2016-4-9 18:35
これまで何度か舞台に出て、いろんな役をやらせていただいたのですが
私、たいていの役のことは忘れてしまう。
役者を始めた7年前は昔過ぎて覚えてなくて(笑)、2年くらいブランクがあって役者に対する取り組みが変わったあとは、完全に役として舞台で生きてたから自分としては記憶が曖昧。
どの舞台で、どんな役を演じて、だいたいどういうことを思ったくらいは覚えているけど、
いかんせん、自分じゃないので。自分なんだけど、その時は役として生きてるから、よく思い出せないんだよな。
最近の舞台も結構覚えてない。
そんななかで、唯一気持ちも何もかも鮮明に思い出せる役がある。
役者始めて2年くらい経ったあと、ぴたっと役者やれなくなって2年くらいブランク空いた直後の舞台。
その舞台は私の人生を2度変えた舞台。
1度目は初演を観た時。こんな面白い芝居の世界がある!こんな面白い役者がいる!って物凄い衝撃を受けて、当時声優になりたいと思っていた私は、完全に舞台役者に引き込まれた。
内容も、苦しくて辛くて、笑いもあって、誰かが必死で生きる姿がかっこよくて。
特に好きな女の子の役がいた。明るくてしっかり者、なのに運命の悪戯でどんどん不幸になってく。自分を殺そうと諦める。けど心の片隅にかすかにあった希望でまた生きていく。役者さんの演技もすごくて、とにかく好きになった。
初演を観て約4年後、再再演のときご縁があってその舞台に出演した。
一番好きなその女の子の役になった。
今も下手っぴだけど当時はもっともっとド下手で、後輩もいっぱいいたけどボロボロで、結構期待されてないポジションにいたと思う(1番期待されてなかったとは思わないけれど)
けど、私はもう嬉しくて。
この世で一番好きな役。2年ぶりに芝居ができる嬉しさ。
(役者やりたくてわざわざ東京きたのに、2年できないっていうのは結構堪えてた(笑))
それはそれはめちゃめちゃ情熱込めてやった。
割と評価してくれる人もでてきた。
そのときトリプルキャスト、3チームでやっていて、千秋楽は選抜キャスト公演だった。
共演者で投票して、各役でいちばんいい人が選抜を務めるというもの。
私と同じ役の役者さん2人は今も劇団に所属してて当時も私と結構圧倒的な差があった。上手かったし心にも響くなって。
けど負けたくなくて。最後まで一番下手だったけど、他のもので光ってみせるって。
結果選抜にはなれなかったけど、私達の役だけ3人めっちゃ僅差で、ちょっと嬉しかった。
その役のとき、私はそれまでのなんとなくやっていた演技ではなく、今の完全に役として生きるでもなく、
私と役が混じり合って生きてたって感覚を覚えてる。
私の中にあるものと役の人生が混ざって、きっと2人分の力になっていた。
だから忘れない。
私はその役のようになりたくて今日も生きているくらい
来週本番を迎える舞台も、その時の感覚まさにそのもの。
混ぜて混ぜて役と一緒に歩んできた。
もしかしたら演出の求めるものと少し違うところもあるかもしれない。
けど、多分今回の役は「自分」を出したほうが上手くいくような気がしていて、今は確信に変わってる。
私は、私だから。
私だからできる役をやる。そういう姿を見てほしいなって、素直に思いました。
自信でてきた。
来週本番なのに、全然自信なくて、全然宣伝しなくて…
共演者にとってはすごい迷惑だよな…
けど今なら全身全霊見てほしいって思う。
他の出演者や脚本すごくよくて見て欲しかったのに、自分だけよくなくて宣伝できなくてほんと最悪だった。でも、もう違う。