぎゅっと拳を握り締める。
顔を上げて真っすぐにユーリを見ると、彼はますます居心地悪そうに腕や脚を組み替え、俯き加減でまた一つ、溜め息を零した。


「…何だよ」

「何だ、じゃないよ。それはこっちのセリフだ。どうしたんだ、ユーリ」

「…何が」

こちらを見ずに答えるユーリの態度に、少しだけ苛ついた。
何度も言うけど、こんな態度を取られる理由がよくわからない。心当たりがあるとすれば、作業中にユーリが何故か黙り込んだこと。
それと…さっき、ユーリが何か言いかけたこと。そうだ、ユーリは何て言っていた?順を追って思い出してみれば、何かわかるかもしれない。
ええと、冗談を真に受けた僕にユーリが呆れて、僕がそれにちょっと反論して、更にユーリが言い返して……

ここだ。
ユーリの冗談は冗談に聞こえない、と言った僕に、ユーリは僕のほうこそ『余程冗談のような』セリフを、と言った。
そして、その後から様子が変だ。…何が、冗談のような内容だったんだろう。こちらはいくら思い返そうとしても自分ではわからない。でもとにかく、ここを確認しないことには落ち着かない。

初めてここを訪れたあの時も、僕はこのテーブルでユーリと話をした。ユーリはとても不機嫌で、僕の話にまるで耳を貸そうとしなかった。
それには理由があったし、僕もそのことをわかっていたから引き下がった。だけど、今度はそんな訳にはいかない。
…あの時は、もうこの店に来ることはないかもしれないと思った。でもきっかけをくれたのはユーリだ。ユーリがチャンスをくれたから、今こうして僕はユーリと一緒にいられるんだ。

そして、僕はもうこの繋がりを失くしたくない。


「ユーリ」

目を逸らしたままのユーリに呼び掛けると、眉間に皺を寄せたままでその顔がゆっくりと僕に向けられた。

「だから、何だよ」

「何で怒ってるんだ?僕、何か気に障るようなこと、言ったかい」

「…気に障るとか、そういうんじゃねえけど」

「じゃあ何なんだ、どうしてそんなイライラしてるのかわからないよ」

「それは…」

「関係ない、とか言わないでくれよ。僕のせいなんだろ?それぐらいは気付いてる」

ユーリはますます眉を寄せて、僕を睨みつけた。…でも、その表情は怒りに満ちている、というのとも少し違うように感じられて、何だか戸惑ってしまう。
ユーリも、戸惑っている…んだろうか。

でも、どうして…?


「…あのさあ」

口を開いたユーリは、やっぱりどこか困ったように視線をあちこちうろうろさせた。…初めて見るな、ユーリのこんな表情。今日は色んなユーリを知る事が出来たけど、もっと――――


「おまえ、オレの何がそんなに知りたいってんだ」

「…………は、え…?何でわかったんだ?」

「…何言ってんのおまえ」

し…しまった…!!
ちょうど考えていたのと同じ事をユーリが言ったものだから、つい…!

「あ、いや、なんでもない!」

「はあ?なんでもないってなんだ。大体、何でわかったも何もないだろうが、さんざん自分で言っといて」

「そうじゃなくて、今ちょっと考えてた事をユーリにも言われたから驚いただけだよ。自分でって、そんなに何度も言ってるかな…僕」

「………無意識かよ…………」

「え、何?どうし…」

「もう一回だけ聞く。ほんとはあんま何回も口に出したくないんだが」

「あ、ああ。何?」

僕がユーリに質問していたのに、いつの間にか立場が逆になっていた。でもとりあえずは大人しくユーリの話を聞いたほうがよさそうだ。それで、不機嫌の理由がわかるなら。

まるで深呼吸かというような、深くて長い溜め息を吐き出し、薄紫の瞳が僕を見据えてゆっくりと言った。

「おまえは、オレの何をそんなに知りたいんだ」



―――正直、質問の意味を図りかねていた。
なぜ改めてそんな事を聞くのかと思い、それをユーリに聞こうとしてやめた。ユーリがこんな事を僕に聞くのはどうしてなのか、考えるのが先だと思ったんだ。
もし答えを間違ってしまったら、終わりなんじゃないか。
まだ早い。焦るな、と自分に言い聞かせて、僕は必死に頭の中で『今』答えられる最善を探そうとしていた。

僕は、ユーリの何を知りたいんだろう。
今日、一緒に行った店を出た時、ユーリは僕に手を差し出して笑いながらこう言った。

『オレも、おまえの事が知りたくなった』

その時も僕はユーリの言う意味と、自分がユーリを知りたいと思っている意味とが違うんだと、漠然とした違和感を感じていた。でも、じゃあ何が引っ掛かかっているのかと言われると上手く説明できなくて、ついユーリの手を握ったまま考え込んでしまったんだ。

そして、その手を離したくなかった。
ユーリに言われるまでずっと握りっぱなしで、離す瞬間とても……
――とても、切なかった。
あの時、一瞬だけ頭に浮かんだことがある。

このまま、握ったユーリの手を引いて、自分の腕の中に閉じ込めてしまいたい―――

そうしたら彼は困るだけだろうとか、そもそも周りがどういう目で僕らを見るだろうとか、いわゆる『常識的』なこともほぼ同時に考えた。

……そう、僕はきっと、友人以上のものをユーリに求めようとしている。
だからこんなにも、ユーリのことが知りたくて仕方ないんだ。

仕事のこと。
それに、プライベートなこと。
休日は何をしてるの?今日みたいに決まった店に出掛けて、その後はどうしてるんだろう。エステルさんが彼女という訳じゃないなら、じゃあ、恋人は他にいるんだろうか。…いるなら、どんな人なのか。いないなら、


いないなら、僕が立候補してもいいか?


「―――…っっ!!」

…そんなことを考えている自分に漸く気が付いて、思わず立ち上がっていた。

勢いに押され、辛うじて倒れなかった椅子がガタガタと数回不安定に揺れて止まり、驚くユーリが視線を僕に戻す。自分の考えていることが信じられない一方、どこかで『ああやっぱりそうか』と思っていた。


何を知りたいのか、と聞かれたら、きっと全部なんだ。
彼に惹かれているのは自覚してるし、友人としてそう思うのは何もおかしなことじゃない。
その筈なのに、じゃあどうしてこんなにもユーリのことが気に掛かるんだろうとか、具体的にどこに惹かれてるんだろうとか、そういったことは自分でもよく理解できていなかった。

でも、気付いてしまった。
顔が熱くて、口元を手で覆って突っ立ったままの僕を、ユーリはひたすら訝しげな眼差しで見上げている。…耐えられずに顔を背けてしまった僕を、ユーリはどう思っただろう。

これは、まずい。
何を、どこまで告げたらいいのかわからない。ユーリの事は知りたいけど、僕の事はまだ、知られたくない。だって当たり前だろう?…そういう事に偏見はないつもりだったけど、まさか自分が。ましてやユーリがどう思うかなんて、今すぐ聞く勇気はさすがになかった。

せっかく、ユーリも僕を知りたいと言ってくれたのに……


大丈夫か、と小さな声で尋ねるユーリをまともに見ることができなくて、のろのろと椅子に座り直した。

どう、答えれば。
この場をやり過ごすことしか頭になかった。


「なあ、フレン」

「なに、かな」

「……やっぱ『面白いやつ』から『変なやつ』に格下げしていいか、おまえのこと」

「それは嫌だ」

「あ、そ…」

冗談じゃない。いや、気持ちはまあ、わかるんだけど。はっきりとした否定が意外だったのか、ユーリが鼻白んだ。


「………………」

「いつまで黙ってるつもりだ?なんでそんなに考え込んでんだよ。知りたい事があるから口に出してんじゃねえのか」

「そう、なんだけど」

「…仕方ねえな…じゃあ聞き方を変えてやる。オレもおまえのこと、知りたいって言ったよな」

まさかユーリからそこに触れて来るとは思ってもいなかった。驚いて顔を上げた僕をじっと見つめるユーリは妙に神妙な面持ちで、何故そんな様子なのかわからない。

…ああ、何だかもう、わからない事ばかりだな…。
自分の事ながら混乱しているけど、とにかく冷静にならないと。下手なことを言うわけにはいかないんだ。

「オレは確かにおまえの事を知りたいって言ったけど、何も朝から晩まで一日中、どこで何してるとかそんなことが知りたい訳じゃねえ」

僕の仕事の内容にも、具体的には興味ないとユーリは言った。
じゃあ一体何が知りたいのかと聞いた僕に、ユーリはややうんざりしたような様子で、でもはっきりと答えた。

「それを、これからの付き合いで探せばいいんじゃねえのか」

これから友達付き合いをしていこうという段階で、いきなりあれこれと聞かれるのはあまりいい気分じゃない。それに、ただ『君の事が知りたい』とだけ言われても答えようがない。
今日のように、会話しながら少しずつ知ればいいんじゃないのか。

次々と並べ立てられるユーリの言葉には反論の余地は全くなく、僕はただ小さくなるばかりだった。

「職業病なのかもしれねえけど…女を口説いてんじゃねえんだから、真顔で…何度も言われると、物凄い微妙な気分だな」

「く…口説くって、別にそんなつもりじゃ…!」

「当たり前だ!例えだろ例え!でもな、『君の事が知りたい』なんて、口説き文句でしかないだろ!?」

「そ、そうかな…?」

「そうだ!それを、しれっと言いやがって…あ、もしかしておまえ、まだオレのこと女みてーだとか思ってんじゃねえだろうな!?まさか…」

「ち、違う!!そんなわけないだろ!」

『まさか』の後に何が来るのか聞きたくなくて、その前に慌てて否定した。
まずい、今はこれ以上この話題に触れないほうがいい…!

ユーリを不機嫌にした理由が知りたくて話を切り出したのは僕だけど、完全に墓穴を掘った格好になってる。
そうか、ユーリが微妙な表情をしていたのは、僕の言葉を『そういうふうに』捉えたからだったのか…。

無意識だった。確かに、さっきまでは。それでも言葉や表情に出ていたんだろうか。そう思ったら恥ずかしくて堪らなくなって、もうユーリの顔をちゃんと見るのも無理だった。
顔が熱くて、なんだか変な汗まで出てきたような…

俯く僕の耳に、ユーリが小さく唸るのが聞こえた。


「……はあ……」

続く溜め息に居た堪れない気持ちでいっぱいだった。僕は今日、何度ユーリに溜め息を吐かせてるんだろう。

「…とにかく!何が知りたいにしても、今すぐあれこれ聞かないと気が済まないのか、ってことだ。これから先、どっか飲みに行く機会だってあんだろうよ。おまえ、知り合った奴に毎回そうやって突撃してんのか?引かれるだろ、それ」「う……」

何て言うかもう、ユーリの言葉が胸に痛い。
引く、か。今までどうだったのか考えたくもないけど、きっとユーリもそうだったんだろうな、と思うと…辛い。

でも…そうか。
焦らなくても、いいのかな……
嫌われた訳じゃないんだよね?



「まあ、いいわ…。とりあえず今日は悪かったな」

「え…何が」

「オレが付き合わせたのに、なんか中途半端な感じになっちまったからな」

「そんな…仕事の様子も見ることができたし、とても楽しかったよ。…こっちこそごめん、なんだかその、変な気分にさせて」

「変な気分って何なんだよ……あーもう!もういい!この話は終わりだ。オレは気にしない事にする。おまえも気にするな!」

「あ、ああ…」

勢い良く立ち上がったユーリが、決まり悪そうに頭をがしがしと掻いた…いや、掻こうとして、髪をまとめたままじゃ気持ちが悪かったんだろう。
耳の後ろ…後頭部の真ん中あたりで髪を一つに括っていたゴムを乱暴に外してユーリが軽く頭を振ると、それだけで長くて真っすぐな黒髪が彼の背中に流れ落ちた。

綺麗な髪だと思ってたけど、こうして下ろしたところを見たらますます綺麗で…頭を掻いている様子は男らしいとも言えるのに、僕はただその姿に見入っていたんだからもう、どうしようもない。

直後、視線に気付いたユーリに睨まれて、曖昧に笑うしかなかったけどね…。



結局、僕はユーリに自分が何を知りたいのかを言わずに済んだ。自分でも気付いたばかりだったけど、今まで時々感じていたもやもやは一応、晴れた。

…でも、これからどうすればいいんだろう。
この先ユーリと『友達付き合い』をするにあたって、考えなきゃならないことが増えた気がする。

―――どうすれば、この繋がりをもっと深める事が出来るのか。

焦る必要はない、時間はある筈だと自分に言い聞かせながら、今だに整理しきれない感情を落ち着かせることだけを考えていた。



ーーーーー
続く
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