話題:アイス


随分と蒸し暑い日

もうすぐ家に着くという頃に、「アイス買ってきて!」と妹から電話が掛かってきた

コンビニは過ぎた!と返答したにもかかわらず、「だって冷凍庫に無いよ、もう」と食い下がる豚

最後の『もう』に、アイスが無くちゃ生きて行かれないという怒りが込められていたように感じたので、仕方なくコンビニがある道に戻った



妹が言うアイスはハーゲンダッツなのよ

実際はハーゲンダッツではなくても、そういう高級なアイスクリームを指すのだな

味の好みもあるのだろうとは思うが、細かい名称を言ったところで兄は覚えられないので、妹としてはハーゲンダッツであれば何でもいい&許す、というスタンスなのだ

こちらもハーゲンダッツであれば、買いやすいってのがあるわね

この季節に限らず、年に数回は買わされるため、全く知らない商品ではないのだな

カップのサイズやデザインとかは大体覚えてるし

それで、ミニカップを3個買った

家族3人で1個ずつ食えばいいだろうと思って

そんでもって家に帰りましたとさ




だが、玄関のドアを開けた瞬間、ハーゲンダッツはもう俺の口には入らないことがわかってしまった

B子とB子姉の靴があったから

この2人と妹とで、買ってきたハーゲンダッツは消費される

それでもしょうがないと思った

ちょびっと残念な気持ちはあったけどね


俺はすぐに状況変化について行けると言うか、すぐに諦められるタイプなんだけど、たっぷりと残念な気持ちになった人がいた

それはオヤジ

「ワシのは無いのか…」という悲しい気持ちを口には出さなかったが、俺が買ってきたハーゲンダッツに関して妹が「どれにする?」とB子とB子姉に問うてる様子を目で追っていたオヤジ

まずい…と思った俺は、持っていたバッグを、小学生がランドセルをその辺にぶん投げるように乱暴に置き、急いで自室に駆け上がった

自室の研究素材を入れてある冷凍庫の中に、去年のだったか一昨年だったか忘れたが、確かガリガリ君があったなと思って、それを探した





ガリガリ君ソーダ味が2本見つかった

そう言えば去年だったかな、このソーダのことをサイダーと書いた記憶がある

今頃になって訂正させていただきますなんだけどさ、それはまあいいとして、どんなことでもオヤジをガッカリさせたくないんだよ

ガッカリするってのは落胆するってことでしょ?

人生には、落胆する時ってのは多々あるわね

オヤジはその落胆と戦って、最終的に疲れて病気になったからね、アイスごときに大袈裟に考える必要は無いかも知れないのだけど、俺としてはオヤジをできるだけ落胆させないように努めてるんだな

妹も、客人が居るから何個買ってきてと詳しく言えばいいのだが、そういう事にあまり注意を払わないんだな

俺にアイスを注文すれば、家族の人数分かそれ以上買ってくるに違いないと思ってるフシがある



豚共がニコニコしながらハーゲンダッツの蓋に手を掛けるのとほぼ同時くらいに、オヤジの目の前にガリガリ君を差し出すことができた


こういうジメジメとした蒸し暑い日は氷菓が一番!と言いながら包装を破いてやった

ここでオヤジの表情が明るくなった

ガリガリ君のおかげ♪




その後、台所の冷凍庫を見てみたら、小豆バーが見つかった

妹に「小豆バーあるじゃん」と言うと、「それはアイスじゃないから」と返事が来た

まあ、こいつは歯があまり強くないから、小豆バーはあっても無いのと同じなのだね

風呂上がりに、その小豆バーに噛みついて、涼をとった神田でした





今年も結構暑いから、今後はファミリーパックを買っておいた方が良さそうだね

ガリガリ君のファミリーパックもあるみたいなので、近々買いに行こうと思います



(^O^)