16/03/04 11:19 (:本)
  ちくま新書『美術館の裏側』を読み終わりました

知り合いの方から貸して頂いたのを読み終わりました。
読みやすくてよかった。文中に上がる絵の参照画が載ってないのでチラッと美術史の絵をザラッと眺めてから読んだ方が面白く読めると思います。

はぁ、それにしても学芸員は大変ですね…。

海外の美術館にいい絵の貸出しをお願いしたり借りる値段を交渉したり、個人コレクターや画廊から名画の流通など情報を常にアンテナ張ってなきゃいけないから社交的で外国語も出来ないとだし、劣化しないように、また絵が引き立つよう照明や壁紙の色まで気を使ったり、修復家の手回しやマイナーな画家の展覧会をいかにお客さんを呼びつけるか宣伝も考えたり…こう書いてる以外にも大量にやることがあるんだなと感動しました。

あと美術展のチケット代が地味に高いのも納得したり。
そうだよなぁ…一枚借りるのに数百万じゃなぁ…そんだけ取るのも仕方ないよなぁ…。

著者さんは私自身も何回か行ったことある三菱一号美術館の館長さん。
うん、確かにあそこって明治時代の洋館みたいなお洒落で趣味がいい素敵な建物でした。
ミュージアムショップも普通の
「とりあえず名画を印刷したグッズをストラップやファイルやお菓子の箱にしときゃいいだろ」
な感じじゃなくて、モネやルノワールやルドンなど描いた絵っぽい色をまとめた色鉛筆とか微妙にマニアックなものや海外輸入のグッズがあったりとか。

これを読んでたらまた行きたくなりましたし、去年何となく行かなかった「ヴァロットン 冷たい炎の画家」展の気合いの入った取り組みの話が面白くて、あそこまで館長さんが頑張るくらいなんだと今いきなりヴァロットンの絵が観たくなりました。
それとつい先月までやってた「プラド美術館」展も。

18世紀以前の画家は工房で制作するのが普通で、人気あった画家はあまりに注文が多くて大型の絵は、弟子とかに大部分描いてもらって最後にちょろっとサインするだけってのも珍しくなかった…ってのは知ってました。

けど、小さいサイズの絵は逆に画家本人が全部描いてるから「閉じ込められた美」と表現されてたとか。
プラド美術館展はそんな小さな素晴らしい絵が沢山きてたんですって。

あぁああああ、行けば良かったなァ!私の馬鹿!
・゚・(ノД`;)・゚・




まあ悔いても仕方ないので、とりあえず三菱一号美術館と、他の小さな町の美術館の展覧会にもう少し注意しようと決めました。
特に三菱一号美術館は館長さんのセンスを信じます。これからはあそこでなんか良く知らない画家の展覧会も食わず嫌いせず行ってみようかと。

あと最後に書かれてた
『「観たい」「観続けたい」という純粋な鑑賞欲求に立脚したところから美術鑑賞は始まる。本来、美術を鑑賞する楽しみというものは、そこにあってしかるべきなのです』
も耳に痛かったですね…。

「観続けたい」繋がりですが、今まで観に行った美術展でいつまでも観てたかった絵を自分用メモも兼ねて最後にいたします。


・ダ・ヴィンチの『受胎告知』

・オルセー美術館展のミレーの『晩鐘』
↓これ実物かなり小さな絵だけど、凄く良かったです!
遠くから鐘の響く音が幻聴で聞こえるような、見てて涙が滲んでくる透明な温もりがあるような…また観たい絵でした。



マネの白アスパラの小さい絵

・ホイッスラー展の『アナベル・リー』『白のシンフォニーNo.2 小さなホワイトガール』

・ラファエル前派展『ベアタ・ベアトリクス』

・ボストン美術館展の曽我簫白の『雲龍図』

・ウォーターハウスの『人魚』

・ポーラ美術館にあった、
ブラックの『彼方で僕が死んだなら』

あそこにあったジョアン・ミロの絵全部
マティス『ジャズ』シリーズ
レオナール藤田の猫の絵

・竹内棲鳳『斑猫』

・上村松皇の白孔雀の絵
・歌川国芳の吉原の人を全部雀に置き換えた絵

最近では「英国の夢ラファエル前派展」に出てたミレイの絵全部ですね。


話題:最近読んだ本

さて、今月はカラバッジョ展行かないと。
あと美術展のスケジュール載ってる雑誌もチェックし直そう…。

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