話題:死
さっき家に電話かかった
けど、私は疲れはてて、おとんは寝てて、おかんが出ようとしても動作が遅いから間に合わずに切れた
その一時間後、また電話かかった
おとんは寝床でおかんの寝巻きを着替えさせてたから、私が出た
神宮の○○やけど、○○さんおる?
って慌てたような男の人の声がした
神宮の○○さん、お婆ちゃんなら、いつもおとんが話聞いたり取れた野菜を届けたりして、世話してた人や
お父さんですか?
と、おとんに代わった
そのお婆ちゃんが亡くなって東京にいた息子さんが帰ってきて、ずっと世話になったおとんに亡くなったことを電話したんやった
おとんが商店兼仕出しの従業員のときに届け物してたときのお得意さんで
そっからおとんが仕出し屋を定年で辞めてからも世話をしてた
おかんがずっとそのことを毛嫌いしてたよね
そのお婆ちゃんは息子さんが東京に行っとるからひとりぐらしで、本来はひとりで暮らせることがきついくらい弱っていた
それでもおとんが野菜を届けるたびにお土産くれて
電話かけてくるたび一方的に話して切っていた
私が電話に出て話を聞いたら、お嬢ちゃんへとチラシの裏に書いてチョコパイくれた
こないだも○○さんへとカップラーメンくれたばっかで
今日もおとんは野菜を届けたときに、○○さんへといつものようにお土産を入れた袋があったから持って帰ったとこやった
起き上がるのも大変やと聞いてた
もう90過ぎてたからいつどないなるかわからん状態なん聞いてたけど
やっぱみんな死ぬんやな
死なん人はおらんねや
死は平等に訪れる
しっかりした字やったのに
人当たりだけはええおとん
家族に接するときと全然印象ちゃうに
でもそのお婆ちゃんはおとんと話ができてうれしかったんやと思う
その気持ちを家族に持っていけんけどね