まさかの一年以上ぶりの更新とか…!!
BGSB勝手にやってみたお話!!ごめん好き勝手した!!ごめん!!!←
守理くん出るよ!
ほんのりみやせつとかしほりょとか守さわっぽいけどまぁノリで見てください!!






 そうして男はくるりと手にしていたシャーペンを回してみせる。にこやかに笑いつつ、口を開いた。
「さてさて、これから第一回男女人気投票はじめまーす」
「いっきりなりだな守理兄」
 守理の言葉に紫良はそう突っ込むことしか出来なかった。


 【 男女☆人気投票 】


「えーっと、じゃあ男子部門、って事で女子からね〜」
 そう意気揚々と手にしていたシャーペンをノートに走らせる守理。ノートには丁寧とは余り言えない字でこの場に居る者たちの名前が書き連ねられていった。
「え、まじでやんの?」
「おうよ」
「……って言うか守理兄なんでいるの?」
「そういうこと突っ込んじゃいけません。ってか今日お前の家行く予定だけど聞いてねぇの?」
「あ、そうだっけ?」
 そんな簡単な会話をしながら名前を書き終えたノートを見やり、守理はすぐ側に居たせつるに声を掛けた。
「ではせつるちゃん」
「え? あ、はい!」
「せつるちゃんがこのメンバーでかっこいいと思う人一人あげてくーださい」
「えっ」
 守理のいきなりの問いかけにせつるはぼっと顔を赤くして言葉をなくす。その様を見て守理は頬杖をついて笑いながらまぁまぁとせつるに向かって手を振って見せた。
「そう深く考えないでさー。芸能人とか見てかっこいい、とか思うでしょ? あれと一緒の感覚で」
「え、えっと……その……た、タイト先輩、です……」
「おー、じゃあタイト君一票で」
 守理はその言葉を受けて書き連ねた名前の一つ、タイトの名前の隣に一本の線を引いた。
「んじゃ恵紫は?」
「え? んー……カッコイイ人でしょ?」
「そう」
「ゆうや君」
「おぉー、即答」
 恵紫のすっぱりとした言葉に守理は笑いながらゆうやの名前の隣に線を引く。
「じゃあ次、めぐこちゃん」
「え? 私!? えーとえっと……えと……やっぱりタイト先輩ですかね」
「タイト君人気だなー」
 守理はやはりそう笑った。守理の向かいに座る紫良はそのノートを覗き込む。
「んじゃあ次、みやきちゃーん」
「あれ、私ですか? えーと……んじゃあ可哀想なんで従兄弟二人に半票ずつで」
「半票って」
 みやきの言葉に笑いながら守理は志萌と良羽の名前の隣に線を引いた。
「みちよちゃんはー?」
「あ、私白紙解答で」
「ちょ、その発想無かったわ」
 みちよの言葉にけたけたと笑いながら守理は腹を抱えてみせる。それを見てみちよの隣に居たさわおは相変わらずのテンションで呟いた。
「北川さんそれないわー」
「いやいやありですよ。解答の自由ですよ」
「いやまぁ確かに自由だわ」
 肩を震わせる守理はそうして笑いながら紫良と同じようにノートを覗き込んできたイトを見上げた。
「イトちゃんは?」
「え? えっと……ゆうや君かっこいいです」
「おー、ゆうや君とタイト君でほぼ二分って事だなー」
 ゆうやの名前の隣に線を引き、うんうん、と守理は頷いてみせる。
「じゃあかわいそうだから俺の票はさわお君にあげよう」
 守理はそう言いながらさわおの名前の隣に線を引いた。
「えっ、いりませんけど」
「そういわないで貰っといて〜」
「いやいやいや。ていうか同性票ありなんですか」
「今からアリで」
 そう言って守理はシャーペンで紫良を差して見せた。
「紫良は?」
「え? 俺、タイト」
「即答かよ」
「ゆうや君も正直捨てがたい」
「ふはは、じゃあ半票にしとくか。はつる君はー?」
 守理の言葉にはつるはびくっと身体を揺すらせた。
「えーとえと……俺もタイト先輩かなぁ……」
「タイト君は男性票が多いなぁ」
 そう笑って守理がタイトを見やれば、本人は苦笑を漏らしている。
「嬉しいようなそうでもないような」
「じゃあそのタイト君は誰に入れる?」
「んー……ゆうや君かな」
「そのこころは?」
「かっこいい、っていうならゆうや君。可愛いとかならまた違ったかも」
「なるほどねぇ」
 タイトの返答に納得しながら守理はシャーペンを走らせる。
「で、もう一人のホープは誰に入れる?」
「……ホープって……」
 にやにやと笑いながら守理が視線を投げかければ、ゆうやは少しばかり照れ臭そうにしながらも考え込むそぶりを見せる。
「んー……やっぱりタイト先輩ですかね……あ、守理さんもかっこいいですよ」
「おお、ありがとー」
 ゆうやの言葉にそう感謝を述べて、守理はじゃれあっている志萌と良羽を見やった。
「二人はー?」
「おー、じゃあ僕はりょーちゃんに!」
 言いながら志萌は良羽に抱きつき、良羽はそれを引き離しながら口を開いた。
「俺は……じゃあしょうがないから志萌に」
「美しき兄弟愛だねぇ」
「違います断じて」
 守理の言葉に良羽はそう返し、そうしてにやにやと笑っている志萌を見やる。ふん、と顔を背ける良羽を見て志萌はやはり笑った。
「んーと、あ、さわお君は?」
「あ、俺のは白紙解答で」
「ちょ、それみちよちゃんと一緒じゃん」
「いやいや解答者の自由なんで」
 そのさわおの言葉に笑い、そうして守理はノートを見やる。それから笑ってまた口を開いた。
「んじゃあ本題、女子部門〜。はいはつる君」
「えぇっ、俺から!?」
 守理に言葉を振られ、はつるはわたわたとしながら考え込む。
「こ、これ凄い答えづらいよ……紫良ならどうする?」
「えっ? えーと……いやまぁ確かに答えづらいわな……」
 はつるに話を振られ、紫良も戸惑いながらそう答える。そこに手を軽く上げながら口を挟んだのはタイトだった。
「じゃあ僕はイトちゃん。可愛い妹だからね」
「お、イトちゃんに一票〜」
 タイトの言葉に守理はそう軽く答えながらノートに書き込む。
「おにいに票貰っても嬉しくないー」
「そう言わないでよ」
 むう、と膨れてみせるイトにタイトは苦笑しながらそう答えた。
「あ、守理さん守理さん。同性票が良いなら私はせつるちゃんに!」
「み、みやきちゃん!?」
 元気に手を挙げながらそう守理に言ったみやきにせつるは驚きの声を上げた。
「せつるちゃんかわいーもん」
 みやきの言葉にせつるは「そんなこと……」と呟いて顔を赤らめる。
「じゃ、じゃあ私の票はみやきちゃんに……」
「え、ほんと!? ありがとー! せつるちゃん!!」
 せつるの言葉に本当に嬉しそうに笑い、みやきはぎゅっとせつるに抱きつく。
 その様をほほえましく見守りながら守理はペンを動かしそうして答えていない男子組を見やる、が、皆はそれぞれ顔を背けてしまう。
「駄目だな男子ー。こういうところは盛り上がっていかないと」
「じゃあ守理兄は誰に入れるの?」
「俺? みんなかわいーから全員」
「……」
「そんな顔すんなって恵紫ー。お前に入れてやるよ」
「……なんか嬉しくない」
 恵紫と守理のそんな会話の背後で、放課後の終了を告げるチャイムが鳴り響いた。
「お、もう帰る時間か」
 守理がそう声を上げれば、恵紫が溜息を吐き出しながら口を開く。
「じゃあとりあえず各自片づけして、窓の施錠だけ確認してもらっていい?」
 まとめ役のようなその言葉に、机の近くに集まっていた皆がそれぞれ帰宅の準備を始める。荷物を片付け、近い場所の窓の施錠を確認する中、紫良は守理のノートをじっと見つめた。
「お前は?」
「……」
 その視線に気付いて守理は笑いながらそう問いかける。紫良はほんのりと頬を赤らめながら指先でその名前を指し示した。
「ん、」
「……ほぉ。お前がねぇ」
「……良いだろ、別に」
 守理のその言葉にふい、と顔を背けて紫良は小柄な彼女の元へと行く。その背中を見やり、守理は笑いながらノートを持ち上げた。
 紫良が指差した名前は勿論、現在交際中である彼女の名前。姉の後ろばかりを追っていたことを知っている守理は一人ほくそえんでノートを閉じた。
 大学生の暇つぶしには、充分すぎる収穫だった。


 了



書いてて守理君さいてい!とか思いました(笑)
皆怒っていいのよ…??