話題:最近読んだ本



11月12月で5回南座に観に行き、来月は歌舞伎座に足を運ぶくらいには最近キてるコンテンツ、歌舞伎。

(シネマ歌舞伎を除くと)歌舞伎観劇数いまだ一ケタなのもあり、雑誌「演劇界」を読むだけじゃなく、いろんな視点で歌舞伎のことを知りたいなと思い手にとった本。
読了自体は年末にしてたんですけど、テスト勉強やなんやで色々あって感想文寝かせてる間に海老蔵が團十郎襲名してびっくりですわ。


以下感想

好みか好みじゃないかでいうたら全然好みじゃない。お値段842円でヨカッタネ。1000円超えてたらテンションだだ下がりだったわ。

理由1. 注釈がない
最初に「私自身の実体験に基いて書いた」とありるし、裏表紙にも「ドキュメンタリー的入門書」とあるにはある。
けどさー、座席数とか昔の仕切りとか、松竹がどうとか、せめて参考文献なりなんなり書いてもよくない? 一冊もないってちょっと独りよがりじゃない?
理由2. 何かっちゃ失礼
歌舞伎のライバルは能や狂言、文楽ではなく(中略)ミュージカルと同じくらい面白い、ということです(p.16)
アイドルたちに協会はなさそうです(p.13)
興行のチケットはまだまだ闇の部分がある(p.47)
(宝塚を例にあげて)登場人物は日本人以外だし、(中略)男性の役も女性が演じるのですから、特徴だけをあげていったら、かなり「変なもの」(p.96)
宝塚のほうが歌舞伎を真似したというか(中略)歌舞伎は400年以上の歴史がありますが、宝塚の歴史は100年です(p.119)

いくつか抜粋させていただきましたけど、いずれも歌舞伎アゲ他サゲが鼻につく。書く必要ある?????

理由3. 対象とされている人物像がよくわからない

ちくまプリマー新書なので、おおよそターゲットは中高生〜20代くらいかと思うんですけど、謎の富司純子推し。(p.122,136,137) 知らんがな。写真出してくれるならまだしも。
一応、冒頭で「まだ一度も歌舞伎を見たことのない人のためにこの本は書かれるのですが、そういうあなたが一番知りたいのは、「歌舞伎のチケットはどうやって買うのか」でしょう」
「これから歌舞伎を見ようという人、あるいは数回しか見ていないけどこれからもっと見たいと思っている人を、一応、読者として想定していますが」
とあるけど、今の若い人なんか特にチケットなんかケータイで調べてすぐ買えると思うしそれでなくてもツイッターかなんかで調べられると思うので、そもそも最初から肌が合わんかったような気はする。

理由4. 事実と所感がはっきり分かれてない
これは上記1,2とも少しかぶりますけど、ドキュメンタリーないしエッセイならそれらしく、入門書なら入門書らしく書いてほしい。「多いようです/〇〇だそうです」みたいなこと書かないでほしい。


他にもいっぱい「なんなん……」と思ったところはあるんですけど、さすがに全部が全部既知のことではなくて、初めて知ったこともあったので、それについてはきちんと記しておく。

・歌舞伎役者はみな日俳協に所属している
・歌舞伎座,南座,松竹座をはじめとする劇場がそれぞれ何月に上演を行うか
・若手の自主公演の意味
・海老蔵の破格さ
・花形,幹部,大幹部
・十二代目團十郎と十八代目勘三郎の死去のもたらした松竹への打撃
・幹部の名前(〇〇郎、〇〇衛門)



まとめ
・そもそも、私の好みの文体ではなく読みづらい
・歌舞伎アゲ、東京アゲが気にならない方なら読んでも問題ないと思う。(私は能も文楽もすきだし宝塚もいってみたい関西勢なので「あ?」と思うことがおおかったです)
・海老蔵の歌舞伎はいっぺん生でみたくなる
・役者の格や各々のしがらみについてはpenとか演劇界では書けなさそうだなと思った
・入門書とはあるけど、個人の感想の域を出るかと言われたら微妙チケットの買い方は松竹サイトみたらいいし、一回いったら後は自分で学ぶかツイッターで歌舞伎ファンか役者さんをフォローするといいのではないか
・今で言うと染五郎の『儚』、タイトル忘れたけど左團次さんの書いた本とか面白いんちゃうかなーと思う、あとはやっぱり同じファンのブログとかツイッターの感想かな……玄人はだしの人だし何いってはるか分からんこと多いけど視点の足しになるのでたまに見ると面白い

・でも基本は自分の主観!!自分が好きなものを好きっていってたらいいと思いますわ