▼桃ちゃんおめでとう!






桃ちゃんお誕生日おめでとう!
間に合ってよかった……
ということで黒桃ちゃんのお話です。

夢サイトなのでリアタイにこっそりあげようとしたら、文字数制限が足りませんでしたorz
そのためこちらでのアップです。

大丈夫な方はスクロールをお願いします。
(追記でも文字数足りなかった……)
















 *・・*・・*



連休中とは言え、日が沈み東の空から次第に藍色に染まる時刻にはこの小さな公園で駆け回る子供の声は聞こえなかった。


「テツくんどうしたのかな?」


ブランコに腰掛けて足元に転がっていた小石を蹴りながら桃井はぽつりと呟きを落とす。

今朝、珍しいことに黒子から部活後に会えないかとメールが入っていた。
もちろん二つ返事で承諾したのだが、部活では青峰がサボっていることに気付かず、今吉から連絡するように言われたかと思えば電話帳に並んでいる赤司に間違ってかけてしまったり、名誉挽回と意気込み作ったドリンクは不評に終わったり、と散々なものだった。

湧き上がる歓喜はその失敗により多少の落ち着きを残し現在にいたる。


「桃井さん」


背後から聞こえた声に桃井はびくりと肩を揺らす。
耳に聞こえた声が誰のものか頭が認識すれば、さっきまでの落ち着きはどこへ行ったのか。
頬に集まる熱に内心叱咤しつつ、いつものように名前を呼びながら振り返った。


「テツくん!」

「待たせてしまいましたか?」

「ううん、今来たばかりだから大丈夫だよ」


実際大して待っていたわけでもなく、肩を上下させ急いで来た様子を見ればむしろ愛しさが込み上げて桃井は今すぐにでも抱きつきたい衝動に駆られたが黒子が両腕で包むように抱えるそれに首を傾げる。


「とりあえず座りませんか?」

「うん」


一人分ほどの距離を開けてベンチに腰を下ろす。
桃井はやはり気になるようで横目で黒子の抱えるものを盗み見る。

ベージュピンクのおそらく土器。
コップのような形で上部は小さくも青々とした葉で埋め尽くされている。
植木鉢のようだが黒子が手にしている理由も分からず結局首を傾げてみせる桃井に黒子がくすりと笑みを浮かべた。


「気になりますか?」

「え、っと……うん」

「どうぞ」


黒子の手によって手元にきたそれを見るがやはりそれは植木鉢のようだ。
目線まで持ち上げて何の花なのだろうと改めて眺めると葉の隙間から色味の違うものが見え、よく見るために葉を指で掻き分けた。


「これ……苺?」


小さく赤いそれは間違いなく苺であった。
だが、それだけではなく同じように葉に隠れるように折り畳まれた紙があることに気付いてそれをつまみ出す。

説明か何かだろうか、と思いつつそれを開いた桃井は書かれていた文字を理解すると同時に目を見張った。


「桃井さん、お誕生日おめでとうございます」


まさに書かれていた言葉をそのままに笑顔を向ける黒子。
紙から黒子へと誘導された顔は呆然とし、すぐに真っ赤に染め小さな奇声を放った。





この出会いに感謝を、
(どうして苺なの?)
(桃井さんの誕生花なんです)
(流石テツくん!博識だね!)
(いえ、花言葉が桃井さんのようだと思……何でもありません)
(……?)


5/4 誕生花*苺
意味*尊重と愛情、誘惑、甘い香り









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