話題:病気
先日、黒パレットの定期点検でトヨタに行った時のこと
整備マンと談笑してる時に突然若豊マンが現れた
「今日神田さんの点検の日だから来たんですけどね・・・」と、わざとらしく凹んだ様子を見せる馬鹿
久しぶりに会ったのにもっと普通に挨拶できねえのかよコイツ!と思ったけども、常に話題を自分の方に持って行きたがるお子ちゃまタイプだから、仕方なくどうしたの?と聞いてやった
すると「俺、糖尿病になっちゃった」と、またしてもわざとらしく泣きそうな面をして呟いた
見ると確かに痩せていた
ズボンがブカブカ
だが全然びっくりしなかった
この人は、病気になるとすればまずは糖尿病だと思っていたから
それについては指摘したことがあるのですよ
こういう食生活をしていたら糖尿病になるよ、とね
だから、それ見たことかと思ったよね
「こいつ、この前、動けなくなって緊急搬送されたんですよ」と整備マン
全く対処していなければそういうことにもなるわなと思いながら、じゃお大事に!と言って帰ろうとしたらだね、「えー!?そこで缶コーヒー飲もうよ」と若豊マンが俺の腕を引っ張りやがった
微糖の缶コーヒーのボタンを押した若豊マン
聞いてもないのに「(糖分を)少し減らさなきゃと思ってさ」と言っていた
この人は糖分を完全に断つということができないんだね
まあ糖尿病になる人ってのは、元々欲望を抑えることが苦手なのだな
誰しもストレスを抱えながら生きてるんだけど、そのストレスを甘い物を摂ることで解消してきた人は、病気を自覚した後でもなかなか変えられない
砂糖の量を減らせばいいと言えばその通りなのだが、いきなりブラック無糖にする勇気はないのだろう
ここでブラック無糖にしたとしても、あとでまた甘い物を食べたり飲んだりするに決まってる
甘い物が好きな人は、甘い物を口にしないと、それがまたストレスになって苦しくなるんだな
ベンチに座って二人で缶コーヒーを飲んだ
「神田さんはいつもブラックだよね。なんで平気なの?」と若豊マン
色んな理由はあるが、そこは慣れだよ、とだけ答えた
「じゃ俺もブラックにしようかな」と若豊マンは言っていたけど、この人はそれを貫くことはできないだろうと思ったので何も言わなかった
「あとさー、最近合併症のこととか色々考えてるせいか、鬱になってるかも知れないと思うんだよね」と糖尿マンはまたわざとらしく悲しげに呟いたが、それには間髪入れず、それはない!と言ってやった
「なんでそんなすぐさま否定するわけ?」と糖尿マン
俺とかあんたみたいなチャランポランな奴は鬱になりたくてもなれないんだよ。だからそういうことを考えるのは時間の無駄!と言うと、糖尿マンは「そっかー」と言って、それまでのわざとらしさを忘れたかのように大声で笑った
だけどこの人はこの先大変だよ
独り暮らしだから管理してくれる人もいないし、お医者からリスクの説明を受けた筈なんだけど、それは脅しだと思いたいと言うか、自分のことは自分にしかわからないと思ってるところがあるから、このままだと必ず合併症が出てくる
そこまで予想できたが、あとは何も言わなかった
病気の人には明るく接することが一番だから
じゃそろそろ帰るわと言って立ち上がると、「また寿司食いに行こうよ。今度はおごるから」と糖尿マンは言った
俺は、うん!と言って車に乗って帰りましたとさ
だがこの男の口から寿司の話が出るとは意外だった
マグロづくしの思い出が蘇ったじゃないか
絶対行かないと思った神田でした