09/09/06 21:47
思い出は儚くも永遠。
話題:泣ける話

泣けるか話かどうか分かりませんが、私の過去にあったお話。



小さい頃、私は隣の家のコリーに(名はシェリー)会いに毎日通っていました。

夕方のお散歩についていったり、親に呼ばれるまで遊んだり。ボールを投げたり、走ったり、たくさんたくさん遊びました。
シェリーの世話役のおじさんとも遊びました。花梨の木に実がなればくれたし、よく話もしてくれました。


おじさんとシェリーが、本当に、本当に大好きでした。



小学校高学年になり遊びに行けなくなっても、シェリーは寄ってきてくれました。
おじさんも温かく挨拶をくれました。

けれど中学高校となれば滅多に行けず、会えなくなりました。




そのまま、数年が経ちました。


その家に忌中の札が…。




突然の、おじさんの死でした。



大好きで大好きで、一番お世話になった人の、若すぎる死でした。

意気消沈してその家を出たとき、



ワンッ!!



一鳴き、シェリーの声がしました。

あっ…と振り向きました。
元気だったんだ!久しぶりに会いたいな。
そう思ったのと、おばさんがまた玄関に出てきたのは同時でした。
どうしたのだろうと走って寄れば、言い忘れたことがあるそうで…、
何だろう。と思いました。
そして話が終わったらシェリーに会わせてもらおうと思っていました。けれど、


"シェリーね、死んじゃったの"


もう、シェリーには会えませんでした。


"あの人が死んでから一ヶ月後にね…"


後を追うように、老犬だったシェリーは静かに亡くなったと、おばさんは言っていました。



最初は気のせいだったんだと思いました。
けど多分シェリーは、私に会いにきてくれたんだと今は思います。



最後は全然遊びに行けなくて、私のことは忘れただろうと思ってたけど、
ちゃんと覚えててくれてたんだ…。

最後に会いに来てくれて、声聞かせてくれてありがとう。


今でも、ずっと大好きだよ。







おわり。




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