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彷徨いて

カタチは違えど、同胞。

…………………………


熱い。

熱い。

マッタク以て、何故我が此のような事をしなければならぬ。
幾ら可愛い長の為と云えど、何故だ。

「全く、総てアヤツの所為ぞ…」
悪態を吐きながらモトナリは、灼熱の砂漠に足を踏み出す。
幾百年ぶりのヒトの躯は、モトナリにとってひたすら不快だった。

あの後、手駒共とモトナリが呼ぶ小海竜達が薬草を運んできたのだが、如何せん海に生きる海竜が生息する場所から採れる薬草の量などたかが知れていた。
それに、元よりモトチカは陸に棲む龍だ。
水に棲む竜と違い、応急処置程度しかならない。

『忘レ人の処へ行けば何ぞ手立てがあるかもな』
『…竜人か。じゃあオレが』
『良い。長は此処でコヤツを見ているといい。それに、忘レ人になぞ長を逢わせる訳にはいかぬ』

(未だ長を恐れ、憎む人間なぞに)


「逢わせて堪るか」
ポツリ、呟いてモトナリはその場に倒れこんだ。


………………………………
熱さに弱い。ちなみに忘レ人は竜人の方々。マサムネさんが昔滅ぼしかけた方々。

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