話題:本


久しぶりに役場文庫に寄ってみた

以前、まだ読んでない本を寄付してしまうという失敗をしてからずっと行ってなかった

自分の愚かな行為をなかったことにしたい気持ちが強く、役場に行っても本が並ぶ棚は見て見ないフリをしていた

ところがこの日は暑かったので、建物の中で涼みたい欲求が強くなり、思わず本の棚を見てしまった

すると、やけに汚ない本がそこにあった

『アトランチス大陸』

アトランティスじゃなくてアトランチス

古い言い方が気に入った(笑)

塾で数学を教える時に、点dをテンデーと言う俺

これはテンディーと言ってしまうと、日本人のガキって点bとの違いがわからないのが多いのさ

早口で言うと聞き取れないのかな

だから敢えてテンデーと言ってやるって言うかさ

それと似たような感覚だったのタイトルが

それと、汚さの理由が知りたくなった

家で普通に本棚に入れて保管しておいても、これほど汚くはならないと思うのよね

この汚さの素は、煙草のヤニじゃないかなと思ったのよ

その時点で触るのも嫌になっちまったのだが、本当にヤニかどうか検証しようと思って、勇気を出して手に取って鼻に近づけてみた

すると、全く臭わなかった

あれ?じゃ何だろう、この汚れは…と、本のタイトルとは別のところに興味を持ってしまい、たまたま持っていたレジ袋の中にこの本を入れて持って帰った


帰宅してから汚れの成分を調べると、ヤニも出たけど、ほとんどがホコリだった

それと日焼け

あまり上質でない紙、つまり週刊誌と似たような質の紙が使われているからか、簡単に変色するような感じだった

手垢もあるかもな


昭和46年発行と書いてあった

昭和46年は1971年

この年は、横綱大鵬が引退したとか、マクドナルドが日本1号店を銀座に出したとか、そういう年

今から48年前に出た本だぜ

感激しちゃったよね




ちなみにバーモントカレーの『ヒデキ感激』は1973年だから、それより前に出た本だ

とてもレトロな物を手に入れて、嬉しくなっちゃった♪♪



本の内容は、何て言ったらいいのかな

アトランティス大陸そのものが未だ本当に存在したかどうかもわかってないし、色んな角度から推察しているようなんだけど、結論は曖昧にしてある

オカルト的な内容と言えばいいのかな

当時、こういうのが流行ったんだろうね

ヒデキ感激の年には、日本中を震撼させたと言われる『ノストラダムスの大予言』が出てる

戦争が終わってから約30年、あと30年足らずで20世紀が終わるという中途半端で平和な時代だったのかも知れないね


そしてこの本の定価は680円

当時のサラリーマンの月給は約6万5千円

それから考えると、結構お高い本じゃないかと思うぞよ

きっと、辞書と同じくらいの値段だったのではないかと思うのだよね

当時は今と違って、雑誌を含めた本類が娯楽の上位にいたと思うが、新品の本を買える人は、やっぱり金持ちだったと思うのさ

だからこの『アトランチス大陸』は、ある程度金持ちの人が所有していたのじゃないかと

そして、その人が生前整理した本の中の1冊なんじゃないかと思うのだ

あまりにも汚くて、古本屋が買い取らなかったんじゃないかと

それで役場文庫に置いて行った…みたいな

そこまで予想する必要は全くないのだが、こういう古い物を見つけた時は色々考えてしまう神田でした