話題:私の車


買ってからまだ百数十キロしか乗ってない自分の車、ハイゼットカーゴ

乗り込む時に必ずと言っていいほど足をぶつけるけども、それも含めて気に入っている

荷物を運ぶことを得意とする車だからね、乗員のことはあまり考えられていないのだよね

普通の車にある、普通の快適性というものは持ち合わせていないのだが、それでも「おおっ」と言わせる装備もあるんだよ

それがこの『逆さティッシュ』と勝手に呼んでいる機能

前席の頭上に棚があり、その中央に細長い穴が開いてるんだ

棚にティッシュの箱を逆さに置いて、その穴からティッシュを引っ張り出せるという優れもの

しかもティッシュ箱が左右にずれないように、箱のサイズに合うように棚の底面が段になってる

最初にティッシュ箱をセットした時には、感激して涙がちょちょ切れそうになった

だって、普通の車にはティッシュ箱を置く所が無いじゃない?

1人で乗る時は助手席に置くけど、助手席に人を乗せた時はティッシュ箱を後部座席に投げるようじゃない?

だけどハイゼットカーゴは何人乗ろうが関係なくティッシュが取れるんだよ

これを知っちゃうと、もう普通の車には戻れない

信号待ちで鼻をかむ時に、ティッシュ箱に目をやる必要がないんだから

これには寅吉も感心してくれた

新しいこと以外ホメる部分がほとんど無い車だから、良い所を見つけてくれたのだろう

だが妹は嫌そうな顔をした

ティッシュが垂れ下がってる様を指差し、ナイアガラの滝みたいだろ?と言うと、妹は首を縦に振らないばかりか怪訝そうな表情を崩さなかった

ティッシュを引っ張り出す時に途中で破れたのを見た時はプッと吹き出しやがった

部屋にあるティッシュでも途中でちょん切れることくらいある

どうも女にはわからないみたいだな、この魅力は