18/02/18 21:44 (:読み終わった本)
  エラリー・クイーンの有名作『エジプト十字架の秘密』ミニ感想


【雑なあらすじ】
アメリカ、ウェストヴァージニアのど田舎で、爺さん二人が交通標識に磔された首無し血まみれ死体を見つけてしまう。
身元を調べてみると、地元の小さな学校の校長先生だと分かり、警察が自宅へ行ってみると扉に血文字で殴り書きされたTの字を発見された。

パパのクイーン警視にやめとけやめとけと言われつつ、推理作家兼探偵のエラリー・クイーン君は死体の状況とTの文字に、事件のあった場所にいた怪しすぎる自称太陽神のじい様のカルト宗教団体から、このTはエジプト十字という特殊な十字架が関係してるんじゃないかと言い出して…。

【登場人物】
エラリー・クイーン:表紙のクールガイをイメージしたら意外とアタマでっかち系ヤンチャ若造だった、推理作家兼探偵。
ちゃんとしっかり名探偵だけども。
晩ご飯の席でパパンの説教に不貞腐れたり、プールにテンション上がってパンイチで飛び込んだり、同乗したパパンもひっくり返るくらいオープンカーをかっ飛ばす子供っぽい所もある。

ヤードリー教授:エラリーの大学の恩師。
リンカーンっぽい見た目。エジプト学のスペシャリスト。エラリーとのウィットに富んだ会話はまるで一般人には見えないスタンド使いのバトルのよう。

クイーン警視:何でも首を突っ込むらしいエラリーにブツブツ文句を言うパパン。
ニューヨーク市警の殺人課にいる。

アンドルー・ヴァン:最初に首チョンパで磔されてた人。物腰は柔らかいが変人だったらしい。

クリング:ヴァンの首チョンパが見つかった時に行方不明になった、ヴァンの使用人。

トマス・ブラッド:二番目に首チョンパ磔にされた金持ち。絨毯を取り扱う会社を経営してた。

スティーブン・メガラ:トマスの会社の共同経営者。船に乗って旅を満喫中。

ジョナ・リンカーン:ブラッドの会社を実質動かしている兄ちゃん。

へスター:ジョナの妹。ただ今マッパ宗教にどハマり中。

テンプル医師:ブラッドの近所に住む医者。
へスターに恋して、マッパ宗教から脱出させようと四苦八苦。

リン夫妻:同じく近所に住み始めたイギリス人の夫婦。

ホルアクティ:自称太陽神。変なマッパ推奨カルト宗教の教祖様。
最初の被害者ヴァンのいた場所で布教し、二番目のブラッドの殺人の時は、ブラッド家の近所の島でマッパ宗教の信者と住み始めてブラッドから追い出されそうになってた。

ローメイン:ホルアクティの代わりに実質マッパ宗教を取り仕切ってた色男マッパターザン。

ヴェリャ・クロサック:復讐者。第1と第2の事件で目撃されて犯人じゃないかと疑われてる。



【ミニ感想】
推理小説のおすすめを調べると必ず出てくる本作。図書館にもあったんですが、添付のイラストの表紙のエラリーとエラリーのパパ警視に、今の翻訳で読んでみたかったので本屋で購入しました。

一言で言うならば…、読むのが大変だった!
現場の状況や仮説を物凄く細かく描写しまくってて、それを読むのが大変。なかなか展開が進まずにヤキモキしてしまうのです。

どうやらエラリー・クイーンの小説は、ヒントや現場の状態や関係者の行動をガッツリ描いて、読者がそれを拾って推理できるようにする親切仕様らしい。

だからか人間ドラマやキャラがやや弱めです。

事件のあとに関係者の人々がどうなったのかも描かれていないし、あんなグロい殺人をした犯人の内面があまり掘り下げてなかったのと、動機も最後にチョロッと書いてあるのみ。

私のようなトリック云々より人間関係のドロドロや犯人の心理や動機が解明されるのが好きな人は、エラリークイーンの小説はもしかしたら合わないかもしれません。

けれど、ずっと気になってたから読めて良かった。エジプト十字架と聞いて某カードゲームの死者蘇生を思い浮かぶ私はもういい年だ。

エジプト感はホルアクティという自称太陽神のお爺ちゃんが出てくる中盤過ぎくらいまでで、そこからは皆無。むしろエジプト十字架じゃなかった。あまりこれ以上は言わないけど。

エジプト味が欲しかったら、私は未見ですが、確かアガサクリスティーの小説にエジプトを舞台にしたお話があった筈です。


コレコレ。
そういやナイルに死すもエジプトが舞台っぽいのね。

次はクリスティー読もう。

あ、そういや、春に野村萬斎がポアロをやって大泉洋が相棒をする『アクロイド殺し』のドラマがやるのね。
万歳!やってくれるだけでありがたいです。
これは観たい!

もっと早くクリスティー読んでたら、仲間由紀恵主演の『そして誰もいなくなった』も野村萬斎の『オリエント急行殺人事件』も観たのになぁ。

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