話題:チョコレート


女が喜びそうなチョコレートを手に入れた神田ですブフフ

食材の買い出しをあらかた終えて、冷えた麦茶でも飲もうとお菓子屋さんに行ったら、レジスターの横に薄っぺらい物が積んであったもんで、何だコレと思わず呟いてしまった

そしたら奥から出てきたおばちゃんが、「安かったから仕入れてみたのよ」と言う

その薄い板状の物をよく見るとリンドールと書いてあった

あっ、これはもしかして、前に買ったリンツだ!と、割とすぐ思い出せた

商品名は『リンドール・エクストラビターシングルス』

エクストラビターってのは苦めの味だってことよね?

それだったら俺も食えるかなと思って、前回と同様、全て購入した

全部で18枚

それでも1枚百円ちょっとだった

本当はもっと高いと思うのだけど、この店は市場の見切り品 を仕入れるのが得意なんだな

見切り品てのは、箱が破れてたり賞味期限が迫ってたりする商品のことで、本来の価格よりかなり安くなる

このチョコレートは賞味期限が来月末だった

賞味期限なんて全然気にならないが、もし人にあげる場合は期限内のものに限るよね

買って袋に入れてもらってる間に、誰にいつあげようか考えた

あまりギリギリではちょいと体裁が悪いから、来月の初旬を目処に自分の休みの予定を思い浮かべたのだが、すぐに、あまり自由に動ける日が無いことに気づいてしまった

ということは、妹を喜ばせるだけの物となる

それでもまあいいかと思って持って帰った





帰宅すると、御曹司ママとその娘が来ていた

夕飯を一緒に食べた後、満を持してこのチョコレートを出してみた

大して驚きはしなかったな

まあ金持ちだからな、こういった物は日常にゴロゴロと転がってるのだろうよ

それでもその場で食べたけど、普段俺達庶民の口に入るようなチョコレートとは一線を画す味だった

何て言えばいいのかな、苦味の中の上品な甘さって言うんですかね、口溶けの良さも相まって…てな感じ

残りは冷蔵庫に入れた

舌の上で割とすぐ溶けたから用心のためにね


御曹司母娘が帰る時3つ4つ持たせたんだけど、「あら、いいの?」なんてママが言ってたから、金持ちの肥えた舌にも好評だったのだろう

あげられるフルーツが乏しかったので、このチョコレートがあってよかったと思った神田でした





【次回予告】

御曹司家の未来について

俺が関わる話

重い

(-.-;)