読んだのは旧訳版。
面白かったから、読みやすくなったと評判の新訳も読みたくなりました。
満員電車の中、ポケットに入ってたニコチンの毒針に指を指した株式中売人のオッさんが死んでしまった。
いっしょに乗車してた関係者は皆怪しすぎるし、満員電車だから周りも疑わしい。
困り果てた検事と短気な刑事は、以前事件を解決してくれた、耳の聞こえない引退した元シェイクスピア劇の俳優ドルリーレーンに意見を聞きに行くことに。
しかし、この端正なイケオジドルリーレーン。
ダンディーな物腰と作中でも黄金の声帯といわれたバリトンボイスでシェイクスピアの台詞を引用し、犯人は最初からわかってると言いつつも、ちゃんと説明もしてくれない強烈な焦らしプレイをかますヤツだった。
あまりの焦らしっぷりに、
『コイツ本当は知らないんじゃね?』
とやきもきし、更に二人目のゲログチャ殺人が起きた為、我慢出来なくなった刑事たちは一番怪しい人物を捕まえて裁判にかけるのだが…って話。
レーンさんの焦らしプレイは長い。
なんたって中盤のほぼ真ん中のページ、全422ページ中231ページまで焦らしは続く。
そこまで読むのに真相が知りたいと苦悩し、レーンさんのイケオジぶりを想像してなんとかしのぎつつ、刑事たちの早く教えてくれよ!という気持ちにウンウンとうなづいたり。
しかし焦らしが終わり、具体的に刑事裁判の場面にきてから、彼の焦らしがようやく昇華されて強烈なカタルシスにいたります。
レーンさんすげぇ!と。
そこまでいけば後はサクサク快適に読めて楽しいです。
レーンさんの焦らしの理由もはっきり納得。
後半ではレーンさんのセクスィーシーンがあるよ!
(具体的には腰に帯をまいただけの全身マッパ。寒空の下、熊の毛皮の上で優雅に日光浴してます。刑事さんやや引き気味)
強烈な題名『Xの悲劇』の一体何がXなのかとは、ラスト数ページで明らかに。
ああそういうXなのね。
焦らしに刑事同様読みながら踊らされつつも、中盤以降から興奮して読み進められました。
面白かった。
おかげで名作だと言われる『Yの悲劇』も読みたくなりました。
うっかりツイッターでドルリーレーンと検索したら、Yの悲劇の犯人のネタバレを見ちゃったけどね…。
(´;ω;`)
先日オリエント急行殺人事件の映画の予告みようとしてコメント欄で最後にネタバレをしてるのを見た時と同じくらいショックでした。
こっちの探偵エラリー・クイーンの国シリーズもいつか挑みます。
このイラストの表紙かっこいいですね。
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