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うぇるかむ!エイリアン(未完)

どたばた。

………………………………



コイツ、今さらっと変な事言わなかったか?
『地球は初めて』とか。
え、ちょっと待て。
大体、何でチャリでこの部屋に突っ込めんだ?
だってよ?

だって。


ここ、マンションの八階だぞ!!最上階だぞ!


「テメー、何モンだァァァ!!?」
締め上げていた腕を離し、政宗は男から飛び退いた。
「うぅ…暴力反対でござる…」
けほ、と咳払いひとつしながら男は体を起こして政宗に向かい直った。
「…まずは自己紹介致しまする。某の名はユキムラ」
ユキムラ、と名乗った男は正座をし、礼をする。
そして、とんでもない驚愕の言葉を吐いた。
「某、銀河系第八セクター。通称SD017に住んでおりまする。まあ、この星からみれば宇宙人と云う事でござるなあ」


「うちゅうじん?」
鵡のように、政宗が言葉を返せば、ユキムラは笑いながら
「そうでござる。一見貴殿達、地球の者と余り変わらぬでござろう?でも立派に宇宙人でござるよ」
と云う。

ヤベェ。
コイツ、やばいヤツだ。
ちょっと頭がアレなヤツだ。
春先になると蝶々と共に出てくる、アレ的な。

政宗の警戒心はMAX。トチ狂ったキツツキの様に警鐘を鳴らしている。
取り敢えず警察か。それとも救急車か。
どちらにせよ関わらない方がいい。と政宗が考えていると。
「あの」
(自称)宇宙人が話し掛けてきた。
「出来る事なら自警団…その『けーさつ』とやらは勘弁願いたい」
「…………なっ!」
「ほんの少し、思考を読ませて頂きました。貴殿が…余りにも不審がっていたの「不審に思うに決まってんだろーがぁぁ!出てけ、気違いヤロー!」


………………………………
と、まぁこんな感じでドタバタしたりドキドキキュンキュンしたり、涙したりする話を考えていたんですが、長くなったので没。

うぇるかむ!エイリアンA

続き。

………………………………

――その時、だ。

ガタガタと小さな振動が部屋中に起こった。
「え?な、何だ?地震か!」
政宗は慌てて立ち上がり、辺りを見回す。
えっと地震の時ってどうすんだっけ。まずは火の元か?!いやいやオレの部屋にガスコンロとかねぇし!
などと政宗がパニくっている間にも、振動は激しくなる一方だ。
「うっわ!マジやべぇ!」
一刻も早く外に非難しなくては!とドアに向かった瞬間。
ガシャーン!ガラガラ、パリン、ガチャン、ドスン!
「―なっ!」
政宗の背後でとてつもない破壊音があがった。
その音に驚き振り返れば、窓ガラスがあった場所に大きな穴が開いていた。
パラパラとガラスの破片が名残惜しそうに、壁から落ちる。
「…一体何が……ああああっ!」
一体何が起こったのか、と政宗は部屋を見回して衝撃的なモノを目にしてしまう。
先週買い替えたばかりのテレビ(プラズマ)を大破させている自転車が一台。
「…………!!」
それと、今や入手困難なゲーム機本体を真っ二つに割ってる男が一人。
―――大体。
大体、なんでチャリが部屋にあんだ?その上だ!その上、見知らぬ男が何でオレのプレステをブッ壊してんだ!?
真っ二つだ。まっ……ぷたつ!オレのプレステすりぃぃぃ!!!
政宗に、底知れぬ怒りが沸き上がってくると、
「……い、痛い」
蚊の鳴くような声で男が痛みを訴えながら身を起こした。
「ぬあぁぁ!てんめぇぇぇ!オレのプレステ、どーしてくれんだぁぁぁぁ!!」
「ぐあっ!」
意識も朦朧とする男に、政宗は伸し掛かり首を締め上げる。
「今じゃ入手困難な本体だぞ!?どーしてくれんだ、アア!?それに、テレビ!折角、バイト代を貯めて買ったんだ!それを自転車で突っ込んできやがって!」
男の顔がみるみると土気色に変わる。
「もっ…申し訳な、っ!…地球は初めてでっ…ぐえっ!」
「『地球は初めて』だあ?じゃあ何か!?アンタんトコじゃ、チャリンコで窓ガラス突き破ってもいーってか!」
どうなんだ、おい!と更に締め上げる中、政宗はふと重大な事に気付く。


………………………………
上げようと思って忘れてました。

うぇるかむ!エイリアン。

相変わらず、頭悪いタイトル。


………………………………

Caution!Caution!Caution!
画面いっぱいに広がる警告文は、ケタタマシイ音と共に鳴り響いてる。
迫る弾丸の雨嵐。幾百の小型船とその奥には、隊列を統べる大戦艦。
勝てないわけじゃ――、そう思った時。

ドカ―――――ン!!

「あ〜…」
画面の中、自分が操っていた自機は宇宙の塵と化し、
そして、【GAME OVER】の文字がスクロールしてきた。
「Shit!もう少しでクリアだったのに」
そう呟くと、この部屋の主である伊達政宗はゲーム機の電源を落とす。
軽い溜息と共に、ゲームパッケージを見ながら、政宗は手元に置いておいたジュースに手を延ばした。
「チカのヤツ、よくこのゲームクリアしたよなー」
なんてぼやきながら。


………………………………
某アンソロに寄稿する予定でしたが、異常に長くなるからやめた代物。

一緒に居たいの。

一生に一度!


……………………………

丸め込む自信はあった。
口には自信があるし、何を言われても最後には首を縦に振らせる自信があった。


「で?話って何だよ」
「あぁ…う、うん…えっとねぇ…」
でも実際、目の前にしてしまうと言えないんだ。これがまた…ねぇ。
オレ様こと猿飛佐助と、目の前にいる男、伊達政宗は中学時代からの友人。
互いに楽しい事が大好きで、よく遊び回ってた。
そして、そんなうちにカラダの関係までもってしまった。若気の至りってヤツですよ。
したい時、ヤリたい時って云う、その時だけの快楽で執着もしなかったから、オレ達は今までうまくやってこれた。
中学を卒業して、高校に進んでも関係は続いた。
別に、彼女がいなかったってワケじゃない。
自慢じゃないけど、結構モテタ。それなりに女の子とも付き合った。
それでも時々、政宗とは寝ていた。
だってオトコノコだもん。
後腐れなく、ヤリタイ時もあるのヨ。
それは政宗も一緒。
そう、互いに執着するタイプじゃなかった。
……なかったんだケド。



「あのさ―…。用、ねえんなら寝てもいいかァ…?」
話があると深夜、政宗のアパートに押し掛けたのにも関わらず、何時まで経ってもオレが喋んないから、
政宗は眠そうな顔をしながら、ベッドにのそのそと移動し始めた。
「あああ!待って待って!」
そんな政宗を、オレは必死で引き止める。
「何なんだよ、オメー。言いたい事あんなら早く言えよ!」
ねみーんだよッ!と政宗はベッドに持たれ掛かりながら、オレを押し退ける。
「ちょ…ちょっと待って!…オレにも心の準備があるんだってば!」
「Ah?んだよ…。準備って、ふぁ…」
すでに眼が半目。目蓋が二重になっている。
政宗が二重になってる時は、眠いか具合が悪いときだけ。
いやいや、そんな事じゃなくって。
「えっとさ」
いつもの軽口が出てこない。知らなかった、オレ様って本番に弱いタイプだったんだねェ。
「束縛ってワケじゃないんだ。そーゆーの嫌いだし、政宗もイヤでしょ?まぁ、実際おおっぴらにするわけでもないしさ」
オレは思いついたまま、口から言葉を吐く。
「………ハ?」
「卒業したらココ引き払ってさ。場所は見つけてあるんだ。家賃とかもオレが出す」
「??…Wait…オマエ、一体何の話してんだよ…?」
政宗が訝しげに聞いてきた。
「だからさ」
そう言って政宗にオレは一枚の紙を突き付けて。



「黙ってコレにサインして!」


一世一代。一生に一度。
ある意味、世界で一番だっさいプロポーズだと思うよ。
いや、男に言うからプロポーズじゃないか。
……そんなちっさいコトは問題じゃなく。
「…婚姻届ェ?」
不機嫌極めた政宗の声が、耳に響いた。
「う、うん」
そう、オレが渡したのは婚姻届。
本当に結婚するわけじゃない。いや、出来ないんだけどさ。
法律上ムリでしょ。ねぇ?
でもさ、どーしても一緒に居たかったんだよね。
政宗とさ。
「……んで?」
「高校卒業したら……一緒に住みたいなーって」
「そんで婚姻届…?は…アッホらしい」
ふあ、と欠伸をひとつして政宗はベッドに潜り込んでしまった。
丸めた婚姻届をオレに投げ付けて。
「…だ…だって思いつかなかったんだもん…」



でも後日。
くしゃくしゃになった婚姻届が、郵送されてきた。

………………………………
本宅十万御礼サスダテ没小説。この時点で話が終わっちゃった(笑)
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