熊ブログ

きゅるきゅる虫

みなさん、きゅるきゅる虫という虫をご存知でしょうか。
体長は1pほど。
尺取虫のような姿は銀色に輝き、歩く軌跡も銀に光る。
その動きは素早く、左右に体をくねらせて歩く様は"きゅるきゅる"以外に表現しようがない。
そんな謎の生物、きゅるきゅる虫。
残念ながら私はそのような生き物を存じないのですが、伊織ちゃんは頑なにいると言い張るのです。

「実家のキッチンにはきゅるきゅる虫が出るから気持ち悪い」
今回の発言主は伊織ちゃん。
これが響子嬢や真織ちゃんであれば「また始まったよ、、、」という顔をする我が事務局メンバーも、言い出したのが伊織ちゃんだけに全員が反応に困っているのが手に取るようにわかりました。

世の中には自分の知らない物がたくさんあるのはわかっております。
特に虫に関しては知っている虫よりも知らない虫の方が遥かに多かろうとも思います。
だが、よりによって"きゅるきゅる虫"とは、、あまりにもうさんくさいその名称は正式なものとは思えない。
カマドウマを"便所コオロギ"と呼ぶのに近いものを感じるわけです。
つまり何らかの虫の別名なのに違いない。

しかし、"きゅるきゅる虫"を知る人間は事務局に一人も存在しておりませんでした。
、、おかしい。
この手の別名というのは正式名称より知られていることが多いものなのではないだろうか。
そう決めつけてしまうのは乱暴かもしれないが、一人も知らない、、聞いたことすらない、というのはいかがなものだろう。

もしかすると伊織ちゃんの出身地での呼び名なのだろうか。
地元では皆が"きゅるきゅる虫"と呼んでいるのかもしれない。
そう思って聞いてみた結果、「家族が呼んでいるところしか聞いたことがない」とのこと。

、、いや、決めつけるにはまだ早い。
ここは一つ、ジーパン病事件の時にもお世話になった某検索サイトを当たってみよう。

検索ワード:きゅるきゅるむし
ヒット数:0

検索ワード:キュルキュルムシ
ヒット数:0

検索ワード:きゅるきゅる虫
ヒット数:0

検索ワード:キュルキュル虫
ヒット数:4

ようやく引っかかった"キュルキュル虫"の正体は、"腹の虫""エンジンルームから聞こえるキュルキュル音の正体"など、実際の虫ではないものばかり。
これは響子嬢のジーパン病に引き続き、伊織ちゃんの家族にのみ通じる呼び名と結論付けてもよいのかもしれません。

しかし、きゅるきゅる虫はジーパン病とは少し事情が異なります。
ジーパン病については響子嬢の家族が脳内で作り出した幻の病ということになったのですが、きゅるきゅる虫は伊織ちゃんも彼女の家族も実際に何度も見たことがあるそうなので、実在していることは間違いなさそうな気が致します。
しかも、伊織ちゃんの証言によると友人にきゅるきゅる虫の話をした際には不思議そうな顔をされたが、特徴を説明したところ後日「うちにも出た!」と電話がかかってき、「あれはきゅるきゅる虫としか言いようがない」と言われたとのこと。

"きゅるきゅる虫としか言いようのない虫"とはいったいどんな虫なのだ?
その虫には正式名称があるはずだ。
それがわかれば我々も納得できるのだろうか。
真相解明に向けて、我々のヒアリングが開始されました。
その結果導き出された特徴が上記のようなもの。

体長1cm程度、動きが素早く、色は銀色で歩いた跡も銀色の粉のような物が光っている。

これは、、紙魚(しみ)じゃないのか?
大きさといい色といいピッタリだ。
動きも素早いし銀色の跡が残る。
しかし、ネットで紙魚の写真を捜して伊織ちゃんに見せたところ、「すごくよく似てるんですけど足はなかったような、、、」と自信なさげに否定されてしまった。

足がなくてもそんなに素早く動けるものなのだろうか?
動きが素早いせいで足を視認できていないだけではないのか?
それとも私が知らないだけで、他にそういう虫が存在しているのだろうか。
心当たりのある方はぜひご一報いただけるとありがたい。