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おさかな

 昔は湖に住んでいた……いやいや、沼だったかな。出口も入口もない、自分だけの都だったけど、今はもうない。
 一人の時は生き生き泳ぎ回っていたもんだけど、今の池に来てからは、仲間と一緒にもっとのびのび泳げてる。
 大海にはもっと沢山仲間がいるよって時々誘われる。大海に出てみたいとは思うけど、食べられちゃいそうで本当は怖いんだ。それに、どんな事故にあうかわからない。
 いつか波に打ち上げられて、干からびちゃった奴がいたって聞いたんだ。
 いつか黒い影に襲われて、姿を消した奴がいたた聞いたんだ。
 海は広い。だからこそ、何があってもおかしくないんだ。
 自分でいくら気を付けていても、それは静かに忍び寄って来る。自分は悪くなくても、いつか餌食になってしまう。
 海が嫌になって逃げてきたヤツがいたよ。そうさ、逃げちゃえば良い。けど、逃げれない場合もあるんだろうな……。
 僕は小さな池に住んでいるだけで充分かなって思うんだ。井の中の蛙もいいもんさ。小さな池だからこそ、見渡せばみんな気心の知れた知り合いだもの。
 勇気が無いって言われても別に良いさ。まだ死ぬには早いもの。最低限、出来る限り危険や嫌な事は回避したいよね。
 やらなくちゃならない嫌な事は仕方ないけど、やらなくても済む嫌な事はしないに限る。人生は自分の為にあるものじゃないか。
 ……いや、魚生か。ぎょぎょぎょ

とあるさかなの突発的寝言。



―――

なんか魚が書けって言ってた。フナ辺りのつぶやきなのだろうか。淡水魚なら海水ダメじゃん。

清風

 見渡す限り背丈の低い草が生え、風に吹かれた姿は青々とした海原の波のよう。
 大草海を超えて来た風はさわさわと、心地好く我が耳を頬をと撫ぜて行く。
 立夏の頃の空を見上げれば、よく肥えた雲が元気良く流れ去る。
 草原に寝転んだ旅人はぼんやり空を眺めた。

 遠き彼方ではこの天を、剣劇や陣太鼓の音が突き、赤き炎が嘗めている。
 それが嘘のようにこの辺りは静かだ。
 全てを忘れ、この海原に消えてしまいたいと思う事がある。
 この心地好い風がそう思わせるのか、この心地好い草の囁きがそう思わせるのか。
 旅人は瞳を閉じ、深く呼吸した。



――――――
とりあえず、草原が書きたかっただけ。
左右見渡す限りの草原と、真っ直ぐ前へ伸びる街道。そこに吹く風……。
何か爽やかな風景が浮かんだ。

話題:SS
……。
ショートストーリーって程じゃないね(^^;)

人ならざるものの円舞曲

 生臭い風が吹く。
 そこは右も、左も、暗闇の中をはいずり回る命亡き物で溢れ返っていた。
 つい先程まで顔見知りだった物の顔も見えるが、それはもはや人ではない。

 何処からともなく沸き上がってきた屍の群れは、瞬く間に小さな村を飲み込んだ。
 黒く滲み出たそれは、形を無くすまで壊さねば、再び動き出す。
 自警団など役に立つわけも無く、武器を握ったまま屍の仲間入りをしていた。


 一刻前までは村だった場所の中央には教会が建っている。
 その尖塔で、唯一となった命ある者が剣を振るっていた。
 見た目からは外套を着込んでいる為男女の区別は付かないが、小柄で、子供のようにも見える。
 手にしている剣にはどす黒い血糊がべっとりと付き、もはや『切る』とは言えず『叩き潰す』為の武器となっていた。
 四肢を狙って破壊する。だが、それでも機能は停止しない。

「そろそろ、潮時かな……」

 ぽつりと呟いた言葉は、白南風に乗って消えた。

「まだ、生きている人間がいるとは驚きですね……」

 闇に、ぞっと背筋が凍り付く程冷たく、低い声が響く。
 すると、今まで犇めいていた屍の群れがさっと道を空けた。

「成る程。お前がこの軍団の親玉か」

 凛とした口調で紡がれた言の葉は、幾分かの余裕が感じられる。
 声からすれば、女のようだ。

「親玉と言われればそうかも知れませんね。それより、貴女は何者ですか。そんななまくら刀一本で生き残るとは」

 カツっと石畳の廊下に靴音が響く。
 一歩、一歩と歩む足音は次第に近付き、ついにその主を明かりの下へと晒し出す。
 黒い闇に紛れる服装。同じような黒い艶やかな髪は後ろに撫で付けられている。
 そして双眼は鋭く紅に輝いていた。

「こんな輩にやられる私じゃない。さっさと決着付けようじゃないの……」

 言いながら女は剣の血をを服の裾で拭う。

「せっかちな方だ。……ま、嫌いではないが」

 ふっと男は口元を歪め、剣を抜く。
 月の光りに、二人の剣が煌めいた。
 その姿はあたかも、円舞曲を踊るか如く。


―――――――――
久々SS
結局普通の人が丸っきり出てない。

……。
つい、書き終えるとすぐに上げちゃいたくなる……病だな。うん。


本日、拍手を頂きました。
ありがとうございます(^^)

寒月

 寒月が冷ややかに闇夜を照らし出す中、露台に小さな足音が谺する。
 足音の正体は風に長い濡れ羽色の髪を靡かせる、小柄な女だった。
 煌々と輝く月に照らされた肌は透けるように白く、あたかも降り積もったばかりの雪原のようである。
 寒風が吹き抜けた。
 その寒風に揺れる牡丹のような、可憐な唇がそっと動くが、言葉は紡がれない。

「志暉(シキ)、このような場所に居ては、体を壊すぞ」

 露台の入口から、背の高い男が覗き込み、女に声を掛けた。
 名前を呼ばれた女は、はたと足を止める。

「主公……明日、再び御出陣なさるそうですね」

 女は振り返る事なく、再び唇を動かす。
 発せられた声は、存外低めの声だった。
 男から返答は無い。が、重い足音が響く。
 足音と同時に金属の擦れる音も耳に入る。佩剣しているようだ。
 女は一瞬身を強張らせ、黒い瞳を閉じた。

「苦労をかける」

 小さく耳元で呟く。
 その吐息は微かに酒の匂いがする。
 手が肩に触れたと思えば、すぐさま離れ、肩には着物が残された。
 女は、そっと男の手が置かれた肩に手を添え、俯いた。

「お帰りを、お待ち申し上げております……」

 振り返らずに声を発するが、声が震えた。

「何か、あったのか」

 すっと、大きな気配が脇を通り過ぎた。その気配の袖を、女はヒッシと捕まえる。
 すると男は困惑した顔で女を見下ろした。

「嫌な……嫌な夢を見ました……」

「夢……か」

 男は弱々しく袖を掴む女の手を、両手で握り締めた。

「安心しろ。私は生きて帰ってくる――」

 ……。
 そうじゃない。
 そうじゃない、と女は心中で反論しつも、口に出す事は無かった。



――――――――
文章(万年)リハビリ中。
書きたい事書くのに、丸一日とか……ましてや全くまとまってない。
まだまだ駄目だなぁ(´`;)

昨日、拍手をもう一件頂きました。
ありがとうございます〜(^^)

話題:SS

魔女の領域

好きな曲で物語創作!

創作活動をしている方へのバトンです。
好きな曲のタイトルからイメージしたショートストーリーorイラストを書いてください。

・SSの場合は、歌詞に使われている言葉を文中にいくつか織り込んでください。
・一次、二次創作、NL、BLなど、なんでもOKです。

では、どうぞ!
…………………………………

♪タイトル…Cemeteries of London
♪アーティスト…COLDPLAY
・NEXTpage

歌のイメージ。
歌詞は一行だけ。
頑張った……。
続きが書けそうだが、今は無理。

本当はね、VIOLET HILLかVIVA La VIDAが良いんだけど、浮かばなかった。

Life in Technicolor iiVerはこちら



お疲れ様でした。
♪次に回す人…お持ち帰り自由で。
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こっちのバトン回答でもあったりする。
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