話題:フルーツ

商店街の八百屋に行った神田です

最近は専ら小料理屋の並びの八百屋さんで買い物をしていたので、超久しぶりだった

そのせいかな、店主の機嫌の悪いことまあ

久しぶりに寄ったのだから機嫌よく接してくれたらいいものを、こういうところがこの店主の駄目なところでね

しかも押し売りじゃないかと思うくらいの売り方をしやがった

俺にじゃなくてもう1人いたのね、お客さんが

そのお客は柿にするかリンゴにするか迷ってたんだよ

リンゴは悪くなかったが値段が高かった

柿はだいぶ前に仕入れたものらしく、色が濃くて、買って帰っても翌日には柔らかくなりそうなものだったのよね

その柿を売ってしまいたかったのだろうな、その柿は富有なのに店主は種は無いと言った

それは聞き捨てならねえと思っちゃったよね

最近の富有は種が少なくなってはいるが、けっして種無しではないのだよ

店の電話が鳴って店主が奥に引っ込んだ隙に、この柿は種がありますよとそのお客に教えてやった

そしたらそのお客は店を出て行った

その際、「ここ(この店)、やっぱり駄目ね」と言って

そうなんだよ、駄目なんだよ

お客に嘘をついたら駄目だよね

あとで「種あったわよ」と言われても、それは申し訳なかったねと言えば済むと思ってるんだろうな

俺も店を出る気でいたが、電話が終わったのか店主が戻ってきて何やら喋るから、その相手をしなくちゃならなくなった

配達が多いとか暗くなるのが早いとか

そして唐突に「シャインマスカットあるけど買っていってくんない?」と言ったと思ったら、冷蔵庫の中からそのシャインマスカットを出してきた

「昨日まで1500円で並べてたんだけど1200円でいいよ」と店主は続けた

ふざけるなと思った

1500円はかなり強気の値段だし、1200円でも高いと思ったから

そのまま直接思ったことを言ってやろうと思ったが、もうちょっとギャフンと言わせたくなったんだよね

さっきのお客に嘘をついたこともあったからね

これは山梨県産じゃなくて長野県産でしょ。しかも仕入れたのはだいぶ前。2週間はたってる。俺を騙そうったって無理だぜ?と言ってやった

すると店主、急に大人しくなった

産地を示すセロファンがついてないのに何故わかったと聞くから、黒い容器は長野だと答えてやった

店主はそうか〜と声を出し、いくらなら買ってくれるの?と弱々しく聞いてきた

1000円でも高いから、それより安くしてくれたら買うよと言うと、店主はわかったと言って最初の額の半額の750円にしてくれた

妥当な線

袋に入れながら、久しぶりに来てくれたからねと店主はにっこり微笑んだ

最初っからその態度だったら、多少高いと思いながらでも1000円くらいだったら買ってやったのに・・・と思ったよね

商売に向いてないんだよ、このおやじ

ツンデレは要らないから


この攻防をちょびっと引きつつ見ていた釣りガール

「仕入れたのが2週間前だっていうの、どうしてわかったの?」と聞くから、茎を指差して、そこの色が茶色くなってるからと答えてやった

ブドウは新しいのは茎が緑なんだよね

古くなるとその茎が茶色く変色していくのだな

車の中でシャインマスカットを口に放り込み、「粒が大きいし、おいしーい」と言って喜んでおった

まあ、一件落着

(^_^)