みんなで繋げていこう!リレー小説編。
今回は、我々タラクカタル事務局をお題にしたリレー小説です。
ユーザーさんが我々のことをどう思っているのかが垣間見え、毎回投稿が楽しみでした!
では!スタート!!!



第一話
(こげ・26才・男性)
―1番ホームに列車が参ります。白線の内側まで下がってお待ちください―

4月俺はとうとう社会に出る。
泣きたくなるほどの就職活動の末、やっと掴んだ一筋の光。

―降り口を広く空け、降りる方が済んでからお乗りください―

いま俺は、厳しくも明るい未来へ、大人としての第一歩を踏み出す!
きっと俺と同じように、緊張してるやつが周りのもいるんだろうなぁ。

みんなぁ、共にがんばろうぜ!

…って、なに1人で興奮してるんだ、俺は。

それにしても、今日からお世話になるトコの試験は他のと違ってたなぁ。
奇妙な絵を見せられて「アナタこれ、何に見える?」とか…。
「1〜43の数字から6つ選ぶとして、アナタならどうやって選ぶ?」とか…。
うーん、なんで俺がうかったんだろう。

―次はO通り、降り口は左側です―

うわっ、みんな一斉に歩き出した!
もみくちゃだけど、今なまら社会人してるぜっ。

…またやっちまった。
えーっと、たしかこのビルの9階で間違いない。
緊張するけど、ここは新人らしく元気にいかなくちゃな!

―ガチャ

「本日からこちら、タラクカタル事務局でお世話になります『タカシ』です!」





 
第二話
(久保田千秋・25才・男性)
あれ…?
事務局内はとても賑やかで誰も俺に気付いてないみたいだ。
事務局内を少し見渡してみた。
すると驚いたことに事務局の人はほとんどが女性だった。
慌てて男性の姿を探してみると…、ああいたいた二人ばかり。
一人は背が高いガッチリした体格の人。
もう一人は俺の前任者にあたる人だろうか。
自分の机を整理している少し気が弱そうな人。
ホッとしたのもつかの間、二人共やけに肩身狭そうにしているのが気になった。
やはり女性が多いところにいるとそうなってしまうものなのか。
明日の我が身を案じる心境になりながらも俺はもう一度声を出した。

「あの〜…」

すると中の一人が俺に気付いて颯爽と近付いて声を掛けてきた。

「今日からウチで働いてもらうタカシ君でしょ?蓮見よ。よろしくね。」

どうやらこの人が俺の上司になるみたいだ。
歩く様といい、口調といい、なんかカッコイイ。

「じゃ、キミの席まで案内するわ。ついてらっしゃい。」

こんなカッコイイ上司の下で働けるなんて、俺ラッキー?と思いながら蓮見さんの後をついていった。
ふと、前を歩く蓮見さんの髪留めを見て俺は驚愕のあまり声を上げてしまった。

「く、くりっぷ?!」




 
第三話
(津軽りんご・28才・女性)
我が目を疑った俺は、思い切り目をこすってもう一度見直してみた。

「…やっぱりクリップだ。」

何度見直してみてもそれは髪留めではなくただの事務用クリップだった。
だけど女性がそんなものを頭に差したりするだろうか。
そうだ、もしかするとたまたま髪の毛についてしまったのかもしれないじゃないか。
だったら早く教えてあげなくては。

「蓮見さん、頭にクリップついてますよ?」
「そうなのよ、最近髪の毛が伸びてきて邪魔なのよね。」

ってやっぱり髪留め代わりに使ってんのか!?
かっこいいと思った蓮見さんのイメージがガラガラと崩れていく音が頭の片隅で聞こえた。
俺達の会話は周りの人にも聞こえてるはずなのに、周囲はみんな無関心。
俺、この職場でうまくやっていけるのかな…なんかすごく不安だ!