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無題。


会いに、いかなきゃ。


………………………


「ぐあぁっ!」
左翼から繰り出される風撃に幸村は弾き飛ばされた。
―――何故だ!
何故、この様な場に古代龍が…。

初めて対峙する古代龍に、幸村は恐怖を抱く。
古代龍・クシャルダオラ。
身体に風の鎧を纏う、龍。
翼から放たれる攻撃には、嵐にも似た風撃が伴う。


近付けない。逃げられない。

幸村の武器は双剣だ。近接しなければダメージを与えられない。
同じ斬撃形武器でも、太刀や大剣ならある程度距離を取ってもダメージを与えられただろうが…。

「クソ!」
幸村は意を決した。
布に包んだ双剣を取り出し、身構える。

こんな所で終わる訳にはいかない。
彼を捜しに行かなくてはならない。

聞きたい事がある。話したい事もある。
何よりも、君に会いたい。

………………………………
幸村はメインに双剣、サブでランスだといいなぁ。でも見た目勝負なら絶対太刀!

ザワメキ。

胸騒。

………………………


シゲサネの慌て振りに、厭な予感がした。

「どうしたんだよ。モトチカが…。アイツに何かあったのかよ!?」
『……。』
「シゲ!」

――口を閉ざした側近を、力付くで問いただす。

『他の竜達からの報告……。モトチカの眷属が2頭、また人間に狩られた』
「何だって…!何時!何処でだ!」
『…西の草原。砂漠の先だ』

西の草原だって?!
さっきまで、オレが居た場所じゃねぇか…!
しかも『また』だと?
マサムネの心臓が、大きく脈打つ。気持ち悪い。厭な気持ちが、渦巻く。


『その場へ…モトチカが向かったらしい』
「…な…んだ、と」


もう誰も。

誰も。


誰も失いたくないんだよ。

………………………………
【きょうそう】とお読みください。胸騒の言葉遊び。
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