話題:デートのお誘い


山田では、会計時にクーポン券を出すと、使った分のところをちぎって、残りを渡してくれるんだけど、その日の可愛い店員さんは返してくれなかったのですよ

一旦店を出てから、受け取ってないやと思い、また店内に戻ってクーポン券くれって言ったのさ

そしたら、「だってもう3月は終わりですよ」って言うから、まだ数日あるだろ、よこせ!と言うと、「ホントに来るの〜?」とか言って渡してくれたけども、俺も店員さんも笑ってしまった

これが前フリね

その後、駐車場に停めたCHRカーの中で缶コーヒーを飲みながらヤツと談笑したのだが、さっきの可愛い店員さんが裏口から私服で出てきて自転車に跨がり、こぎ出した瞬間に転けたのを目撃した

すぐ近くだったので駆けつけてやった

「ううう…」と店員さんが呻くんだな

どこか痛くした?と聞くと「大丈夫」と彼女は答えたが、地面に手をついた時に手首を軽く痛めたっぽかった

CHRが自転車を起こすと「パンクしてるみたいだ」とヤツは言った

自転車のパンクは任せろよ

俺は元自転車部だ、おりゃ!と思ったけども、ちょうどその日はパンク修理道具を車に積んでいなかった

そこで自転車専門店まで自転車と彼女を連れて行くことにした

CHRカーの後部座席を畳むと広大なスペースが出現する

俺の車の中から取った毛布をそこに敷き、その上に自転車を横にして積んだ

彼女は俺の車に乗せて、2台で出発


自転車専門店は知っている店だったので、すぐに修理してくれた

その間にCHRが彼女の痛めた手首に湿布薬を貼った

パンク修理道具は持っていなかった神田であったが、手首用のサポーターは持っていたので、それを彼女の手首にハメてやりました

心配だったら整形外科に行きなさいと言うと、彼女は素直に「はい」と答えた

そこから、来た時と同じように自転車を積み、山田に戻った、と





自転車を降ろして、気をつけてお帰り、と言うと、彼女は「ありがとうございました」と言って俺たちに頭を下げた

そのあと「このサポーターどうしたらいいですか?」と言うので、貸してあげるよ、と答えると、「あっ、じゃあ、私、月水金の夕方までバイトなので、また来て下さい。その時にお返しします」と彼女は笑顔で言った

月水金か…、火曜の味噌焼肉が食いたいんだけどな…と言うと、何言ってんの?という顔をした女の子

わかったわかった、月水金ね!と言うと、彼女はニッコリと微笑んだ



と、こういうことがあったのですよ

シフトを教えてくれるってのは飲み屋の女だけじゃないんだね

今月のクーポン券を使うには来週の(月)に行かなければ!

きっと彼女もその日に俺が現れると思っているに違いない

来週の(月)がちょっとだけ楽しみな神田でした