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カレとカノジョの真実(※リクエスト・ユーリ女体化)

8/5 司さまよりリクエスト
「カレとカノジョの秘密」の続きです。♀ユーリで裏ですので閲覧にはご注意下さい。




「………リ、ユーリ!!」

名前を呼ばれている、と気付き薄らと目を開けると、ぼんやりする視界に鮮やかな金色が飛び込んで来る。
ほっと息をつく様子が伝わり、ユーリは苦笑した。



「ユーリ!!フレン!!大丈夫ですっっ!?」

「…ああ、大じょ……っ!?」

頭上からの声に応えようと顔をそちらに向けるが、言い終える前にフレンの手がユーリの口を覆う。何事かとフレンの顔を窺うと、そっと手を離して人差し指を立て、それをフレンは自分の唇にあてた。

黙って、と声を出さずに唇の動きだけでユーリに言うと、フレンは頭上を振り仰いで仲間達に声を掛けた。

「――大丈夫です、エステリーゼ様!」

「ホントですっ!?ケガとかしてません!?」

「はい、掠り傷程度ですし、治癒術もかけましたので。ただ…」

ちらりとユーリを見ると、再び上へ声を掛ける。

「ユーリが少し、体を打ってしまって。できればもう少し休ませてやりたいのですが」

仲間達は何か話しているようだが、よく聞こえない。少ししてまたエステルがこちらへ向けて声を掛けて来た。

「分かりましたー!探索はわたし達で進めますから、後で入り口で合流しましょう!」


気配が遠ざかって行くのを確認し、フレンはユーリの身体を抱き直した。胸元に顔を押し付けるようにされてユーリがフレンを見上げると、肩を抱く手に力が込もるのを感じてユーリが僅かに身体を固くした。


失せ物探しの依頼を請けてこの古びた神殿を訪れた一行は、床がところどころ崩れて足場が悪い中での戦闘に少々手こずっていた。慎重に歩を進めるものの周囲は薄暗く、なかなか目的のものは見付からない。
そんな中、魔物の攻撃を避けて着地した床が突如崩落し、瓦礫と共に落ちるユーリを追ってフレンも階下へ飛び降りたのだった。


「ユーリ、大丈夫か?一応怪我は治したけど…どこか痛んだりしない?」

「…ああ」

「そうか。……よかった」

フレンはそう言って柔らかな笑みを浮かべたが、すぐに真剣な表情でユーリを真っすぐ見つめると、見上げるユーリの瞼の上に口付けた。
反射的にユーリは瞳を閉じて眉を顰めるが、フレンはそれを気にする様子もなく何度も口付けを繰り返す。

瞼に、鼻の頭に、頬に。

わざと小さな音を立てながら、徐々に口付けはユーリの顔を滑り降りていく。こそばゆい感覚に顔を背けると、フレンは首筋にも口付けて強く吸った。

「あ、バカ…っ、やめろって!」

「ん…ユーリ、こっち向いて」

「え、…っんン!!」

唇同士が重なり、すぐにユーリの口内にフレンの舌が差し込まれる。顔だけを覆い被すようにして強く吸ってくるのが苦しいが、逃れようにも後頭部も強く押さえられて動くことが出来ない。性急で少し乱暴な口付けの様子は、それだけフレンが切羽詰まっている事の現れだった。





「ン、あ…ッ、ちょ、やめろよこんなとこで…っ!」

「関係、ない。やっと二人きりになれたのに……!」

「まさかおまえ、この為に、ッん、は…あぁ!」

腰帯を解くのももどかしく、上着を無理矢理引き抜いてはだけた胸元にフレンが顔を寄せ、鎖骨に舌を這わせながらユーリを床に組み敷いた。冷たい石畳に肌が触れ、ユーリが小さく声を上げる。

「ひゃ…ッ!つめっ、た…」

豊満な胸を締め付けていたサラシは取り払われ、直に背中に伝わる冷たさにのけ反るユーリだが、フレンはユーリの胸に指を食い込ませ、一方の乳房を口に含んで愛撫するのに夢中でユーリの抗議に気付かない。
冷たいだけでなく、擦り付けられた肩や肘が痛くてユーリが呻いた。

「んっ、フレン、ちょっと…痛いって!それに、冷たい。何か敷…」

「ごめん、余裕ないんだ…身体は、僕が暖めてあげるから」

痛いのは少し我慢して、と言われてしまい、ユーリは諦めたように一つ息を吐いた。


ユーリは自分が女性である事を隠していた。
真実を知るのはフレンと、下町のごく親しい一部の人間しかいない。当然、フレンと恋人同士という関係も仲間には隠していたのだが、少し前にそれらはすべて仲間達の知るところとなってしまった。

以来、ユーリとフレンは宿で同室になる事は勿論、二手に分かれて行動する時などもとにかく別々にされてしまうようになった。

これにはユーリが女性である事がばれた経緯が関係しているが、それ以外にもユーリがずっと隠し事をしていたのを少しばかり寂しく思う仲間達からの、ささやかな仕返しの意味も込められていた。
特に女性陣は二人が恋人同士と知った上でフレンをユーリにわざと近付けさせまいとしたりするので、ユーリはともかくフレンはかなり参っていた。

愛する女性と二人きりにさせてもらえず、またユーリも皆に何も言わない為フラストレーションは限界で、固い石畳に押し付けたユーリを気遣う事も忘れてただひたすら久し振りの熱く柔らかな身体に溺れていった。


ユーリのしなやかな脚を抱え上げ、内股に舌を這わせて吸い、小さな朱をあちこちに散らす。白く滑らかな肌の至る所にフレンが残した徴が散っているさまは、どこか痛々しくもありながら淫らなものだった。

触れる前から蜜を溢れさせる秘所に、ユーリも欲望を持て余していたのを知ってフレンの熱も一層激しくなる。
流れる蜜を舌で掬い上げ、小さな蕾を剥くように唇で転がすと甘やかな嬌声が一際高くなると同時にユーリの脚がフレンの頭を強く挟み込むようにして痙攣し、とろりとした蜜とは別の飛沫がフレンの顔を汚した。

息も絶え絶えといった様子のユーリを満足そうに見下ろし、既に限界まで張り詰めた自分自身をひと息にユーリの中へと埋め込むと、内側の熱さと自身を包み込む柔らかさにそれだけで達してしまいそうだった。

込み上げる射精感を何度もやり過ごし、ユーリの腰を抱えて激しく抽挿を繰り返すとユーリの奥がきつく締まる。フレンの突き上げに合わせて上がるユーリの声に酔いながら、その奥へとフレンが精を放ったのと同時にユーリの腰も大きく跳ね上がり、ユーリも達したのだと知ってフレンはユーリの身体を強く、強く抱き締めて繋がったまま、暫く余韻に浸っていた。



足腰立たなくなったユーリをフレンがおぶって現れた時、仲間達は一瞬ユーリに何かあったのかと顔色を変えた。だが理由を聞くと顔を赤くして俯くユーリや、困ったように笑うフレンの様子から何となく事情を察し、呆れながらもその後は必要以上に二人に構う事はなくなった。
星触みを打ち倒す少し前の出来事だった。








「ユーリ、お久しぶりです!!」

軽快なノックに返事をしてやると、溢れんばかりの笑顔でエステルが部屋へと飛び込んで来た。そのままユーリに抱きついて、少しだけよろけたユーリを後ろからフレンがそっと支えた。

「エ、エステリーゼ様、その、あまり…」

「あ、ご、ごめんなさい!ユーリ、大丈夫です?」

「二人とも大袈裟だな…大丈夫だよ」

身体を離したエステルの頭をぽん、と叩き、肩に置かれたフレンの手を払ってユーリが椅子に腰掛けた。


「何ていうか、どうしても慣れないわね…」

エステルの後ろでユーリをまじまじと見つめながら言うリタに、ユーリは溜め息を吐いた。

「いい加減慣れろよ。みんなして同じような事言いやがって…これからまだ大きくなるんだぞ?」

「…それは分かってるんだけど」

膨らんだ腹を撫でる手つきはとても優しく、慈愛に満ちた眼差しは既に『母』としてのものだった。リタや、ユーリを男だと思っていた他の知人が驚いたのは何もユーリの外見的なものだけではなく、その仕種や表情の変化によるものが大きい。

ユーリはフレンの子を宿していた。

旅を終えた後、ギルドの一員として忙しく働いていたユーリはとある依頼の最中に体調を崩し、そこで初めて妊娠を知った。
フレンに告げるかどうか迷ったものの、仲間からの後押しもあって思い切って告白した。フレンも驚いてはいたがとても喜び、以来こうして毎日のようにユーリの元を訪れている。
かつての仲間達も折に触れてユーリに会いに来ては近況を報告しあう、そんな日々だった。

「他の奴らも来てるのか?」

「はい!パティとジュディスは下で女将さんのお手伝いをしてるんですよ」

「ユーリには、栄養のあるものをたくさん食べてもらうんだ、って張り切ってたよ」

「あいつら、来る度いっつもじゃねえか。オレを太らしてどうするつもりなんだか」

頬杖をついて零すユーリに、カロルが反論する。

「何言ってんだよ、ユーリ全然太ってないよ!それに、元気な赤ちゃん産んで、早く戻って来てもらわなきゃ!」

「はいはい少年、今からそんな話しないの」

部屋に入って来た人物に、フレンが渋い顔をする。

「レイヴンさん…」

「あからさまに嫌そうね…」

「自業自得だろ、おっさん」

ユーリが女性と知って以来、レイヴンが何かとちょっかいを出して来るのが当然フレンとしては面白くない。冗談だと分かっていても、嫌なものは嫌なのだ。

だがそれは下町の他の知人に対しても同様で、ユーリを女性と知らなかった者は皆一通り驚いた後、フレンとの関係を冷やかした。中には明らかにユーリに好意を持つ者も現れたので、牽制の意味もあってフレンはこうして下町へ通っているのだ。

勿論、一番の理由はユーリと少しでも多く一緒にいたいからだが、何かと有名なユーリの元へ客が来ない日は少なく、フレンとしてはそれが嬉しくもあり、少し切なくもあった。


「フレン?どうした?」

「…何でもないよ」

苦笑いを浮かべるフレンをユーリは怪訝そうな眼差しで見る。
と、レイヴンがぱんぱんと手を叩きながら言った。

「はいはい、仲のよろしいことで!いつまでも邪魔しちゃ悪いし、おっさんは下で大人しくしとくわ」

「…そうね。あたし達も行きましょ、エステル」

「ええっ?でも」

「いいから!ほらガキんちょ、あんたもよ!」

「う、うん。じゃあ二人共、また後でね!!」


賑やかだった部屋に一気に静寂が戻り、二人は揃って大きく息を吐いていた。



「…旅をしていた頃と、あまり変わらないな」

「そう言うなよ、今だって気ぃ使ってくれたんだろ。リタもおっさんも」

「そうなんだけど…」


椅子に座るユーリの前に回り、フレンが床に膝をついて両手をしっかりユーリの腰に回し、その腹に顔を擦り付けた。

「…何やってんの」

「んー…。この子の顔は早く見たいけど、そうしたらますます二人きりになれないな、って」

「あのなあ……」

膝の上で揺れる金髪をくしゃくしゃと弄ると、軽く頭を振ってフレンが拗ねたようにユーリを見上げ、その表情にユーリは思わず吹き出していた。


「…何、笑ってるのかな」

「ここにデカいガキがいるな、と思ってさ」


うるさい、と言って再び顔を埋めたフレンの頭を撫でながら、ユーリは『たまには甘えさせてやるかな』などと考えていた。




賑やかで穏やかな、幸せな時間。
こういうのも悪くないな、と思いながら、ユーリは窓から飛び込んで来る階下の喧騒に知らず笑みを零していた。



ーーーーー
終わり
▼追記

カミングアウト!!〜触手編(裏)〜(※リクエスト)

8/6 00:58拍手コメントよりリクエスト。
タイトルのまんまです。
ユーリが触手にアレなお話で裏ですので閲覧にはご注意下さい。





新種の植物が異常繁殖している、という話だった。

しかも、旅人がその植物に襲われる被害が相次いでいるらしい。

昼なお暗いその森の中で、今まさにユーリはその『植物』と対峙している最中だった。

「くっそ……!!」

四方から襲い来る蔦の攻撃を何度凌ぎ、切り払ったか分からない。しかし薙いだそばからすぐに蔦は再生し、容赦なく鋭い先端がユーリへ振り下ろされる。既にユーリの顔や手足には細かい切り傷が幾つも刻まれ、朱い筋があちこちに走っていた。

このままでは、いずれ体力が尽きてしまう。一旦退こうと後方へ跳んだユーリだったが、それを追いかけて伸ばされた蔦に足首を捕らえられ、体勢を崩してそのまま地面に叩き付けられた。

「ぐ……っ、う…!!」

衝撃に一瞬息が詰まり、視界が揺れた。『植物』の本体に向けて身体を引きずられながらも足首に絡み付く蔦に向けて刀を振るおうとするが、その左手までも絡め取られて身体が宙へと放り上げられた。
本体より高い位置に掲げられ、見下ろした先にあるものにユーリは息を呑んだ。

毒々しい色彩の花弁と思えるものが辺りを覆っている。あまりの大きさに、地面の色が変化しているようにしか認識できていなかったが、先程まで自分が立っていた場所すら本体の一部だったのだ。
その花弁の中央にはまるで牙を生やした口のような器官があり、無数の蔦がその中で蠢くさまは既に『植物』ではない。これは間違いなく『魔物』で、自分の身体に絡み付くものは蔦ではなく『触手』と言ったほうが正しいだろう。


まずい、と思った時には既に、ユーリに向けてその口から何本もの触手が勢い良く襲い掛かっていた。








「く……ぅ、あ……!!」

全身の自由を奪われたユーリの表情が苦悶に歪む。
額にはびっしりと玉の汗を浮かべ、きつく噛み締めた奥歯は今にも砕けるのではないかという音を頭の中に響かせている。


(な…なんなんだ、コイツ…!!)


捕らえられた時は、正直なところもう駄目かもしれない、と覚悟を決めた。だがこの魔物は口らしき場所へユーリを放り込むことはなく、その触手で四肢の自由を奪って拘束し、ひたすらユーリの全身を舐め回すように弄っている。

大きく開いた胸元から、折り返された袖口から、ありとあらゆる場所から侵入しては這い回る悍ましい感触に耐えられずに思わず身を捩ると、鼻先に首を擡げた一本にユーリの目が大きく見開かれた。

滑らかに思えたその先端がぱっくりと割れ、内側から嫌に鮮やかな肉を思わせる『何か』が現れた。
どこか記憶にあるような形状の『それ』に、ユーリの唇から掠れた声が漏れた。

「な…なん……っっ!?」

僅かに開いた隙間を目掛けて一気に口内に潜り込まれ、苦しさと何とも言い難い臭気にユーリの身体がびくりと張り詰め、白い喉が限界まで反らされる。

更なる悪夢の始まりだった。





「んんンッ、んむぅっっ…ぐ、うンンッッ!!」


口内を乱暴に進入しようと動き回る触手を必死で押し返そうと伸ばした舌先に、ぴりっとした痛みが走った。何か刺さったかと思ったが、どうやらそうではないらしい。だが口いっぱいに拡がる何とも言えない味に、僅かにユーリの口元が開いた。
どうにかして、唾液を外に吐き出したかったのだ。
しかしその隙を魔物は見逃さず、ここぞとばかりに進入の勢いを増した。喉奥を突かれてユーリが激しくえづく事など構う筈もなく、あまりの苦しさに涙が溢れて止まらない。別の触手が頬に張り付き、流れる涙を吸っているのを視界の端に捉えながら、ユーリは徐々に全身から力が抜けてゆくのを感じていた。

先程舌先で感じた痛み。
あの時、何か…神経性の毒でも注入されたのか。
ただでさえ、拘束されて満足に身動き出来ないのだ。これ以上抵抗の手段を奪われては、どうなるか分からない。
だが、冷静に考えを纏める事が出来たのもそこまでだった。

「んッ……、ふぅ…ン……!」

ユーリの呻き声に、甘い響きが混じる。
徐々に力を失う全身とは逆に、身体の内側には得体の知れない感覚が増していた。
霞がかったように思考がぼやけ、今までとは質の違う吐息が溢れた。
口内の触手が動きを止める。ずるり、と音を立て、濁った唾液を纏わり付かせて引き抜かれると同時にユーリの口から上がったのは、紛れも無く快楽を得ている事を示す嬌声だった。


「ア、っやぁ……んンああぁ!!!」


身体を這い纏わる触手からは半透明な粘液が滲み出し、べちゃりと塗り付けられた場所からじわじわと甘やかな痺れが広がってますますユーリの思考を麻痺させた。

腐食作用でもあるのか、粘液の触れた箇所から衣服がボロボロと崩れていく。
触手に吊り上げられているユーリの両腕は高く上げられて背後に反らされた状態で固定され、辛うじてその肩の辺りに衣服の名残が張り付いているだけとなっていた。

「うアッッ!?あ、やああァ!!」

とても普段の彼からは想像できないような甲高い悲鳴……いや、喘ぎ声が上がった。
すっかり露にされた白い胸。そこに刻まれた朱い筋を何本もの触手がばらばらになぞり、分泌されたものがユーリの身体を汚し、流れ落ちながらてらてらと鈍く輝く跡を残していった。

薄く筋肉が張り付いた滑らかな胸板をするすると這い上がった一本が、小さな突起を見つけて動きを止める。その場所を確かめるようにゆっくりと、まるで人間が舌で舐め回すような動きで刺激され、ユーリが甘い吐息を吐き出した。
固さを増してつんと立ち上がった小さな突起に細めの触手がきゅ、と巻き付き、くにくにと愛撫するかのように動かれて、その都度ユーリは髪を振り乱して声を上げ続けた。

既に正常な思考は手放されていた。

この魔物がどういう目的でユーリの快楽を煽っているのかはともかく、ユーリは完全に抵抗する意思を失っている。
それどころか、もっと強烈な刺激が欲しくて堪らない。
無意識に揺れる腰に誘われたかのように、複数の触手が下穿きの中へと潜り込んだ。遠慮なくまさぐられ、直に触れられた時には歓喜すら覚え、堪らずに突き出した場所に絡み付く感触に打ち震えて一際高く響いた嬌声は自らの耳をさえ犯しているかのように思えていた。


「あ、あッ、あッッ!!」


白い裸身に絡み付く幾本もの触手は好き勝手に蠢き、ねちゃねちゃと音を立ててユーリを蹂躙する。

性器を縛り上げるように締め付ける動きに先端からはとろとろと雫が溢れ、またそれを音を立てて吸い上げられ、小さな孔を絶えず刺激され、押し寄せる快楽の波に最早抗う術もない。

込み上げる射精感を抑えようともせず、ユーリは自身を覆う生暖かい感触の中に思うさま熱を吐き出していた。

弛緩した肢体を好きにされながら、荒く息をつくユーリの尻をぬめつく触手が撫で付ける。僅かに身体を震わせたユーリだったが、次に味わったのは初めての感触で、まるでバネのように全身を跳ね上げていた。

尻を割り開かれ、後孔をまさぐる動きに足が引き攣る。
このような行為で『そこ』を使った事などなかった。

「いぁ、っあ、んゃああアッッ!!」

あられもない声を上げ、髪を振り乱して喘ぐ。長い髪が散り、汗と魔物の体液で濡れる胸元に張り付いている姿は酷く淫靡だ。
上気した顔は快楽と苦痛がごちゃ混ぜになって歪められ、涙と涎、魔物の触手から吐き出された粘液でどろどろに汚れている様子が卑猥で、しかし美しかった。時折赤い舌で唇の端を舐める動きは煽情的ですらあり、この姿を見た者がいればすっかり魅了されてしまったことだろう。


後孔を触手に穿たれ、有り得ない場所を突き上げられているというのに、ユーリは快楽に溺れて狂ったように声を上げ続けている。
何の遠慮も気遣いもなく侵入された最初こそ痛みを感じたが、触手から分泌されるものの作用なのかすぐにまた痺れるような快感に変わっていった。

「ひあァッ、うぁ、ッあん、やッああああ!!!」

弓なりに大きく身体をのけ反らせ、もう何度精を吐き出したか分からない。ユーリの白濁を一滴残らず吸い尽くすように、性器を包む触手が蠕動する。その動きすら次の快楽への呼び水となり、すぐにまた硬さを増して勃ち上がる。
ぼやける思考の片隅で、『オレってこんな絶倫だったっけ』などと思ったが、それも一瞬だけだった。

後ろを埋め尽くした触手は動きを止める事なくうねり、的確とも言える動きで一点を責め立てていた。







もう、どれぐらい時間が経ったのかも分からない。

声を上げ続けた喉は枯れ、掠れた呼吸音を漏らすだけとなっている。

自分は何故ここにいて、何をしているのか。

何も考えられなくなって意識を手放す直前に一瞬だけそのようなことを思ったが、あとはゆるゆると闇に向けて堕ちていくだけだった。







※※※※※※※※※※※※

「………………」

「………おい」

「……………………」

「おい!!!」

「はっっ!?な、何だいユーリっっ!!」

「何だじゃねえ!!鼻血拭け!!どういう事だコレは!?」

「どうって。前に僕がカミングアウトした妄想を実現して欲しい、っていうとても嬉しいリクエストが来たんだよ!」

「…まさか需要があるとはな…」

「何言ってるんだいユーリ、需要はいつでもあるんだよ。ただ本当に実現するにはそれなりに覚悟がいるだけなんだ」

「…覚悟って何だ」

「どこまでやったらいいんだろうとか、やっぱり引かれたらどうしようとか、そもそも文章力が追い付かなくて表現が貧弱」

「もういい黙れ」

「とりあえずリクエスト第一弾終了だね」

「…第一弾?」

「うん、何だかもう一つ妄想を実現してもらえるらしいんだ」

「………ふうん」

「次はちゃんと撲も本編に出るからね、ユーリ」

「どうでもいいわ」




ーーーーー
終わり
▼追記
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