話題:気持ち悪い


糞爺はやっぱりしぶとくて、なかなかあの世に行ってくれない

奥さんは今のところ順調だけど、亭主が傍にいないことをたまに思い出すのかな、不安になってしまう時があるみたい

実際に世話をしてなくても、この二人のことは常に頭の中にある

だから、時間が空いた時はなるべく楽しいことを考えたい訳ですよ

俺にとって楽しいことの1つに車の情報を得ることがある

買う買わないは別として、新車が出たらどういう車なのかネットで調べるんだな

先日、サインをする用事でトヨタに行った時も、待っている間に調べた

スズキのジムニーの新車が出たからね

20年振りの全面改良なんて凄いななんて思っていたら、アイスコーヒーを持って若豊マンが現れた

「何を見てるの?」と聞くから、素直にジムニーと答えたのだけどね、ここから彼はおかしなことを言い始めた

「神田さんには(ジムニーの)運転席は狭いんじゃないですか?」とね

そうね、狭いかもね、と返事をしたが、今乗ってるハイゼットカーゴより狭い車は無いと思っているので、ジムニーはそれほど狭くは感じないだろう

「今注文しても年内納車は無理でしょう」とまた彼はネガティブな言葉を発した

興味があるだけだからと言って、もうこの話題はおしまいにしたかったのだが、若豊マンは続けた

「ジムニーって車は燃費かなり悪いですよ。値段も高いし」と

燃費なんて気にしちゃいない、値段が高けりゃ金を貯めるだけさ、と言い返してやろうと思ったが、何を言っても俺が嬉しくなるような言葉はこいつの口からは出ないような気がして、何も言わなかった


若豊マンにとって、他社の車は全て敵なのだ

トヨタ車の中でも、扱っていない車種は敵

それでも中古で入ってくる場合があるから、それほど敵視はしてないけど、良い所をホメることはない

客が他社の車に興味を持つのは自由だと思うのだが、それさえ許さない、許したくないという雰囲気を醸し出す

こういうところ、営業が下手だなと思ったり…




帰り際、これまでの自分の発言を悔いたのか、「この道真っ直ぐ行った左側にスズキの店がありますよ」と教えてくれた

じゃ寄ってみようかなと返すと、彼は俺の腕を引っ張った

「行かないでしょ?行っても買わないで下さいよ」と訳のわからないことを言った

「ジムニーどうしても欲しかったら、前の型だったら用意しますから!」も付け加えた


必死の形相だった

こういうのもツンデレっていうのかな

突っぱねたり、すり寄ったり

自分の客が他社の車を買うのが嫌なのはわかるが、自分がこういう発言をしたら逆効果だということがわからないみたい

勝手に仲がいいと思ってるのかな

こういう男は疲れる

気持ち悪いと言ってもいいかも知れない

楽しいことを考えたかったのに気分が悪くなった神田でした