話題:ちゅう、ちゅー


今週は旗日が多いからデート回数も増えてしまう神田です

付き合い始めって、一緒にいる時間が取れると二人の仲が急速に進展しちゃうよね

毎回送って行くんだけど、バイバイする時にはチューしなくちゃならないような雰囲気になる

付き合うことになった日の別れ際も、普通だったらチューしてもいいところなんだよね

でも言わなきゃならないことがあったもんだから、その日は回避した

で、翌日も会うことになり…




帰り、いつもの公園の横だと静か過ぎると思ったので、公園より手前の街道沿いにあるコンビニの駐車場に車を停めた

話す内容が内容なだけに、少し騒々しい場所だと深刻にならないような気がしたんだよね

熱いコンビニコーヒーを買って戻って、助手席で待っていた女にカップを渡した

ラジオの音量を下げ、一発深呼吸をしてから、話しておかなくちゃならないことがあるんだ、と唐突に言ってみた

「ん?何?」とこっちを向かずに返す女

手の中のカップが熱くて持ちにくそうだった

蓋を開けようとするのだが、カップが熱くてうまくいかないようだった

開けようか?と言うと「大丈夫」と答える

でもなかなか開けられない女

「あちあち、あち…、あち」と小さく声を出す女

猫手?と聞くと、「何?猫手って」と忙しい時に意味のわからない言葉を発するなよボケ!と言いたげな顔をする女

猫舌じゃなくて猫手、と言うと、「あーなるほど。でもいつもはこうじゃないんだよ?爪がうまく引っ掛からないの!」と、不機嫌ではないが、もうちょっと面白いこと言いなよってな雰囲気を醸し出す女

この女、『天然』なんだよね

俺の話よりコーヒーの蓋の方が大事なんだよ

それをいかにうまく開けるかに集中したいのに、横に邪魔する奴がいるって気分だったのじゃないかな

実は、バツイチなんだ、と言ってみた

女は「バツイチ」と反復した

その後も「バツイチ、バツイチ…」と何度も言いながら蓋と格闘しておったよ(^^;)




その後、いつもの公園の横

コーヒーの蓋は無事に開き、中身も半分ほど飲んで満足したのか、「今日はありがと」と言った後、女は顔を近づけてきた

そこで初めてのチュー

唇同士が軽く触れるくらいのライトチュー

ニッコリ微笑んだあと、「また明日」と言って女は降りて行った


メールが来るかと思っていたのだが来なかった

後日また言わなくちゃならない

次は他のことに気を取られてない時に

それでも天然は嫌いじゃない神田でした